窓から見える雄大な空

済んだ青色の空を 白いカーテンが隠すかのように ふわりと舞う

私の名を呼ぶ声がする

ふかふかな布団に包まれながら 真正面を見て 映るのは 白い板の天井

次第に視界がぼやけて

また私の名を呼ぶ声がして

そこで私は意識を失った














「――、―――――――」





なんだろう

誰かが私を呼んでる 気がする…





「―ぃ、君――――――」





なんだかなぁ…起こさないでよ

私 まだ眠いんだから……





「おいっ、君、大丈夫なのか!?」


「はぃっ!?」



揺さぶられる肩 耳元では大音量の声



「よかった、気がつきましたか」



驚いて目を開けると 目の前には 武装した男性。



「え、えーと… あなた、誰ですか?ここは…どこ?」



「申し遅れました、私は趙雲 字を子龍と申します。」



あざな? 字って何?

まぁいいや。 それより、私も自己紹介しないと…



「あ、あの…」



『大丈夫ですか』と言われていたんだから、きっと私助けてもらったんだよね。

お礼も言わなきゃ。



「助けていただいて、ありがとうございます。私の名前は………… ………??」



??

あれ?



「…? どう致しました?」

「えーと、その…あれ?? 私の 名前は… ………??」



どうしよう


思 い 出 せ な い (激汗



そもそも私、もともと何処に居たんだろ…?




「あの…趙雲、さん?」

「?」





どうやら私は







「私… 何も、思い出せません…」





記憶喪失になってしまったみたいです。







「名前も、居場所も、どこにいたのかさえ…」








次第に身体がカタカタと震えだす。


自分は何者なのかという恐怖

そして これからどうなってしまうのだろうという恐怖

二つの恐怖心がが涙として表れた。





© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: