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■小説「どん底塾の3人」027:店には色がある 大河内雄太は、居酒屋チェーンの責任者と話をしている。「従業員は、みんな忙しいんだ。一輪挿しなんぞに、花を生ける余裕はないよ。だめだね、こんなものは」 その後大河内は、レストランでも同じ理由で断わられた。大河内は、自らのターゲティングの間違いを悟る。忙しい客商売先は、花を生ける余裕すらないのだ。大河内は、方針の変更を余儀なくされる。 午後2時に、彼は遅い昼食をとる。1000個のはしおきは、まだ1つも売れていない。入ったファミリー・レストランは、黄色で統一されていた。その色を見ながら、大河内は閃いた。 はしおきには、4つの色がある。一輪挿しを前面に出すのではなく、色を強調すればよい。食事を終えた大河内は、自らの閃きを店長にぶつけてみることにした。「この店にふさわしい色の、はしおきを販売しています。これなんですが、いかがでしょうか」「これはなんですか?」 一輪挿し部分が、気になったらしい。「お店に余裕があるときには、季節の花を生けられます」「ユニークなはしおきですね。でも、わたしの一存ではきめられませんので、本部と交渉してください」 大河内は、教えられた本部へ向かった。はしおきの特徴でもある一輪挿し部分が、逆にマイナスに働いている。大河内は、そこをプラスにすることを考え続けた。レストランのテーブル上にあるものを、彼は思い浮かべてみる。そして、ある話法を発見した。「つまようじ立てつきのはしおきです。余裕があるときは、一輪挿しにもなります。お子さんや女性には、季節の花を添えることも可能なわけです」 大河内の話法は、本部の担当者の気持ちをとらえた。黄色のはしおき500個の注文を受けた。納入価は45円に値切られたが、彼には満足だった。大河内はとりあえず250個をその場で納品し、残りは明日届けることを約束する。 その後大河内は、店の色に着目しての営業を続けた。店には色がある。大河内にとって、大きな発見だった。大河内は亀さんノートに、次のように記録した。――RPDCサイクルの「R:調査」の威力を実感した。新しい何かを発見すること。おれにはその基本がなかった。新しい発見がないから、1日を思い描くこともできないのだ。※ダントツ営業の知恵 感性を研ぎ澄ますこと。すると新たな発見ができるようになる。
2016年01月27日
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■小説「どん底塾の3人」026:はしおきが引き立て役 加納の携帯が、盛んに鳴っている。母親やその友人たちからの報告である。「4個買ってもらったのだけど、まとめ買いなのだから安くしてくれって執拗なの。1個60円を、4個なら単価50円にしちやった。このあとも、この方法でいいかしら?」 1個あたりの単価を高く設定しておき、まとまったら値引きをする。この方法なら、一気に売れるかもしれない。「1個70円とし、まとまったら60円に値下げしてもいいよ」 加納は4人に指令を流す。1個あたりの売値を、さらに引き上げる作戦に出たのである。 価格を引き上げたとたんに、売れなくなった。「はしおきなんか、100円ショップへ行けば、100円で5個も買えるのよ。一輪挿しつきはかわいいけど、高すぎるわ」「1個70円を、4個なら60円というやり方が気に入らない。バッタ屋みたいな商売は、信用していないの」 加納は自分の安易な方法が、お客さんに受け入れられていないことを実感した。お客さんは1個あたりの価値を、単価と見比べて評価するのだ。お客さんは、2重価格に欺瞞を感じるようだ。 加納は再度、価格を60円に限定する。午後3時、母親たちから報告が入る。3人とも、完売の見通しがついたらしい。加納は、まだ半数以上が在庫のままだった。彼は母親に質問してみる。「どうして、そんなに簡単に売れるの?」「あなたはどこで売っているの?」 逆に質問を返される。加納は、訪問効率のよい団地をターゲットとしていた。最上階から1軒ずつに、営業をかけていた。「だめよ、そんな方法じゃ。花のある家をねらうのよ。マンションでも、ベランダに植木鉢のあるところだけに集中するわけ。花が好きな人なら、一輪挿しつきはしおきにも興味があるわ。博子さんから電話があって、家具屋チェーンで300個の受注だって。だから、あなたの分を回してあげてほしいの」 どうなっているのだ、と加納は思う。家具屋をねらった、博子の真意がわからない。母親の親友である博子が待ち構えている家具屋へ向かいながら、加納は単なる偶然だったのだろうと思った。品物を届け終わった加納は、そのことを博子に質問する。「どうして、家具屋をねらったのですか?」「店内には、たくさんのダイニング・テーブルが並んでいるでしょう。そこに季節の花を生けた、はしおきがある図を想像してご覧なさい。お客さんは、一輪挿しに目を奪われるでしょう。はしおきがテーブルを引き立てる役目をするの」 電話が鳴った。母からだった。完売したとのこと。※ダントツ営業の知恵 固定観念はいけない。売れるためのあらゆる可能性を考えてみることだ。
2016年01月26日
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鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。(「BOOK」データベースより)+α:ドストエフスキー『罪と罰』(上下巻、新潮文庫、工藤精一郎訳)◎追い詰められた状況下で保坂和志は、著書『小説の自由』(中公文庫)なかで、『罪と罰』はドストエフスキーが新聞で見つけた小さな殺人事件の記事から生まれたと書いています。その小さな記事に、神や魂や信仰や救済という衣をつけて、つくりあげた作品だとつづけています。ドストエフスキーが『罪と罰』を書いたころは、精神的に極端に追い詰められた状態でした。そのあたりについて、書かれている文章を紹介させていただきます。――ドストエフスキーの三大小説の一つである『罪と罰』は、1864年の妻と兄の死、雑誌経営の失敗などで、以後数年、莫大な借金を背負い、海外逃避と波乱の生活が続き、精神的にも経済的にも困難な状況で書き上げられた、窮迫のなかで生まれた傑作である。(三浦朱門・編『読んでおきたい世界の名著』PHP文庫)ドストエフスキーは、以降『悪霊』(1871年)、『カラマーゾフの兄弟』(1880年)へと書きつなぎます。作品を包みこむ衣に変化はありませんが、作風は次第に明るさを増してゆきます。私は『カラマーゾフの兄弟』(全5巻、光文社古典新訳文庫、亀山郁夫訳、「山本藤光の文庫で読む500+α」推薦作)から入って、最後に『罪と罰』にたどりつきました。