シグマ17-35mmEX DG






SIGMA AF17-35mmF2.8-4 EX DG HSM




前回に引き続き、今回もシグマのレンズである。贔屓の引き倒しとはこのことだ。
このレンズ、色々な意味でタムロンの同スペック・17-35mmと比較されるが、エンゾーにしては珍しく、声を大にして「今回はシグマの勝ち!」と宣言したい。

まず、何はなくともフルタイムマニュアルフォーカスが出来る事。これは大きい。(よくよく考えると、同時期に発売された12-24mmとともに、シグマとしては久々のフルタイムMFレンズである。HSMの技術そのものは早くから開発されていただけに、意外だ)
HSMの採用により、鏡筒はタムロンよりもふた周り近く太くなり、また重量も重くなったが、この辺は設計思想の違いであり、エンゾー的には許容範囲に収まっている。「ころん」としたカタマリ感のあるデザインが好きだという理由も大きいが(笑)。

近接能力はピカイチで、この手の超広角ズームの中ではもっとも寄れる(27cm)。先代17-35mmが50cmまでしか寄れなかった事からすると、大幅な進化だ。超広角の世界では、被写体には寄れるだけ寄れた方がいい。
歪曲の少なさは、特筆に価する。特に17~20mm域の歪みはよく補正されていて、ズームレンズである事を忘れてしまう。これなら、直線の多い構造物を撮っても問題ない。

解像感あふれるシャープな描写に関しては、いまさら言うまでもない。シグマらしい、非常に抜けの良い画作りをする。しかも、今までしつこいほど言われ続けてきた「逆光性能の弱さ」も、ことこのレンズに関しては、さほど気にならない。これはやはり、デジタル一眼レフに対応する「DGレンズ」だからなのだろうか?いずれにしても、絞り開放から安心して使える性能がある。

先代モデルに比べて、フィルター径がワンサイズ小さくなったのも歓迎すべき改良点だ。単に前玉が小さくなっただけでなく、フードも小型化されている。これで、カメラバッグへの収納性が大きく向上した。 「防湿庫から持ち出す気になるかどうか」 という点は、レンズ性能にとって非常に重視されるべきポイントだとエンゾーは思う。(その点、キヤノンの純正超広角ズームは、フードがフィルター径の割りにデカ過ぎて、バッグの中で置き場所に困る事になる)

はっきり言ってこのレンズ、デカさ以外はけなすところがあまりない。変な言い方になるが、「シグマなのに」褒めてばっかりだ。強いて言えば、ズームリングの動きがやや渋めである。このへんの多重カムの造りに関しては、やはりタムロンが一枚半ほど上手だ。

いずれにしても、どうしてもF値固定のレンズに拘る向きは、カメラメーカー純正レンズを買えばよい。しかしエンゾー程度のスナッパーにおいては、今のところその必要を全く感じない。そのくらい「使える」レンズである。

やるではないかシグマ!


作例








長所

○フルタイムマニュアルフォーカスの採用、前玉およびフードの小型化。高級感のある仕上げ。
○超広角にもかかわらず、直線が歪まない、よく補正された歪曲収差。逆光にもさほど弱くない。

短所

●これで、あと少しだけ小さければ言う事なし。
●ズームリングの動きがやや渋い。


スナッパーへのオススメ度 (10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆

風景派へのオススメ度 (10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆

*ここまで来たら、次はいよいよ「F値固定モデル」を開発して欲しいところです。小型でF3.5固定とか。





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