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韓国通の人たちR3
<韓国通の人たちR3>
歴史認識を巡って、巷では嫌韓本が溢れる昨今であるが、頭を冷やす意味もあり・・・
この際、これまで読んできた比較的公正でリベラルなジャーナリスト、作家の本や記事を並べてみました。
・史上初、罷免の底流(2017年)小此木政夫
・韓国化する日本、日本化する韓国(2015年)浅羽祐樹
・韓国 反日感情の正体(2013年)黒田勝弘
・ハングルの愉快な迷宮(2009年)戸田郁子
・韓国の品格(2008年)重村智計
・日中韓はひとつになれない(2008年)小倉紀蔵
・それぞれの韓国そして朝鮮(2007年)黒田福美さん他
・なぜ、日本人は韓国人が嫌いなのか(2006年)岡崎久彦
・李朝残影 : 梶山季之朝鮮小説集(2002年)
・ソウルの風景(2001年)四方田犬彦
・ハングルへの旅(1989年)茨木のり子
・韓国人の発想(1986年)黒田勝弘
・ソウルの練習問題(1984年)関川夏央
なお、過去に遡って、追記予定でおます。
R3:「韓国化する日本、日本化する韓国」、「それぞれの韓国そして朝鮮」を追記
(耕論)史上初、罷免の底流
朴槿恵大統領が、憲法裁判所から罷免を宣告されたが、慶応大学名誉教授の小此木政夫さんがオピニオン欄で「破滅的な分断、憲法裁が回避」と説いているので、紹介します。
(小此木さんのオピニオンを3/11デジタル朝日から転記しました)
韓国の国会から弾劾訴追されていた朴槿恵大統領が、憲法裁判所から罷免を宣告された。数カ月にわたる市民のデモや政治の混乱を経て、1948年に大韓民国ができて以降初めて、大統領が罷免された。歴史的な事態は何を意味するのか。今後の日韓関係はどうなるのか。
■破滅的な分断、憲法裁が回避:小此木政夫さん(慶応大学名誉教授)
日本の政治を基準にすれば、知人の国政介入などは朴槿恵氏の弾劾には値しないのではないか、と多くの日本人は思うかもしれません。しかし、刑事上の責任が問われたわけではなく、これだけ大きな混乱を招いたことが問題になったのであり、その政治的な決着を憲法裁判所がつけたのです。政治は国によって違う。それぞれの国の政治的伝統や文化を知らなければ誤解が起きます。
韓国政治は政府や議会、政党政治で構成される「制度圏」と、知識人や学生の運動がもたらす「運動圏」の二つが動かしています。
「制度圏」では誰がリーダーになってもそこに権限が集中し、権力が人格化される。一方、「運動圏」は在野の人々で構成され、多分に原理主義的な市民運動で、利益でなく社会正義を追求します。
今回の弾劾の過程で、国民の支持は「運動圏」に一気に傾きました。国民は大統領が密室で何をしているのかがずっとわからなかった。メディア報道で、チェ・スンシルという民間の女性が、大統領を操っているというイメージができ、国民の大きな怒りを買いました。さらに朴政権と財閥の「癒着」というイメージも広がった。「財閥との癒着」は韓国人にはなじみが深く、皆それで納得した。
*
歴史的に見ると、60年代以降に軍事独裁政権のもとで形作られた「制度圏」と「運動圏」の分断と対立が今回、かつてないほど極端に噴出した。収拾が不可能になるのを憲法裁が救済した、という構図です。
そもそも一般の裁判所とは別に憲法裁が設置されているのは、クーデターなどの暴力的事態を回避するための調整機能を果たしてもらうためです。今回も放置すれば政府や議会が機能不全となり、左右のデモが街頭で衝突する破滅的な状況も考えられた。だから憲法裁は「罷免」という決断でそうした事態を防いだのです。
日本人が驚いたのは、毎週、反朴デモに集まった韓国人の姿でしょう。背景には韓国で根強い抗議や抵抗の文化がある。王朝時代は国王へも儒教の観点から訴える文化があった。植民地時代には民衆蜂起があり、60年代以後の学生運動も権力への抗議でした。それらは簡単にはなくならない。伝統を土台に政治文化が形成されます。