結果的にこの順序は正解だったようです。いきなり『罪と罰』を読んでいたら、ドストエフスキーの他の作品には手出ししなかったかもしれません。それほど『罪と罰』は重苦しい作品で、さわやかな読後感とは無縁の作品でした。奥泉光(推薦作『シューマンの指』講談社文庫)は『私が選んだベスト3』(ハヤカワ文庫、丸谷才一・編)のなかで、ドストエフスキーの3作品をとりあげています。浪人時代の暗澹たる状況下にふさわしい作品であった、と書いているのもうなづけます。◎ナビゲーターはこう読んでいるストーリーの紹介は、前掲の「BOOKデータベース」に譲ります。そのかわり何人かの『罪と罰』に寄せる言葉を紹介させていただきます。――私たちはこの小説を読みながら、その青年(引用者注:残虐な殺人鬼・ラスコーリニコフ)を憎み嫌悪する気持ちにはなれない。むしろ彼が司直の手に追いつめられてゆくのを、ハラハラしながら見守るのである。当時のロシアの読者のほとんどがそうだったのではないか。(五木寛之『世界文学のすすめ』岩波文庫別冊、大岡信ら編)――この小説の中心になるのは、一つの犯行の場面です。ばあさんを殺す場面。それからソーニャに告白する場面。もう一つ、実は、ボルフィーリィっていう予審判事とラスコーリニコフが丁々発止の対話をやる。刑事コロンボと犯人との対話みたいな。ああいうところは実にうまい。(加賀乙彦『小説家が読むドストエフスキー』集英社新書)――ドストエフスキーは偉大な作家ではなくてむしろ凡庸な作家であり、時たま絶妙なユーモアの閃きはあるとしても、悲しいかな、閃き以外の場所は大部分が文学的決り文句の荒野である。『罪と罰』のラスコーリニコフは何らかの理由から質屋の老婆とその妹を殺す。情け容赦のない警察官という姿を借りて、正義は彼を徐々に追いつめ、追いつめられたラスコーリニコフは、結局、公衆の面前で罪を自白し、気高い娼婦の愛によって精神的再生へと至る。(ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフのロシア文学講義・上巻』河出文庫)――『罪と罰』の娼婦ソーニャは、自分の親しい友だちリザヴェータを殺したのがラスコーリニコフであることを知ったとき、すぐに、「リザヴェータは赦してくれるわ、赦してくれますとも。わたしにはわかるわ」と言います。自分の親友を殺された怒りも殺人者にたいする償いの要求もないのです。(中村健之介『ドストエフスキーのおもしろさ』岩波ジュニア新書)――ラスコーリニコフが「復活」したかどうかの客観的な証はまったくないにもかかわらず、それについての「暗示」は小説に提示されている。(亀山郁夫『ドストエフスキー・謎とちから』文春新書)『罪と罰』を読み終えてから、数10冊もの関連本を読みました。最後に、江川卓『謎とき罪と罰』(新潮選書)が永年の疑問に解決をあたえてくれたことを付記しておきます。本書のタイトルですが、本来なら罰は罪にたいして課せられるものですから、「罪にたいする罰」となるべきだと思います。なぜ罪と罰が対等の関係、「と」で結ばれているのでしょうか。江川卓『謎とき罪と罰』は、「甘いなそんな読み方では」と多くのことを教えてくれました。「山本藤光の文庫で読む500+α」は1作家1作品の紹介を原則としています。しかし『罪と罰』は絶対にはずせないので、「+α」としてリストに加えさせてもらいました。(山本藤光:2014.08.09初稿、2016.01.24改稿)
2016年01月25日
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■知だらけの学習塾・銀塾020:1日のPDCAと私(その2)「朝書き日報」の発明は、私の営業活動で特筆できるほど威力のあるものでした。朝に日報を書き(Plan)、夜に評価・反省(Check)をします。その過程で○も×もつけられない、△の活動が多かったことに気付きました。いわゆる「顔つなぎ」「定期訪問」などの類の活動です。成果を思い描くを単に売り上げだけではなく、「何かをゲットする」ことにきめました。成果の定義をこのように修正してから、私の営業活動は飛躍的に向上しました。ゲットするとは、医師から処方をゲットするだけではないのです。新たな情報をゲットする。次回の訪問日をゲットする。医局説明会をゲットする。とにかく何かを得ることのすべてを「成果」としました。これにより「朝書き日報」の評価に○がつくケースが増えました。するとめらめらと明日への意欲がわいてくるのです。私の「毎日のP」は、こうして進化をとげました。札幌支店でビリだった私の業績は、少しずつ上がっていきました。(明日につづく)山本藤光『仕事と日常を磨く人間力マネジメント』 (医薬経済社)をぜひ読んでください。表記は「RPDC」と昔のままですが、ていねいに説明させていただいています。
2016年01月12日
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■知だらけの学習塾・銀塾019:1日のPDCAと私(その1)ずっとRPDCと書いてきましたが、新生株式会社コラボプラン(私が顧問を務める会社)の用語統一で「PDCA」と表記を改めることにしました。私が「1日のPDCAサイクル」をはじめたのは、30年以上も前のことです。33歳で念願のMR(製薬会社営業マン)になりましたが、まったく売れない毎日でした。製品知識もなく経験も乏しい私は、悩んだすえに「朝書き日報」を書こうと決意しました。日報を出かける前に書いてしまうのです。訪問先を思い浮かべ、成果を思い描いて書いてしまう。単なる1日の訪問予定メモに、命を与えた瞬間でした。PDCAサイクルは月間とか年間のサイクルで回すもの、という固定概念を払拭してから、私の営業成績は見違えるほど高くなりました。何度も書いていますが、私は営業職を希望して日本ロシュという外資系製薬会社に入社しました。しかし配属されたのは総務部購買課でした。毎年の自己申告のたびに、営業への配置転換を求めました。それが実現したのは、なんと入社10年目だったのです。総務部購買課課長の職を投げ捨て、私は1営業マンになりました。ところがまったく売れませんでした。そんなどん底のなかで、ひねりだしたのが「1日のPDCAサイクル」だったのです。「P」(Plan)を「1日の成果を思い描く」に改め、考え出したのが「朝書き日報」でした。もちろん思い描いたとおりの成果は、簡単には上がりませんでした。ところが毎日それを継続しているうちに、「P」だけの限界に気がつきました。「D」「C」「A」と連動させなければ、成果が上がらないことを発見したのです。毎朝営業活動を始める前に、「P」だけではなく、「D」「C」「A」も書いてしまう。私は「朝書き日報」を「PDCAノート」に改善しました。大学ノート1ページを十の字で4分割するだけのものですが、これがすさまじい威力を発揮してくれました。つづきは明朝。
