Fancy&Happiness

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VAMP 続き1




忙しいながらも充実していたある日、瑞樹は些細なことで光と喧嘩をしてしまう。瑞樹は光の人を見下したような態度が気に入らなかったのだ。
瑞樹は明るい面と裏腹に暗い過去を持つ。幼い頃、家族と行ったキャンプで見知らぬ者に両親を殺されたのだ。そして、幼い瑞樹はその前後の記憶をすっかり失っていた。彼女が覚えていたのは、あまりにも冷たい目と笑い声、見下した態度。それだけだった。瑞樹は見下した態度を自分に向けられるたび、その時のことを思い出した。

お互い非を認め、光と仲直りもした頃。瑞樹はモデルの仕事現場で秋元 亮と呼ばれるモデルと出会う。しかし、彼からは吸血鬼であるゼルと同じ感覚を受け、瑞樹は彼に疑惑を持った。
その日の帰り道、瑞樹はBLOOD HUNTERの仕事をしようと通りがかりの人を襲う。しかし、襲われた相手はそれをかわし瑞樹のほうを向いた。
見れば、襲った相手は秋元 亮だった。彼はなぜか瑞樹の血を欲しているようす・・・。瑞樹が襲われかけたその時、同じく仕事をしていたらしい光が現れ、瑞樹を助けてくれる。そして、秋元 亮の方を向けば、彼の顔は全くの別人になっていた。「コーネリアス!」光が言う。どうやら2人は知り合いのようだった。そして、瑞樹にもその顔に見覚えがあった。そう、両親を殺した張本人だったのだ。瑞樹は記憶を取り戻し、怒りに燃える。が、コーネリアスと呼ばれた男は瑞樹がBLOOD HUNTERと知り、掟を破ったと言うと2人を吸血鬼界の牢獄へ閉じ込めてしまう。

牢獄へ入れられた2人は何とか脱出する手立てを考えていた所、目の前の牢獄にも囚人がいることに気がつく。幼い顔立ちにオッドアイ。手には金の腕輪をしていたが、それ以外に鎖もかけられていた。「僕はタクス・アクリュード。」少年は言った。どうやら吸血鬼界の支配者であるコーネリアスに捕まり、ずいぶん長い間ここに閉じ込められているようだった。
その時、いきなり瑞樹たちの牢獄の戸が開いて見知った顔が投げ込まれた。なぜかゼルだった。彼は瑞樹が女だと知っていたのに黙っていたために、共犯者として牢獄送りになったらしい。
ゼルは目の前の牢獄にタスクがいる事を知ってとても驚く。ゼルは、タスクこそが本来の吸血鬼界の支配者となるべき血筋だと言うのだ。
それを訊いた瑞樹は、両親を殺しただけでなく、タスクを牢獄へ入れたことにも腹を立て、復讐を誓う。
しかし、コーネリアスの行動にはわけがあるのだとゼルは言った。ゼルはコーネリアスの元親友で、だいぶ内部事情を知っているようだった。
「コーネリアスは人間に恋をしていた。」ゼルは言った。しかも、相手は光の姉でBLOOD HUNTERでもあった竜崎 香。しかし、彼女にはほかに想い人がいて、恋焦がれたコーネリアスは2人を殺してしまったらしいのだ。そして、なぜか光をBLOOD HUNTERに引き入れ、『永久の命』と呼ばれる血を探しにいった。それは、相性のあった人間の血でそれさえ飲めば数年は血を飲まなくて済む、という代物らしい。そして、コーネリアスの『永久の命』の持ち主こそが瑞樹の母親だったのだ。そして、その効力が尽きようとしている今、似た血の持ち主である瑞樹の血を欲している、というわけだ。
それを聞いて光も怒りに燃えたが、タクスが「コーネリアスは寂しいんだよ。愛する心を捨ててしまって。だから助けてあげなくちゃ」と2人をなだめ、3人はコーネリアスを助け、仇を討つ方法を考え始めた。
その方法が見つけられずに考え込む3人に、タスクが妙案を持ちかけた。それは、『赤い涙』と呼ばれる、どんな質問にも答えてくれるという不思議な石を壊すことだった。コーネリアスはその中に自分の気持ちを封印した。だから、それを壊せば彼には心が戻り、その分苦しむことになる、と。
3人はそれを実行するために、タスクの力を借りて牢獄を脱出し、コーネリアスのいる部屋へと向かうことになった。

次回が最後です。


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