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2019年01月25日
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カテゴリ:
265:忘れもの
 樋口正直と麗奈夫妻は、ともに二十八歳。釧路空港で車を借りて、道東を旅行中である。たまたま立ち寄った標茶町で、日本四大がっかり名所とめぐり合った。そのあと多和平へと車を走らせ、五つ目のクラーク像に遭遇した。正直は東京の進学塾で、数学の先生をしている。
「この町、おもしろいね」
「ばかばかしいものだらけで、笑ってしまう」
「駅前に並んでいた水色のシャッターには、どれも『知だらけの学習塾』と書いてあったわ」
「運転していて、ぼくも気になっていた。麗奈、今夜はここに泊まろう。どうしてもあの塾を見てみたい」
「いいわよ」

 二人は、藤野温泉ホテル・アネックスの前に車を停めた。夕方のシフトの狭間だったので、フロントには詩織が出ていた。
「まあ、東京からですの?」
 宿泊カードを見て、詩織は声をかけた。
「阿寒から釧路へ向かう途中だったんですが。はりまや橋や札幌時計台やクラーク像を見て、笑い転げているうちに、遅くなっちゃって」
 詩織は車のキーを預かり、ドアボーイに車を駐車場へ移動するように命じた。

 翌朝二人は、早朝にチェックアウトした。そのときも、詩織はフロントにいた。ドアボーイは、車を玄関まで移動させてきた。詩織は玄関先で、二人を見送った。赤いレンタカーから、麗奈は手を振っている。
 それから十五分後に、客室担当が「お客さまの忘れものです」といって、フロントに飛び込んできた。手にしているのは、カメラ用のSDカードだった。詩織は、ドアボーイに叫んだ。
「野間くん、さっきの赤いレンターカーを追いかけて。スピード違反で捕まったら、うちが支払うから急いで」

 後日二人から、丁重なお礼の手紙が届いた。
――忘れものをお届けいただいた誠意は、私たちの今度の旅行で一番印象的で感動させられたものです。来月、休みを取ってまた遊びに行きます。どうしても、「知だらけの学習塾」を見てみたいのです。今回はあわてて戻ってきましたが、来月は三日ほど、標茶町で過ごします。本当に心温まるおもてなしを、ありがとうございます。樋口正直・麗奈





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最終更新日  2019年01月25日 04時12分27秒
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