2016年01月11日
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■小説「どん底塾の3人」025:原価意識を身につけさせる 加納百合子は母親とその友人3人に、販売を委託するつもりだった。自分を含めると5人が販売にあたるので、1人200個のノルマとなる。そのくらいなら、何とかなるだろうと思う。 販売価格は、1個50円とする。アルバイト代金は、完売を条件に4000円と考えていた。これなら12000円の利益は出る。 はしおきの販売の話を聞いた瞬間、加納はそう考えた。ところがその目論見は、諦めざるを得なかった。 加納は家に戻ると、母親にはしおきを見せて話をした。「本当は手伝ってもらおうと思ったんだけど、アルバイト代を払うとぜんぜん利益が出ないんだ」「かわいらしい、はしおきじゃないの。ほかの人たちも、きっと気に入ると思う。お金はいらない。自分の気に入ったものを、売ってみたいだけ。手伝うわよ。夕食くらいご馳走してくれれば、それでいいわ」 母親は「はしおきが気に入った」といった。だから、報償は期待していない。好きなものを、売ってみたいといっているのだ。加納は営業の原点に、触れたような気がした。 加納は、売値を60円とすることにした。10円の引き上げで、母親たちの食事代は捻出できる。 大河内雄太は、居酒屋チェーンの責任者にアポイントメントを入れようと考えた。できればそこで、まとめ買いをしてもらいたい。彼は自分のアイデアに満足していた。1個50円で卸せば、利益は1箇所で28000円となる。 海老原浩二は、小さなビニール袋を250枚用意しようと考えた。四色のはしおきを1袋にまとめて、セットで販売する計画である。これなら250セットの販売ですむ。価格は200円にしようときめた。 1000個という数を前に途方にくれていたが、これで気持ちは楽になった。当日はマンションを中心に、ローラー作戦を展開するつもりだ。海老原の利益予想は、28000円となる。 亀さんは3人に、原価意識を身につけさせたかった。さっき示した人件費は1日換算としたが、時間あたりでは3000円ほどになる。通常企業の営業マンなら、時間1万円を超える勘定となる。1日かけて1000個売るのと、半日でそれを達成するのとでは効率が違う。効率の違いが、営業マン格差となって現れる。 優秀な営業マンは、喫茶店などに入らない。昼飯だって、立ち食いそばやハンバーガーですませる。時間が惜しいからだ。※ダントツ営業の知恵 販売する製品にほれ込み、お客さんの喜ぶ顔をイメージする。それが営業の出発点だ。
2016年01月10日
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■知だらけの学習塾・銀塾018:おとがめの場 暮れに箱買いしたみかんの底に、腐ったものが見つかりました。すぐに取り出し、庭の枯れ木に刺しておきました。小鳥がおいしそうについばんでくれました。みかんの場合はこんな処置でいいのですが、チーム内にこれが存在していたらやっかいです。大切にしている成果の公式があります。成果=意欲×(知識+智恵)たとえ「知識」や「智恵」があっても、「意欲」がなければ「成果」は望めないという公式です。私はこれを営業リーダー研修で、必ず紹介しています。我ながら納得の公式だと自負しています。意欲があって知識に乏しい部下には、ロールプレイを徹底します。意欲があって智恵の応用ができない部下には、優先してOJTを施します。意欲のない部下には、チームの勢いに影響しない言動を求めます。つまり意欲の乏しい部下には時間をかけないということです。昔こんなことを書いていました。(引用はじめ「藤光日誌」 2007.05.14)怠け者の営業担当者は、次のことを知っています。1年間が終われば、年度目標はリセットされてゼロになる。年度目標を達成した人と未達成だった人の昇給率は、あまり大きくは開かない。ボーナスだって、極端な格差は生まれない。アクセクすることは、ないじゃないか。言葉にこそ出さないけれそも、営業担当者の仕事ぶりを見ると、そんな人は確かに存在しています。辞めさせることはできませんし、できるだけリスクの少ないところを担当させます。あるいは、内勤に配置転換をします。企業ができることは、それくらいしかありません。困ったものです。企業の営業リーダー研修をしていると、ときどき「意欲のない部下をどう扱ったらよいのか」との質問を受けます。答えはひとつ。その部下にはできるだけ、時間を費やさないこと。優秀営業担当者の表彰式を、実施している会社はたくさんあります。ところが、おとがめの場を持っている会社はありません。おとがめの場とは、年度目標未達成者との面談場のことです。2度までは直属の上司に委ねますが、3度目には本社に呼びます。「きみたちは販売目標を3度も未達成に終わった仲間です。傷のなめあいも結構。しかしこの場には金輪際呼ばれるものか、といった闘志を獲得してもらいたいと思います。本日は長い一日になりますが、私が発する罵声を復讐心に転換してもらいたいと思います」(引用おわり)。昨日のブログ「SSTアカデミー」は、おとがめの場を苛酷な現場に変えたプロジェクトでした。
2016年01月09日
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■小説「どん底塾の3人」024:目標は一人千個 大河内雄太に、3人目のこどもが誕生した。男の子だった。予定通りに、彼は「未来」と命名した。5月最初の「どん底塾」で、その報告がなされた。本業の方は相変わらず低調のままだったが、大河内は変わりつつある自分を感じていた。 加納百合子は正式に会社を辞めて、ハローワークに通いはじめた。ハローワークは、加納にとって屈辱的な場所だった。働く意欲のない若者が目立った。形だけを整え、失業手当をむしり取る。そんな匂いのする場所だった。 海老原浩二は所長から、「ビリー」と呼ばれ続けていた。亀さんを信じて、「どん底塾」に通うのだけが楽しみだった。 定食屋どん底の朝定食は、平均して50食前後が出るようになっていた。特製ラーメンは、100食を超える日もあるほどになっていた。そして定食弁当も、30食と安定してきていた。「2回目の実践研修の課題を与える。これを売ってもらいたい」 亀さんが配ったのは、小指ほどの大きさの「はしおき」だった。はしおきはL字型をしており、垂直部分が円筒形になっている。一輪挿しだという。