カツラの葉っぱ 大好き!

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『古今東西エンジン図鑑』

<『古今東西エンジン図鑑』5>
図書館で『古今東西エンジン図鑑』という本を、手にしたのです。
大使の学生時代の卒論のテーマが「エンジン」だったような記憶がかすかにあるわけで(汗)・・・
この本は興味深いのでおま♪


【古今東西エンジン図鑑】
エンジン

鈴木孝著、グランプリ出版、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
新旧の自動車用、航空用、舶用、戦車用、汎用の個性的なエンジンを発掘し、そのエンジンの誕生と技術的・時代的背景を詳細なイラストとともに解説する、世界のエンジンのフィールドノート。

<読む前の大使寸評>
大使の学生時代の卒論のテーマが「エンジン」だったような記憶がかすかにあるわけで(汗)・・・
この本は興味深いのでおま♪

rakuten 古今東西エンジン図鑑

機関車PD型7トン機関車

終戦直後に開発された日野DSエンジンを、見てみましょう。
p203~207
<第25章 日野最古参DSエンジン>
■河川敷で見つかったエンジン
 連日じめじめと雨が降るようで、そうでもないようで、傘だけは手放せなく、一方で貯水池の水枯れが報じられる6月のある日、旧知のNさんから、突然分厚い手紙が届いた。

 日野DS70エンジンを積んだ機関車を利根川の河川敷で見つけたというのだ。DSエンジンというのは第二次世界大戦が終って5年後の1950年、日野が戦後初めて新規開発したエンジンである。
 この機関車とそのエンジンを見ようと話をしているうちに、機関車メーカーが加藤製作所であることがわかり、それではそこも訪問しようということになtった。
(中略)

■日野DSエンジン
 戦争に負け、軍用特殊車輌専門の軍需工場であった日野重工(日野自動車の前身)は解散を余儀なくされ全員を解雇した。工場設備は戦時賠償の指定を受け閉鎖されてしまった。しかし、平和産業として再出発すべく指定解除の陳情を続けた結果、設備は中国にもっていかれずに済み、40歳以下の従業員を再雇用、日野産業として再出発したのである。GHQが生活必需品の製造なら軍需工場であっても工場再開も可としたからである。

 製品としたのは在庫として残っていたハーフトラックの装甲兵員輸送車を、クローラを普通の駆動軸に改良するなどして新開発したトレーラトラックであった。続いてバスも作った。それには同じ統制型の水冷DA54を搭載、1947年に完成した。それから5年後の1950年、利便性に優る単車TH型トラックとBH型バスを開発、その搭載エンジンがDSであった。
 それはDS10から始まりDS90まで発展、さらに高速バス専用の水平対向12シリンダのDS120さらにDS140まで発展した。 
(中略)

■利根川の河川敷に春夏秋冬の旬中にいた
 くだんの機関車は、1949年に建設省関東地方建設局が購入したものである。戦後のごたごたはなお片づかず、物資もまだまだ不足しており、田舎への買い出し列車が法の目をくぐり走っていた頃である。
 その「PD型7トン」と呼ばれる機関車を見よう。エンジンはDS70が搭載されているが、機関車ができた当初はまだDSエンジンは開発されておらず、統制型の発展型であるDA55エンジンであろうということがわかった。

 機関車のボンネットを開けてエンジンを見よう。日野70、70馬力/1500rpmである。DA57では噴射ポンプのガバナは機関車用の特性ガバナが付いていたが、このエンジンでは一般汎用エンジン向けのRSVと呼ばれるものが付いている。

 図にその断面図を示す。シリンダの右肩部に、哺乳瓶の乳首状の空間が予燃焼室である。(中略)

 ガソリンエンジンに比し、各段の燃費ならびに耐久性の格差は十二分に市場性があり、広く使われた。


『古今東西エンジン図鑑』1 :P38搭載のエンジン
『古今東西エンジン図鑑』2 :戦車のエンジン
『古今東西エンジン図鑑』3 :H-2ロケット
『古今東西エンジン図鑑』4 :T34戦車の開発エピソード


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