宮木京子の さらさら散文

宮木京子の さらさら散文

「ステップ」その5




結論としては、投資単価が高すぎるため人気が無い


ってことかなあ~???塾業界の中で投資単価が2番目に高い。一番はナガゼって会社で、ここは財務も悪く、PERも低くないので投資単価が高いくせに一定の評価はされているんだけど。


ナガゼなんてしらねーよ!!!何でこんな会社にステップが評価で負けるんだよ!!と一瞬カチンときましたが、ナガセって東進ハイスクールの事だったのね・・・


東進ハイスクールと、ステップじゃ規模も知名度も正直拡大余地も東進のほうが上。


という事で、ステップの評価が低いのはやはり投資単位が高いのが一番の原因かなと。株価が安い原因が、業績や財務等とは全く関係のないことなので、この銘柄は本当にお買い得ですね。


ステップの成長性について考えています。


神奈川県以外に進出しない地域密着型ながらも、過去の実績をみると10年連続増収(←会社情報で10年間しかチェックできないからその前がわからないだけど)、2000年以外の9年間は増益。


もともと成長性に期待して買ったのではありませんが、過去の実績を見る限りではりっぱな成長株です。今後も増収増益が続くようならば、ちょっと作戦を練りなおさなればなりません。


まずステップの生徒数状況から。

小学生 1293(1293)→1419(1419)人  
9.7%増

中学生 9143(3047)→10873(3624)人 
18.9%増

高校生 1568(522)→1902(634)人   
21.3%増


括弧内は学年平均です。中高は3で割っただけですけど(笑)。ステップは小学生は6年生の1学年しかありません。


小学6年生は、あくまで高校受験に向けた準備という位置付で小学5年生から塾に生かせる必要はないという方針です。何かちょっともったいない気がします。


もし、小学生低学年に進出する方針にしてくれれば、中学生の前の時間帯にやればいいだけですから、生徒数UPのため新教室を開講するわけではないので大幅な経費増にはならないし、講師も社員が行えばよいので人件費の増にもなりません。


利益的にはかなり魅力のある成長余地分野になると思います。


中学生は後回し。


高校生は現在絶好調の分野です。利益率が一番良く、ここが今後の成長余力を握っていると思います。


栄光ゼミナールでアルバイトしている時がそうでしたが、中学と高校の両方に塾がある場合、塾側とすれば高校生になってもそのまま同じ塾に通ってくれれば一番美味しいです。


それには希望の公立高校に合格させる事がまず第一ですし、そこに合格という実績をつくれば、本人や保護者の塾に対する信頼関係が築かれると思うので、高等部進級もすすめやすいです。


現在の中学生3624人全員が大学受験をするわけじゃあないですし、大学進学希望組でも私立へ進学した生徒は、塾なんて行かないでしょう。ですので、進級の対象は公立トップ高への進学者です。


ステップの合格実績によると、公立トップ高の合格者は1111名。


今現在の高校生の1学年平均が634名。


高等部の生徒全員が元塾生ってわけじゃあないでしょうから、自分のバイトしていた時のイメージからすると中等部→高等部への進学者が少ないですね。


おそらく、高等部のほうがまだ完全に整備されていないからだと思うので、高等部の教室が神奈川全域に整備されれば、高等部はまだまだ成長が見込めると思います。


ステップの成長性について(中等部)


神奈川県の学区内トップ高の
生徒数  ステップ塾生の合格者数 占有率 
です。占有率の高い順から列挙します。

鎌倉藤沢学区 湘南
317   173   54.57
大和座間綾瀬学区 大和
238   102   42.86
茅ヶ崎学区 茅ヶ崎北陽
325   133   40.92
平塚学区 平塚江南
319   110   34.48
横浜西部学区 希望ヶ丘
320   110   34.38
厚木海老名愛甲学区 厚木
319   99   31.03
県西学区 小田原
318   73   22.96
相模原南部学区 相模大野
242   54   22.31
秦野伊勢原学区 秦野高校
358   69   19.27
相模原北部津久井学区 相模原
277   52   18.77
横浜臨海学区 横浜緑ヶ丘
318   24   7.55
横浜南部学区 柏陽
317   23   7.26
横浜中部学区 光稜
277   19   6.86
横浜東部学区 横浜翠嵐
278   8   2.88
横浜北部学区 川和
318   6   1.89
横須賀三浦学区 横須賀
318   2   0.63