季節の草花をそこに生けて、目を楽しませる工夫だ。色は四色あった。「目標は、1人1000個。それを1日で、売りさばいてもらう。はしおきの原価は、22円だ。販売価格は、おまえたちに任せる。できるだけ多くの、利益を上げてもらいたい」 亀さんは、価格を自由につけてよいといっている。加納百合子は、50円くらいが妥当だろうと思う。問題は1000もの数を、どうさばくかだった。加納の頭に、「助っ人」という言葉が浮かんだ。亀さんに尋ねてみることにする。「はしおきの販売について、質問があります。だれかに委託して、販売しても構いませんか?」「いい質問だな。目標はできるだけ利益を上げて、すべてを売りさばくことにある。どんな方法で売っても、それはおまえたちの自由だ」「アルバイトを雇えば、その謝礼を支払わなければなりません。できるだけ利益を上げるといっても、目安くらいはいただきたいのですが……」 加納が食い下がっている。加納には、できるだけ利益を上げるという意味が理解できなかった。「加納の年収は、700万円くらいだろうが。1か月の実働時間を23日として、1年間で276日となる。700万円をそれで、割ってみる。すると1日のおまえの人件費が出る。もちろん、経費などを度外視しているから、実質はもっと高くなるけどな」 亀さんは、ホワイトボードに計算式を記入しながら続ける。「まあ、単純に考えても、25000円程度となる。つまりだ、おまえたちの人件費を考慮すると、25000円の利益が出てもチャラということだ」 加納は、亀さんノートで計算してみる。1個50円で販売したとして、利益は28円。それが1000個だから、総利益は28000円となる。そこから人件費を差し引くと、純益は3000円。これでは商売といえない。 ※ダントツ営業の知恵 自分自身の1時間あたりのコストはいくらなのか。それを知っておくと、営業効率の大切さが身につく。
2016年01月08日
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■知だらけの学習塾・銀塾017:営業リーダー残酷プロジェクト「SSTプロジェクト」は、名人芸移植の伝説的な同行指導です。私がその後に行った「SSTアカデミー」は2度実施しただけで、会社の合併のために頓挫してしまいました。ちょっとだけ、紹介させていただきます。あなたの会社は、こんな苛酷なプロジェクトを立ち上げられますか?当時の日本ロシュには、70人ほどの営業リーダーがいました。彼らの一部は、雑用で忙しくて満足な部下同行をしていません。たまに同行しても、部下のモチベーションを上げるどころか、かえって下げてしまう劣悪なものでした。そんな営業リーダーを、私が事務局長をした「SSTアカデミー」に2か月半出向させました。2週間、「人間力」磨きと「話法」磨きの研修をしました。それからの2カ月は、見知らぬ営業所に派遣し、2人のMR(営業マン)と終日同行の毎日です。彼らには一切の雑用はありません。2か月間の目標は、MRの育成だけです。これで成果が上げられなかった営業リーダーは、専任MRへの転属の道が待っています。営業リーダーを鍛えるには、これしか方法はないと、今でも自信をもって推奨できるプロジェクトです。私はSSTアカデミー参加者の耳元でよく、こんなことをささやいたものです。――きみが不在でも、チームの業績は落ちていないぞ。リーダー代行をしているAくんも見事にやってくれている。つまり参加者は自らの成長がなければ、戻る価値がないわけです。
2016年01月07日
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■小説「どん底塾の3人」023:夢と希望 亀さんを送り届けてから、3人は2次会へと繰り出した。スナックへは、海老原浩二が案内した。前から一度入ってみたかったところだ。テーブル席が空いていた。テーブルに黄色い棒を置いて、加納が大きな伸びをした。「楽しかったわ。何だか、今日で吹っ切れたみたい」「黄色い棒か、笑わせてくれるよ。ところで、希望と夢の違いがわかるか?」 大河内が2人に問いかける。海老原が反応する。「亀さんみたいな、口の利き方ですね。夢も希望もない、という言葉があるくらいだから、2つは別ものなのでしょうね」「夢はね、将来実現したい願いなの。だから、はるか遠くにあるの。希望の方はね、あることを成就させたいとの願い。夢よりも近いところにあるってわけ。 どん底塾の最初の日、ほら自己紹介したときだけど、亀さんが質問したじゃない。おまえの夢は何だって。海老原くんは、ベッドを買うことと答えた。夢って努力しなければ手に入らないもの。これが亀さんの答えだった。 それで調べてみたの。たとえば綾乃のために、新しいお父さんを迎えたいという願い。これがわたしの夢だとする。その夢を成就するための具体的な願いや望みが、この黄色い棒ってわけよ」」 加納は黄色い棒を振りながら、遠くを見る目でいった。「なんだかよくわからないや。加納さんは綾乃ちゃんのために、新しいお父さんを迎える夢を、いつまでも忘れない。ポジティブに考え、希望を捨てない。希望って、夢を実現するための活力みたいなものなんだ」「おまえは成長したな」 大河内は亀さんの声色を真似て、海老原にいった。続いて、加納に言葉をかける。「再婚相手を探しているんだ」「たとえ話よ。すぐに真に受けるんだから」「一流の営業マンになる。これがおれの夢。そのために、希望を捨てないで、コツコツとあらゆる努力を重ねる。すると、希望が一歩夢に近づく。こんな図式になるのかな」 黄色い棒を拾い上げ、大河内は加納の顔を覗き込む。加納はちょっと照れながら、ほほえんだ。※加納百合子の日記 どん底塾の塾長・亀さんが、素敵なすし屋に連れて行ってくれた。今日のお仕事のご褒美だった。よい仕事をしたら、自分自身にご褒美をあげる。そしてよい仕事を与えてくれた人に感謝を捧げる。亀さんから教わったことだ。 いま目の前に「祝2〇××年4月28日」と刻印された黄色い棒がある。希望という意味のダジャレなんだけど、お店の人もお客さんも一体になって、わたしたちの今日を祝福してくれた。 自分へのご褒美が10回になると、自然に夢が現実になる。なんだか、勇気をもらったみたい。 ※ダントツ営業の知恵 努力を継続すること。夢を実現させるには、それしか方法がない。
2016年01月06日
