しろこ

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第16回 ストックポートに到着



ロンドンとマンチェスターは電車で3時間ぐらいかかる。「そういえば、乗るとき改札ってあったけ?」改札を通った記憶がない。「まあいいこっちは英国鉄道30日間フリーパスを持っているんだから怖いものはない。カッカッカッ」と余裕をぶちかましていた。

すると車掌がやってきた。「Ticket please」これぐらいなら俺でもわかる。「チケットでしょ、はいはい。」とフリーパスを見せた。車掌の顔が困惑する。こっちも急にドキドキしてきた。「ちょっと待って」と言ってどっかに行った。「なになに?俺何か悪いことでもしたか?」しばくして、車掌が帰ってきた。「しょうがねーなー」みたいな顔でスタンプを押してくれた。結局、何が問題だったのかわからずに、また来るんじゃないかと不安になりながら乗り続けた。その時ふと思った。「イギリス人ってあんまり愛想が良くないな。まあ、こっちは英語もわからない日本人だからしょうがないか」と割り切った。

あれこれ考えているうちに電車はストックポートへ到着。駅の印象は思ったより小さいということだった。ここでホストファミリーと待ち合わせ。到着したら電話をすることになっている。

公衆電話が2つあった。ガイドブックにはイギリスの公衆電話は5台に1台は故障していると書いてあった。私はこういうことをあまり気にしない。2台のうち左側の電話を選んだ。しばらく説明書を読んだが良くわからないので、お金を入れてみた。何の反応もない。「使い方を間違っているかもしれない。」隣の若い男の人に身振り手振りで説明。すると「これは壊れているから右側を使いなさい。使い方は先にダイヤルしてその後お金を入れるとつながるよ。」と言われた。よく見るとみんな右側の電話を使っている。

「20%の確率でハズレ電話に当たるなんて」と少し凹んだが、「とにかく電話しなければ」「プープップー」と聞いたこともない変な呼び出し音の後、若い女性が出た"Hello"「ハロー私はしろこです。」女性「あーしろこさん、話は母から聞いているわ」私(考え中)「迎えに来て何て言うんだろう。」そして、私の口から出た言葉は"He, He, Help me!"(誰かに追われてんのかい)女性は笑いをこらえながら言った。「わかった。今から駅に迎えに行くね。」そう言って、私のイギリス初の電話は終了した。

しかし、今考えると「ヘルプミーはねーだろー」と思うが、そのときは頭の中が真っ白でそれしか思いつかなかった。「さあどんな人が迎えに来るのかな」楽しみ楽しみ。


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