しろこ

しろこ

第20回 イギリス生活始まる



下の2人の子供達が寝た後、ジムが言った「あの2人は本当の子供ではないんだ。本当の娘は一番上のケイティだけ。私はあの2人の里親なんだよ。あの2人も両親は別々だ。でも、もちろん気持ちは自分の子供だよ。」なるほど、ジムの普段の接し方は本当の子供に接するようにやさしく、時には厳しかった。確かに顔は似てないよな。子供達ももちろんそのことを知っている。私が滞在していた時は2人が家に来て8年目のときだったようだ。

下の2人の子供は本当によく私にかまってくれた(時には憎たらしい時もあったが)。彼らの英語に手加減ない。その意味を一つ一つ彼らにたずね、使えそうなものだけ記憶していった。ただ彼らのアクセント(マンキュニアンアクセントというらしい)はなかなか真似できなかった。

実はこの辺の日常的なことは細かいところまであまり覚えていない。ただただ英語がうまくなりたくて、必死だったということだけは覚えている。とにかく、早くある程度の日常会話(実はこれが最も難しいのだが)をマスターしかった。イギリスに来て2週間ぐらいたって、相手の言うことが少しずつ分かるようになってきた。そのときに一つ分かったことがある。それは「聞き取りが出来なければ話せない」ということだった。

その時以来、私はとりあえず、しゃべりを置いて、聞き取りに専念することにした。特にみんながよく使う表現(行った国や場所で違う)を色々とメモした。最初に耳についたのは"right"だったと思う。とにかくここの人達はみんな"right"をよく使う。詳しく観察してみると「あいづち」、「確認」、「返事」のときに使われているようだ。これは便利な表現だ早速使ってみよう。「しろこ買い物に行くぞ」"right" 「ちょっとネイティブっぽいな」と思いながら私は次の便利な表現を探していた。


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