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■知だらけの学習塾・銀塾016:知・教養・古典の100冊【知・教養・古典100+α・標茶六三の文庫で読む】 (著者名の頭の数字は発信年月日) ……01~10…………141112野中郁次郎・紺野登:知識経営のすすめ(ちくま新書) 150914花村太郎:知的トレーニングの技術(ちくま学芸文庫141125西堀栄三郎:石橋を叩けば渡れない(生産性出版) 141129モーム:世界文学読書案内(岩波文庫)141203丸谷才一:思考のレッスン(文春文庫) 141207宮本常一:忘れられた日本人(岩波文庫) 141211神坂次郎:縛られた巨人・南方熊楠の生涯(新潮文庫)141215ジャック・ウェルチ:わが経営(上下巻、日経ビジネス人文庫)141219イザベラ・バード:日本奥地紀行(平凡社ライブラリー)141223与謝野晶子:全訳・源氏物語(全5巻、角川文庫) ……11~20…………141227梅棹忠夫:知的生産性の技術(岩波新書)141231渋沢栄一:論語と算盤(角川ソフィア文庫)141105瀬戸内寂聴:奇縁まんだら(日経文芸文庫)150104ドナルド・キーン:ドナルド・キーン自伝(中公文庫)150112黒岩比佐子:音のない記憶(角川ソフィア文庫)150108中西進:日本人の忘れもの(全3巻、ウェッジ文庫)150116宇野千代:私の文学的回想記(中公文庫) 151216洪自誠:菜根譚(岩波文庫)150121山崎光夫:ドンネルといわれた男・北里柴三郎(上下巻、中公文庫)150124橋本治:これで古典がよくわかる(ちくま文庫) ……21~30…………150128正岡子規:笑う子規(ちくま文庫)150202須賀敦子:ヴェネツィアの宿(文春文庫)150205川喜田二郎:発想法・創造性開発のために(中公新書 150209早川良一郎:散歩が仕事(文春文庫) 150213阿刀田高:楽しい古事記(角川文庫) 150217松下竜一:豆腐屋の四季(講談社文芸文庫) 141102赤瀬川原平:新解さんの謎(文春文庫)150221小林秀雄・岡潔:人間の建設(新潮文庫)150225菅野昭正:書物の達人・丸谷才一(集英社新書)150301福沢諭吉:学問のすすめ(角川ソフィア文庫)……31~40…………150309九鬼周造:いきの構造(岩波文庫)150313岡潔:春宵十話(光文社文庫)150317養老孟司:バカの壁(新潮新書)150321斎藤孝:読書力(岩波新書)150325柳田国男:遠野物語(河出文庫。佐藤誠輔・口語訳)150329山村修:遅読のすすめ(ちくま文庫)150420江藤淳:成熟と喪失・〈母〉の崩壊(講談社文芸文庫)150424新渡戸稲造:武士道(PHP文庫)150428河合隼雄:こころの処方箋(新潮文庫)150502松尾芭蕉:おくのほそ道(角川ソフィア文庫)……41~50…………150506花田清輝:復興期の精神(講談社文芸文庫)150510串田孫一:ギリシア神話(ちくま文庫)151116丸山真男:日本の思想(岩波新書)151104S・R・コヴィー:七つの習慣(キングベアー出版)151124石川啄木:一握の砂(新潮文庫)150514秋山利輝:丁稚のすすめ(幻冬舎)150518佐野眞一:宮本常一が見た日本(ちくま文庫) 150522谷崎潤一郎:陰翳礼讃 (中公文庫)150526外山滋比古:思考の整理学(ちくま文庫)150530稲田浩二・稲田和子:日本昔話100選(講談社+α文庫)……51~60…………150825高野登:サービスを超える瞬間(かんき出版)150603荻野文子:ヘタな人生論より徒然草(河出文庫) 150611佐木隆三:復讐するは我にあり(文春文庫)150305五木寛之:私訳・歎異抄(PHP文庫)151011エリヤフ・ゴールドラット:ザ・ゴール(ダイヤモンド社)151108D.カーネギー:道は開ける(角川文庫)150607木村秋則:リンゴが教えてくれたこと(日経ビジネス人文庫)150614出久根達郎:作家の値段(講談社文庫)141116斉須政雄:調理場という戦場(幻冬舎文庫)150618谷沢永一:紙つぶて・全(文春文庫)……61~70…………150622坪内祐三:一九七二(文春文庫)150630三木卓:私の方丈記(河出書房新社)151031斎藤美奈子:文章読本さん江(ちくま文庫)151015大泉康雄:あさま山荘銃撃戦の深層(上下巻、講談社文庫)150704竹田恒泰:日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか(PHP新書)150708矢野健太郎:数学物語(角川ソフィア文庫) 150712W・A・オールコット:知的人生案内(知的生きかた文庫)150829松下幸之助:夢を育てる・私の履歴書(日経文芸文庫)151120大塚ひかり:竹取物語・ひかりナビで読む(文春文庫)150716立花隆:サル学の現在(上下巻、文春文庫)150720池田晶子:14歳からの哲学(トランスビュー)……71~80…………151226常盤文克:知と経営(日経ビジネス人文庫)150724内海隆一郎・谷口ジロ画:欅の木(小学館文庫)150725鶴見俊輔:思い出袋(岩波新書)151210田辺聖子:今昔まんだら(角川文庫)150729ボブ・シャーウィン:ICHIRO(朝日文庫)150802田坂広志:知性を磨く(光文社新書)150806俵万智:サラダ記念日(河出文庫)150810ダニエル・ゴールマン『EQ・こころの知能指数』(講談社α文庫)150813朝日新聞学芸部編:読みなおす一冊(朝日選書)150817本多秋五:物語戦後文学史(上中下巻、岩波現代文庫)……81~90…………151225桐光学園+ちくまプリマー新書編集部・編『何のために「学ぶ」のか・中学生からの大学講義1』(ちくまプリマー新書)151023ピート・デイヴィス:四千万人を殺した戦慄のインフルエンザの正体を追う(文春文庫)151213岩崎夏海:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(新潮文庫)150920今村聡・海堂尊:医療防衛(角川oneテーマ21新書)150928山岸淳子:ドラッカーとオーケストラ組織論(PHP新書)150924名指導で読む筑摩書房なつかしの高校国語(ちくま学芸文庫)151002小谷野敦:もてない男・恋愛論を超えて(ちくま新書)151006東海林さだお:ショージ君の青春記(文春文庫)151128松浦弥太郎:松浦弥太郎の仕事術(朝日文庫)151202川北義則:いまはダメでも、きっとうまくいく(PHP文庫)……91~100…………151217三角寛:山窩奇談(河出文庫)151230三田誠広:書く前に読もう超明解文学史(集英社文庫)151221藤井孝一:週末起業(ちくま新書)151019岩中祥史:札幌学(新潮文庫)151207小林信彦:現代〈死語〉ノート(岩波新書)150820阪本啓一:ゆるみ力(日経プレミアシリーズ新書)150905松山真之助:マインドマップ読書術(ダイヤモンド社)150902木村憲洋+川越満:イラスト図解・病院のしくみ(日本実業出版社)151027くらたまなぶ:リクルート「創刊男」の発想術(日経ビジネス人文庫)151224岸見一郎:アドラー心理学入門(ベスト新書)