神奈川県内でも、ステップの強い地域と弱い地域がはっきりとわかりました。


湘南高校って、2人に1人がステップの元塾生って計算になります。う~ん、恐ろしい、他に塾はないのか??(笑)。


ステップの広告活動は、合格実績や先生の質などの口コミ戦略が中心で広告費が少ないという特徴がありますが、これだけの実績だったら、本当宣伝する必要ないですね。


これだけの占有率がある状況ならば、いくら強い塾が他県から進出してきても負けるとは到底思えない。秀英予備校の神奈川進出が怖かったのですが、進出しているところがステップが強い地域ばかりなので、こりゃ心配無用のようです。


実際秀英が神奈川にすでに10校進出していますが、ステップは全く影響を受けていません。


問題は、横浜・川崎の都市部ですね。


問題というより、教室が全然ないんですね(笑)。なんでだろう???横浜は一部地域にはありますけど(たぶん横浜西部学区にあたる地域で、そこではちゃんと合格実績を出している)、川崎なんて全然ない。


これは、これから進出予定なんだろうか???それとも進出しても勝てないような強力な地元塾が存在するんだろうか???神奈川の公立高校受験に関しては、実績・実力ともに力があるはずなので、特に川崎に全く進出しないというのは考えられない。


という事で、今後学区も撤廃される事ですし、川崎・横浜地区はステップの大きな成長余力の部分になると思います。


まとめると、神奈川県内だけでも

小学5年生以下
横浜・川崎地区の中学生
高校生全般


が成長余力になります。神奈川だけでも、まだまだ成長が見込めそうです。


ステップの成長性について、いろいろ調べて見ましたが、正直ちょっとビックリしました。どうやら私の当初の見解は間違っていたようです。


ステップに成長性がないなんて、とんでもない。今まで着実に成長してきたし、これからも十分成長余力のある株です。ただ、そのペースがあまりに穏やかで地味な銘柄である為皆が知らないだけ。


まず過去の実績ですが、10期連続増収増益っていう同業他社は


秀英予備校


しかないんです。ステップは、その秀英に次ぐ10期連続増収9期増益。


自分のひとつ前の年代が中学生の数としてはピークだったので、ステップの10期連続増収中は、中学生の数はひたすら減り続けていたんです。


変な学習塾に関するレポートを見つけたのですが、それによると15歳の人口は、


1995年 160万人
2000年 140万人
2005年 120万人
2010年 120万人
2015年 120万人
2020年 120万人


まあ、だいたいすけど、2年後の2005年には底をうって、その後2025年くらいまでの20年間は、わずかながらの微増傾向になるんです。


15歳人口が減り続けている中、増収を続けられたのだから、人口が今後減らないのであれば、逆に増収率が上昇する可能性すらあります。


1994年から10年間の、ステップの増収率と増益率です。

13.44    10.69
11.09    16.21
10.28    1.78
13.71    18.08
2.17    13.58
4.15    △10.22
3.78    21.07
4.99    9.00
7.33    13.58
4.47    1.78


売上げが大きくなったため、効率がよくなって利益率がアップしたのでしょう。1994~1997の4年間は、増収率が10%を超えており、この間はかなりの拡大路線中だったと判断します。


よって、増収率の大きい4年間は除外して、安定成長に入った過去6年間の平均増収増益率を出すと、


増収率 4.48%
増益率 8.13%


となります。過去6年間、毎年コンスタントにこの増収増益を達成してきたのだから、今後人口の減らない10年間は、少なくとも毎年4%の増収増益が見込めると判断します。


人口が減らないだけでなく、先の投稿にも書いたように、


小学5年生以下の展開
高等部の成長
横浜・川崎地区への進出


など、まだまだ未開拓の分野がたくさんあるので、成長余力は十分あると判断します。


10期連続増収
10期中9期増益で
今後も増収増益増配が十分見込めるのに、
配当利回りが4%以上で、
PERが6倍台、
PBRが1倍以下、
自己資本比率は70%以上
ROEは10%以上

なんて、ちょっと美味しすぎるんですけど・・・。配当だけで買ったのに、これは10年保有していれば、株価の値上がりも十分期待できます。


10年間4%成長を続ける事ができれば(はっきり言って楽勝だと思う)配当金は75円。一株利益は250円。


PERでみれば、

PER5倍で1250円

配当利回りでみれば、

配当利回り5%で1500円


いくら不人気でも、この辺が下値の限界だろう。という事は、今買えば配当利回り4%でありながら、下値の不安は全くないという事。


実際市場も、その通りに動いていて、四季報でみると2000年12月に615円で底を打ってからは3年間確実に株価が騰がってきている。


急激な成長だと、途中増資などでの資金調達が必要だけども、ここはその必要もなさそう。だいたい配当性向を50%から30%へ引き下げた時点でその辺の問題はクリアされたはず。


う~ん・・・いい銘柄だ。・・・と思う。


→「その6」へ続く


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