その伝統のためか、韓国は参加民主主義の要素がとても強い。選挙と選挙の間も権力監視し、問題があれば行動に移す。日本は代議制民主主義の要素が強く、選挙がない時期に政治に積極参加する人は少ない。手法の違いであり、良い悪いの話ではありません。
*
2015年末に日韓両政府は慰安婦問題で合意しました。私はその合意を高く評価していますが、両国政府の「制度圏」による合意だったため、「運動圏」の反応を心配しました。韓国の「運動圏」では合意が正義にかなうかどうかが重要で、合意が正しくなければ守ってはいけないのです。
大統領選後に、韓国の新大統領には国内の「運動圏」を説得してもらわなければなりません。在外公館前に像を建てるのは国際的な礼儀に反すると。釜山の日本総領事館前の少女像も早急に移転すべきで、それなしには日韓関係は始まらない。しかし隣国の政変時に大使が不在なのは困る。一時帰国させている大使を、大統領選までに韓国に帰任させるべきです。新政権との関係が最初につまずくと長期間こじれるかもしれません。
韓国では保守派と進歩派が二大政党的な政権交代を繰り返してきました。今回の弾劾でできた両者の亀裂は大きすぎ、大統領をやめさせられた保守派の怨念はすごい。さらに「制度圏」と「運動圏」、東西の地域対立、北朝鮮との南北関係、所得の格差による上下の分断……。
韓国社会のあちこちで見られる分断は深刻な水準に達しています。克服の道のりはかなり険しいと言わざるを得ません。
(聞き手・金順姫)
◇
小此木政夫:45年生まれ。韓国と北朝鮮の政治外交、国際政治を研究。現代韓国朝鮮学会会長、九州大特任教授などを歴任。日韓歴史共同研究にも参加した。
ウーム 小此木さんの見立てでは、今後の日韓関係の展望は険しいようですね。
なにしろ、現代韓国朝鮮学会会長の見立てであるだけに説得力があるのです。
【韓国化する日本、日本化する韓国】
浅羽祐樹著、講談社、2015年刊
<商品説明>より
日本と韓国、いま同時に起こっていることをまとめましょう。都合の良いエビデンスだけを流用して、相手の国を十把ひとからげに攻撃する。あら探しをして、そのイメージで韓国の、あるいは日本の全体を決めつける。同じような問題を抱えているのに、自分のことは振り返らない。求めに応じるハードルをひたすら高く設定する一方、脅威的な存在として警戒する。国境ではなく属性の違いが、お互いの認識を分断していることに気づかない。これらは、すべてそのまま、もう一人の自分の姿ではないでしょうか。まさに「韓国化する日本、日本化する韓国」は「映し鏡」だといえます。(「終章 あまねく、通じること」より)
<読む前の大使寸評>
日本の「映し鏡」とも言える韓国が気になるのです。
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韓国化する日本、日本化する韓国
【韓国 反日感情の正体】
黒田勝弘著、角川学芸出版、2013年刊
<「BOOK」データベースより>
ではなぜメディアや政治は執拗かつ極端な反日行動をとるのか?対日行動の真実を在韓30年の日本人記者が緊急レポート。
【目次】
第1章 反日無罪の系譜/第2章 壮大な虚構としての慰安婦問題/第3章 竹島は取り戻せるか?/第4章 反日の効用/第5章 反日はなぜ生まれたのか?/第6章 韓国人の歴史観は面白い/第7章 日本隠しとウリジナル主義/第8章 日本人が次々と“極右”に?/第9章 たかがビビンバ、されどビビンバ/第10章 東日本大震災の親日・反日/第11章 韓国の反日と中国の反日/第12章 韓国の中の日本ー統一教会と創価学会
<大使寸評>
とにかく「韓国における日本批判、日本非難というあの情熱は何なんだろう?」と思うわけですね。
著者の黒田さんが、日本人にとって、こんなに興味の尽きない民族はないと評しているが・・・・
仕事柄、この民族と付き合ってきた大使としても、まったく同感するのです。、
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韓国 反日感情の正体
【ハングルの愉快な迷宮】
戸田郁子著、講談社、2009年刊