2016年01月05日
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■知だらけの学習塾・銀塾015:海外文学の100冊【海外文学100+α・標茶六三の文庫で読む (著者名の頭の数字は発信年月日)……01~10…………141104ドストエフスキー:カラマーゾフの兄弟(全5巻、光文社古典新訳文庫)141108サマセット・モーム:月と六ペンス(光文社古典新訳文庫)141111E・ブロンテ:嵐が丘(新潮文庫) 141120スタンダール:赤と黒(上下巻、光文社古典新訳文庫) 141124カフカ:変身(新潮文庫)141128セルバンテス:ドン・キホーテ(全6巻、岩波文庫) 141202ヴェルヌ:十五少年漂流記(集英社文庫)141206バルザック:ゴリオ爺さん(新潮文庫)141210ヘミングウェイ:老人と海(新潮文庫)141214ヘルマン・ヘッセ:車輪の下で(光文社古典新訳文庫)……11~20…………150208デュマ:モンテ・クリスト伯(全7巻、岩波文庫)141226シェイクスピア:マクベス(新潮文庫)141222ジョージ・エリオット:サイラス・マーナー(岩波文庫)151228ジェームズ・ジョイス:ユリシーズ(全4巻、集英社文庫)141218ルイス・キャロル:不思議の国のアリス(新潮文庫)141230トルストイ:戦争と平和(新潮文庫)150115C・ブロンテ:ジェーンエア(上下巻、光文社古典新訳文庫) 150103カミュ:異邦人(新潮文庫)150111スウィフト:ガリヴァー旅行記(新潮文庫)150119カポーティ:遠い声遠い部屋(新潮文庫)……21~30…………150123デフォー:ロビンソン漂流記(新潮文庫)150127サリンジャー:ライ麦畑でつかまえて(白水Uブックス)150131ユゴー:レ・ミゼラブル(全5巻、新潮文庫)151119アンネ・フランク:アンネの日記(文春文庫)150204チェーホフ:桜の園(新潮文庫)150212ジェイン・オースティン:自負と偏見(新潮文庫)150216チャンドラー:ロング・グッドバイ(ハヤカワ文庫)150220メルヴィル:白鯨(上下巻、新潮文庫)141115コナン・ドイル:シャーロック・ホームズの冒険(河出文庫)150224トーマス・マン:魔の山(上下巻、新潮文庫)……31~40…………150228ジッド:狭き門(新潮文庫)150304フローベール:ボヴァリー夫人(新潮文庫)150308ウィングフィールド:クリスマスのフロスト(創元推理文庫)150312シリトー:長距離ランナーの孤独(新潮文庫)150316サガン:悲しみよこんにちは(新潮文庫) 150320デュラス:愛人(河出文庫)151123マーガレット・ミッチェル:風と共に去りぬ(全5巻、新潮文庫)150324スティーヴンソン:ジーキル博士とハイド氏(角川文庫)150328アーサー・ミラー:セールスマンの死(ハヤカワ演劇文庫)150419D・H・ローレンス:チャタレイ夫人の恋人(新潮文庫)……41~50………… 150423モーパッサン:女の一生(新潮文庫)150427アガサ・クリスティ:ABC殺人事件(創元推理文庫)150501アイリッシュ:幻の女(ハヤカワ文庫)150822アベ・プレヴォー:マノン・レスコー(岩波文庫)150505ポー:モルグ街の殺人(新潮文庫) 150509H.F.セイント:透明人間の告白(上下巻、新潮文庫) 150513ロマン・ロラン:ジャンクリストフ(全4巻、岩波文庫) 150517D.ブラウン:天使と悪魔(全3巻、角川文庫)150521フィッツジェラルド:グレート・ギャツビー(新潮文庫)150526トマス・ピンチョン:スロー・ラーナー(ちくま文庫)……51~60…………150529イプセン:人形の家(新潮文庫)150107ピエール・ルメートル:その女アレックス(文春文庫)150809マーク・トゥエイン:トムソーヤの冒険(光文社古典新訳文庫)150602モリエール:人間ぎらい(新潮文庫)150606エミール・ゾラ:居酒屋(新潮文庫)150610ケイン:郵便配達は二度ベルを鳴らす(光文社古典新訳文庫150613カトリーヌ・アルレー:わらの女(創元推理文庫)150617アンデルセン:マッチ売りの少女(新潮文庫)150910ダンテ:神曲(全3巻、集英社文庫)151001スタインベック:怒りの葡萄(上下巻、ハヤカワepi文庫)……61~70…………151115ソポクレス:オイディプス王(岩波文庫)150919ノヴァーリス:青い花(岩波文庫)151014ストウ:アンクル・トムの小屋(河出文庫)151107ラディゲ:肉体の悪魔(光文社古典新訳文庫151208キイス:アルジャーノンに花束を(ハヤクワ文庫)150621ブラッドベリー:華氏451度(ハヤカワ文庫SF)150703ルイザ・メイ・オールコット:若草物語(新潮文庫)150625オーウエル:動物農場(ちくま文庫、開高健訳)150707エラリー・クイーン:Yの悲劇(創元推理文庫)150711ゴーゴリ―:鼻(岩波文庫)……71~80…………150723モンゴメリ:赤毛のアン(新潮文庫)150719D.ケネディ:仕事くれ(新潮文庫)150728バーネット:小公女(新潮文庫)151112O・ヘンリー:賢者の贈り物(光文社古典新訳文庫)150805ディケンズ:クルスマス・カロル(新潮文庫)150812サルトル:水いらず(新潮文庫)150816サン・テグジュペリ:星の王子さま(新潮文庫)151018スティーヴ・ハミルトン:解錠師(ハヤカワ文庫)151220コリン・デクスター:ウッドストック行最終バス(ハヤカワ文庫)151212エンデ:モモ(岩波少年文庫)……81~90…………150824シュリンク:朗読者(新潮文庫)160101カズオ・イシグロ:日の名残り(ハヤカワepi文庫)150715コクトー:恐るべき子供たち(岩波文庫)151103ジュネ:泥棒日記(新潮文庫、朝吹三吉訳)150828チャベック:ロボット(岩波文庫)150927魯迅:阿Q正伝(岩波文庫) 151127ボードレール:悪の華(集英社文庫)151201リルケ:マルテの手記(新潮文庫)150801ヴォネガット:タイタンの妖女(ハヤカワ文庫SF)150901H・G・ウェルズ:タイム・マシン(創元SF文庫……91~100…………150906トゥルゲーネフ:初恋(光文社古典新訳文庫)150913ゲーテ:若きウェルテルの悩み(新潮文庫)151026コエーリョ:アルケミスト(角川ソフィア文庫)150923アシモフ:ミクロの決死圏(ハヤカワ文庫SF)151206ウオラー:マディソン郡の橋(文春文庫)151005アミーチス:クオーレ(新潮文庫)151009O・S・カード:消えた少年たち(上下巻、ハヤカワ文庫SF)151022フイリップ・K・ディック:ユーピック(ハヤカワ文庫SF)151030ディヴィッド・トーマス:彼が彼女になったわけ(角川文庫)151223ジュディ・マーサー:喪失(講談社文庫)
