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2019年01月26日
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111:智恵
――第9講義:人間力
人間力のある人には意欲がある
意欲のある人には夢がある
夢のある人には目標がある
目標のある人には努力がある
努力のある人には失敗がある
失敗のある人には反省がある
反省のある人には経験がある
経験のある人には智恵がある
智恵のある人には人間力がある

「智恵」とは知識や経験に、搭載するターボエンジンのことです。智恵は知識や経験の、裏付けがなければ機能しません。智恵は知識知でもあり、経験知でもあります。

私は「人間力」の総合力を、「智恵」としています。前向きに人生を送る「意欲」があり、一段高いところにいる自分を「夢」見る。そのために、高い「目標」を掲げ、ひたむきな「努力」を継続する。生じた成果に対する謙虚な「反省」を忘れず、それを次なる挑戦への「経験」知とする。やがてその循環が「智恵」となって、より高いレベルになったあなたは、目指すところに到達できるのです。

田坂広志は著書『知性を磨く』(ちくま新書)の中で、知識と智恵の相違について次のように述べています。

(引用はじめ)
「知識」とは、「言葉で表せるもの」であり、「書物」から学べるものである。
「智恵」とは、「言葉で表せないもの」であり、「経験」からしか学べないものである。
(引用おわりP54)

これって「ナレッジマネジメント」でいう、「形式知」と「暗黙知」のことです。

もうひとつだけ、先達の言葉を引用させていただきます。

――切迫感と知識が一緒になったとき、初めて知恵が出てきます。切迫感を感じなきゃ、知恵も生まれません。私がいつも「あきらめたらいかん」とか「できると思ってやったらできる」とかいっているのはこのことです。(西堀栄三郎『新版 石橋を叩けば渡れない』生産性出版)

 西堀栄三郎がいうように、智恵は単純な思いつきや閃きとは異質なものです。たくさんの知識や経験の裏づけがあり、緊迫した場面で引き出せるのが智恵なのです。智恵の「智」の字は、知に日を重ねてあります。知の積み重ねが「智」なのです。そこに「恵み」がやってきます。





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最終更新日  2019年01月26日 03時30分15秒
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