<「BOOK」データベースより>
韓国語学習歴30年、韓国人写真家と結婚、大家族の韓国家庭に揉まれて18年。「韓国生まれの韓国人」だと間違われるほどの実力の持ち主である著者をもってしても、いまだにちょっとした言い回しに驚くことがしばしば。見知らぬ子どもに「イモ」と呼ばれたり、雨の日はなぜかチヂミを食べたり。日々の不思議をくぐり抜けて韓国語を磨いた過程を、ユーモアと愛情たっぷりに描いたエッセイ集。
<大使寸評>
著者の戸田郁子さんが、韓国人と結婚し、彼の地で暮らしているのでディープな話題に事欠かないのでしょうけど。
韓国語の完璧な発音は日本人には無理だと言われているようです。
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ハングルの愉快な迷宮
日中韓の架け橋のような家族
byドングリ
【韓国の品格】
重村智計著、三笠書房、2008年刊
<「BOOK」データベース>より
幕を開けた李明博vs.金正日の死闘!もう媚びない、という「韓国の品格」とは?韓国経済は、再び「上昇気流」に乗る!李明博大統領で韓国・北朝鮮はどうなる-。
<読む前の大使寸評>
李明博大統領がレイムダックになる前に出された本である。
7年前のこの本では、離米従中スタンスまでは予想していないが・・・
「親北・反日・反米」政策という視点に見るべきものがあるようです。
rakuten
韓国の品格
【日中韓はひとつになれない】
小倉紀蔵著、角川グループパブリッシング、2008年刊
<内容紹介より>
日本人は中韓と、政治・経済・文化においてアメリカなどへの対立軸となりうる「東アジア共同体」を設立しうるのか? 協調の前に認め合わねばならない日中韓の「差異」について考察を深め、あるべき姿を提案する。
<大使寸評>
NHK「ハングル講座」講師という韓国スペシャリストが説く内容なので、1目置いて拝聴しました。
「性善説」に着目し、「東アジア共異体」と説く論評には、大陸ウォッチャーとしての洞察が見られると思った次第です。
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日中韓はひとつになれない
【それぞれの韓国そして朝鮮】
姜尚中著、角川学芸出版、2007年刊
<「BOOK」データベース>より
姜尚中が民族を越えた多様な「共生」のあり方を探る。
【対談者】
・筑紫哲也さん・雅ーmiyaviさん・澤地久枝さん・浜美枝さん・梁英姫さん・リービ英雄さん・磯崎新さん・中井信介さん・井筒和幸さん・黒田福美さん
<読む前の大使寸評>
なんか、いちど借りたような本だと思いながら借りたが・・・
帰って調べると、やはり借りるのは2度目でした。
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それぞれの韓国そして朝鮮
【なぜ、日本人は韓国人が嫌いなのか】
岡崎久彦著、ワック、2006年刊
<「MARC」データベースより>
日本にとってたったひとりの親類の国、韓国。この隣人とどうつきあうか-。歴史、言語、比較文化、民族、差別・偏見など様々なテーマについて思慮深く且つ独創的な仮説を提起した、韓国と韓国人のことが本当によくわかる一冊。
<大使寸評>
岡崎さんには従米の外交評論家というイメージがつきまとうが・・・
この本を読めばその見方は皮相であったと言わざるを得ないと思うのです。
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なぜ、日本人は韓国人が嫌いなのか
なぜ、日本人は韓国人が嫌いなのか
byドングリ
【李朝残影 : 梶山季之朝鮮小説集】
梶山季之著、インパクト出版会、2002年刊
<「BOOK」データベース>より
梶山季之が生まれ育った「ふるさと」植民地下朝鮮を描く作品群。
【目次】
族譜/李朝残影/性欲のある風景/霓のなか/米軍進駐/闇船/京城・昭和十一年/さらば京城/木槿の花咲く頃/族譜(広島文学版)/エッセイ(韓国の“声なき声”を推理する/朴大統領下の第二のふるさと/京城(ソウル)よ わが魂(ソウル)/魂の街 ソウル)