2016年01月04日
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■知だらけの学習塾・銀塾014:日本近代文学の100冊★「標茶六三の文庫で読む400+α」の「近代日本文学作品100」が完結しました。150を目指して発信を継続いたします。とりあえず100冊をご紹介させていただきます。【日本近代文学100+α・標茶六三の文庫で読む(順不同。1945年以前生まれの作家.著者の頭にある数字は発信年月日)……01~10………… 141101安部公房:砂の女(新潮文庫)141110山本周五郎:青べか物語(新潮文庫)141107川端康成:雪国(新潮文庫)141118幸田露伴:五重塔(岩波文庫)141114夏目漱石:吾輩は猫である(新潮文庫)141123司馬遼太郎:坂の上の雲(全8巻、文春文庫)141127太宰治:斜陽(文春文庫)141209谷崎潤一郎:痴人の愛(新潮文庫)141213吉川英治:三国志(全10巻、新潮文庫) 141217半村良:晴れた空(上下巻、祥伝社文庫)……11~20…………141221井伏鱒二:山椒魚(新潮文庫) 141225梶井基次郎:檸檬(新潮文庫)141229三島由紀夫:潮騒(新潮文庫)150102井上ひさし:吉里吉里人(上中下巻、新潮文庫) 150106志賀直哉:暗夜行路(新潮文庫) 150110菊池寛:恩讐の彼方に(新潮文庫)150114森鴎外:舞姫(岩波文庫)150118芥川龍之介:羅生門(新潮文庫) 150122永井荷風:腕くらべ(岩波文庫)150126織田作之助:夫婦善哉(新潮文庫)……21~30…………150130島崎藤村:夜明け前(全4冊、新潮文庫)150207井上靖:天平の甍(新潮文庫)150211中勘助:銀の匙(角川文庫クラッシックス)150215黒井千次:時間 (講談社文芸文庫)150219石川淳:紫苑物語(講談社文芸文庫)150223倉田百三:出家とその弟子(新潮文庫)150227伊藤左千夫:野菊の墓(新潮文庫) 150904藤沢周平:蝉しぐれ(文春文庫)150303大江健三郎:万延元年のフットボール(講談社文芸文庫)150307有島武郎:生まれ出づる悩み(新潮文庫)……31~40…………150311林芙美子:放浪記(新潮文庫)150315中島敦:山月記(新潮文庫)150317長塚節:土(新潮文庫)150323堀辰雄:風たちぬ(新潮文庫)150327田山花袋:蒲団(新潮文庫)150331宮沢賢治:グスコーブドリの伝説(岩波文庫)150422遠藤周作:沈黙(新潮文庫)150426樋口一葉:たけくらべ(新潮文庫)150430深沢七郎:楢山節考(新潮文庫)150504尾崎紅葉:金色夜叉(新潮文庫)……41~50…………150508泉鏡花:高野聖(新潮文庫)150512福永武彦:草の花(新潮文庫)150516岡本かの子:老妓抄(新潮文庫)150520吉行淳之介:夕暮まで(新潮文庫)150524二葉亭四迷:浮雲(新潮文庫) 150528三浦哲郎:忍ぶ川(新潮文庫)150601宮本百合子:伸子(新潮文庫)150605大岡昇平:野火(新潮文庫)151029小島信夫:抱擁家族(講談社文芸文庫)150609松本清張:点と線(新潮文庫)……51~60…………141205石井桃子:ノンちゃん雲に乗る(角川文庫)150616山崎豊子:白い巨塔(全5巻、新潮文庫)150731澁澤龍彦:高丘親王航海記(文春文庫)150620安岡章太郎:海辺の光景(新潮文庫)150624筒井康隆:家族八景(新潮文庫)150702三浦綾子:氷点(上下巻、角川文庫)150706坂口安吾:桜の森の満開の下(岩波文庫)150710開高健:裸の王様(新潮文庫)151114武田泰淳:森と湖のまつり(新潮文庫)151204野間宏:暗い絵(講談社文芸文庫)……61~70…………150714谷川俊太郎:谷川俊太郎詩選集(全3巻、集英社文庫)150718壺井栄:二十四の瞳(新潮文庫)150722古井由吉:杳子(新潮文庫)150727丸山健二:夏の流れ(講談社文芸文庫)150804倉橋由美子:スミヤキストQの冒険(講談社文芸文庫)151229梅崎春生:桜島(講談社文芸文庫)151110堀田善衛:広場の孤独(集英社文庫)150807阿川弘之:雲の墓標(新潮文庫)150811国木田独歩:武蔵野(岩波文庫)150201河野多恵子:後日の話(文春文庫)……71~80…………150912車谷長吉:赤目四十八瀧心中未遂(文春文庫)150815小檜山博:出刃(河出文庫)150819下村湖人:次郎物語(上中下巻、新潮文庫)141201森瑤子:情事 (集英社文庫)150823森詠:那珂川青春記(集英社文庫)151118庄野潤三:夕べの雲(講談社文芸文庫)151215佐藤春夫:田園の憂鬱(新潮文庫)150908船戸与一:山猫の夏(講談社文庫)150827藤原伊織:テロリストのパラソル(講談社文庫)150831星新一:ポッコちゃん(新潮文庫)……81~90…………150911小林多喜二:蟹工船(新潮文庫)150918小松左京:日本沈没(上下巻、小学館文庫)150922石川達三:蒼氓(そうぼう)(新潮文庫)150926水上勉:雁の寺(新潮文庫)150930向田邦子:思い出トランプ(新潮文庫)151004志水辰夫:行きずりの街(新潮文庫)151008横光利一:機械(新潮文庫)151013泡坂妻夫:亜愛一郎の狼狽(創元推理文庫)151017津本陽:龍馬(全5巻、集英社文庫)151021徳田秋声:あらくれ(講談社文芸文庫)……91~100…………151025葉山嘉樹:セメント樽の中の手紙(角川文庫)151106山本有三:路傍の石(新潮文庫)151102城山三郎:部長の大晩年(新潮文庫)151122島田清次郎:地上・地に潜むもの(青空文庫/季節社)151126眉村卓:なぞの転校生(講談社文庫)151130田中英光:オリンポスの果実(新潮文庫)151209三木卓:野鹿のわたる吊橋(集英社文庫)151218須川邦彦:無人島に生きる十六人(新潮文庫)151219小林信彦:東京少年(新潮文庫)151222椎名誠:哀愁の町に霧が降るのだ(上下巻、小学館文庫)
2016年01月03日
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■知だらけの学習塾・銀塾013:ジャンル別ベスト100冊はこれ標茶六三が2015年末までに選んでいるベスト100冊はこれです。このリストは随時更新されます。 【日本現代文学100+α・標茶六三の文庫で読む】 (1946年以降生まれの作家) ※著者名の頭の数字は発信年月日。……01~10…………141103浅田次郎:壬生義士伝(上下巻、文春文庫)141109宮部みゆき:火車(新潮文庫)141117飯嶋和一:始祖鳥記(小学館文庫)141113重松清:とんび(角川文庫)141122池井戸潤:下町ロケット(小学館文庫)141126小川洋子:博士の愛した数式(新潮文庫)141130東野圭吾:秘密(文春文庫)141204村上春樹:1Q84(全6冊、新潮文庫)141220桜木紫乃:ホテルローヤル(集英社文庫)141212川上弘美:センセイの鞄(文春文庫)……11~20…………141216よしもとばなな:キッチン(角川文庫)150120上橋菜穂子:獣の奏者(全4巻+外伝、講談社文庫)141208中上健次:枯木灘(河出文庫)141224横山秀夫:クライマーズ・ハイ(文春文庫)141228三浦しをん:まほろ駅前多田便利軒(文春文庫)150109北村薫:スキップ/ターン/リセット(いずれも新潮文庫)150105朝倉かすみ;田村はまだか(光文社文庫)150101中島京子:FUTON(講談社文庫)150117伊坂幸太郎:アヒルと鴨のコインロッカー(創元推理文庫)150125角田光代:八日目の蝉(中公文庫)……21~30………… 150129原田マハ:楽園のカンヴァス(新潮文庫)150203奥泉光:シューマンの指(講談社文庫) 150206清水義範:蕎麦ときしめん(講談社文庫)151214西加奈子:サラバ!(上下巻、小学館)150210恩田陸:六番目の小夜子(新潮文庫)150214村上龍:半島を出よ(上下巻、幻冬舎文庫)150218天童荒太:永遠の仔(全5巻、幻冬舎文庫)150306松浦理英子:親指Pの修業時代(上下巻、河出文庫)150222盛田隆二:夜の果てまで(角川文庫)150302有川浩:阪急電車(幻冬舎文庫) ……31~40…………150306中村文則:掏摸(スリ)(河出文庫)150310海堂尊:チーム・バチスタの栄光・上下巻(宝島文庫)150314川上健一:翼はいつまでも(集英社文庫)150318江國香織:号泣する準備はできていた(新潮文庫)150322村山由佳:BAD KIDS・海を抱く(集英社文庫)150326佐々木譲:笑う警官(ハルキ文庫)150421三上延:ビブリア古書店事件手帖(メディアワーク文庫)150226高嶋哲夫:イントゥルーダー(文春文庫)150330花村萬月:ゲルマニウムの夜・王国記1(文春文庫)150425辻村深月:凍りくじら(講談社文庫)……41~50…………150429あさのあつこ:バッテリー(全6巻、角川文庫)151007乙川優三郎:霧の橋(講談社文庫)141106百田尚樹:ボックス!(上下巻、講談社文庫)150503湊かなえ:告白(双葉文庫)150507渡辺容子:左手に告げるなかれ(講談社文庫)150511中田永一:くちびるに歌を(小学館文庫)150515唯川恵:肩ごしの恋人(集英社文庫)150519乃南アサ:凍える牙(新潮文庫)150523乾くるみ:イニシエーション・ラブ(文春文庫)150527窪美澄:ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)……51~60…………150531歌野晶午:葉桜の季節に君を想うということ(文春文庫)150604黒野伸一:万寿子さんの庭(小学館文庫)150608綿矢りさ:蹴りたい背中(河出文庫)151012柳美里:フルハウス(文春文庫)151101芦原すなお:青春デンデケデケデケ(河出文庫)150612朝井リョウ:桐島、部活やめるってよ(集英社文庫)150615山本文緒:恋愛中毒(角川文庫)150619桐野夏生:柔らかな頬(文春文庫)151205姫野カオルコ:昭和の犬(幻冬舎文庫)150623石田衣良:娼年(集英社文庫)……61~70…………150701原宏一:かつどん協議会(集英社文庫)150705小川糸:食堂かたつむり(ポプラ文庫)150113森沢明夫:虹の岬の喫茶店(幻冬舎文庫)150709小池真理子:恋(ハヤカワ文庫)150713吉田修一:最後の息子(文春文庫)150717真保裕一:ホワイトアウト(新潮文庫)150721荻原浩:明日の記憶(光文社文庫)150726米澤穂信:ボトルネック(新潮文庫)050730小路幸也:東京公園(新潮文庫)050803薄井ゆうじ:くじらの降る森(講談社文庫)……71~80…………151231矢作俊彦:ららら科学の子(文春文庫)050808佐藤友哉:デンデラ(新潮文庫)150814赤坂真理:ミューズ(河出文庫)150818立松和平:光の雨(新潮文庫)150821石黒達昌:新化(ハルキ文庫)150826西村賢太:暗渠の宿(新潮文庫)150830中脇初枝:魚のように(新潮文庫)150903蘇部健一:六枚のとんかつ(講談社文庫)150917法月綸太郎:キングを探せ(講談社文庫)151129佐伯一麦:ア・ルース・ボーイ(新潮文庫)……81~90…………150907森博嗣:すべてがFになる(講談社文庫)150909東川篤哉:密室の鍵 貸します(光文社文庫)150915桃谷方子:百合祭(講談社文庫)150921絲山秋子:沖で待つ(文春文庫)150925藤堂志津子:熟れてゆく夏(文春文庫)150929森見登美彦:新釈走れメロス(祥伝社文庫)151016佐川光晴:生活の設計(『虹を追いかける男』双葉文庫所収)151227堂場瞬一:チーム(実日文庫)151105馳星周:不夜城(角川文庫)151028貴志祐介:青の炎(角川文庫)……91~100…………151024片山恭一:世界の中心で、愛をさけぶ(小学館文庫)151109新野剛志:八月のマルクス(講談社文庫)111013中山可穂:猫背の王子(集英社文庫)151117大石直紀:パレスチナから来た少女(光文社文庫)151003黒川博行:アニーの冷たい朝 (創元推理文庫)151211柚木麻子:ランチのアッコちゃん(双葉文庫)151121谷瑞恵:思い出のとき修理します(集英社文庫)151020川端裕人:夏のロケット(文春文庫)151125松岡圭祐:催眠(小学館文庫)151203戸梶圭太:溺れる魚(新潮文庫)
2016年01月02日
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