<読む前の大使寸評>
最近まで、梶山季之といえばエロ&サスペンス?の作家だと思っていたが、朝鮮からの引き揚げ者で、朝鮮に関して数多くの作品を残していることを知ったわけです。
大使にとって土地勘もあり思い出の多い朝鮮なので、これから読んでみようと思うのです。
<図書館予約:(11/28再予約、12/04受取)>
rakuten
李朝残影 : 梶山季之朝鮮小説集
李朝残影 : 梶山季之朝鮮小説集
byドングリ
【ソウルの風景】
四方田犬彦著、岩波書店、2001年刊
<「BOOK」データベース>より
南北首脳会談の実現、大統領のノーベル賞受賞に沸いた2000年の韓国。激動の1979年を過ごしたソウルに再び長期滞在した著者が出会ったものとは何か。高度消費社会と伝統回帰、「北」をめぐるフィルム、光州事件、日本文化開放と元従軍慰安婦の集会…人々の姿、肉声を通して、近くて本当に近い隣国の現在を映し出す。第50回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
<読む前の大使寸評>
ちょっと古くなったが、四方田さんのレポートで2000年当時の韓国を見てみたいのです。
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ソウルの風景
ソウルの風景
byドングリ
【ハングルへの旅】
茨木のり子著、朝日新聞社、1989年刊
<「BOOK」データベースより>
『朝鮮民謡選』をくり返し読んだ少女時代。心奪われる仏像がすべて朝鮮系であることに気づいたのは、30歳過ぎた頃。そして、あたかも、見えない糸にたぐり寄せられるかのようにして50代から著者が学び始めたハングルは、期待通りの魅力あふれる言葉だった。韓国への旅の思い出を織りまぜながら、隣国語のおもしろさを詩人の繊細さで多角的に紹介する。
【目次】
1 はじまりが半分だ/2 日本語とハングルの間/3 台所で匙を受けとった/4 旅の記憶/5 こちら側とむこう側
<大使寸評>
詩人の本と言うよりも、韓国紹介の本としてええでぇ♪
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ハングルへの旅
【韓国人の発想】
黒田勝弘著、徳間書店、1986年刊
<「BOOK」データベース>より
アジア大会や88年のソウル・オリンピックを前に、韓国および韓国人への関心はいよいよ高まっている。“一衣帯水の国”とか“近くて遠い隣人”といわれながら、われわれ日本人にとって韓国人の考え方はわかりにくいものでありつづけた。この本は韓国生活5年有余、1970年代後半からずっと韓国ウォッチャーでありつづける著者が書いた初の本格的な体験的韓国人論であり、彼我の発想の微妙な“異同感”を実に明快に分析し、この隣人とどう付き合うかを示唆する快著である。
<大使寸評>
黒田さんの本は、常々チェックしているのだが、この本は我が家では最も古い本になります。
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韓国人の発想
【ソウルの練習問題】
関川 夏央著、情報センター出版局、1984年刊
<内容説明より>
屹立する高層ビル群を背景に、広い高速道路をマラソンランナーが駆け抜ける―ソウル五輪は現代韓国の一面を鮮やかに伝えてくれた。しかし韓国で暮らす人々について、我々は何を知っているだろう?ハングルの迷路を旅して、出会う人々と語り合い、彼らの温もりと厳しさを拾い集めた瑞々しいルポルタージュ。韓国社会のフィールドワークとして一時代を画した名著
<大使寸評>
父の本棚にあったので読んだ本であるが、韓流ブーム以前の韓国を見る著者の目は異文化を透視しています。
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ソウルの練習問題
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