★猫の慢性腎不全について
【 猫の慢性腎不全とは？ 】
(C)素材提供：日本野良猫協会
猫が高齢になると最も発症しやすい病気で、
腎機能が低下し毒素が排出できなくなる病気です。
● 腎不全になるとでてくるわかりやすい症状 ●
・水を異常な程よく飲みだした
・尿の量が増えた(臭いがしない透明な尿)
・食欲がなくなる
・嘔吐する
・口臭
早期発見できれば何年も生きている猫はたくさんいます。
うちの猫はシニアになってからは定期健診に行っていましたが、２００６年４月に行った時は異常がなかったのに１１月に急に水をよく飲むようになり、これは腎不全か糖尿病の初期症状だと思い、検査したら慢性腎不全と診断されました。人間の食べ物はたまに刺身を少しあげる程度でほとんど与えていませんでした。腎不全にはストレスがよくないのでリラックスできる環境作りと、毒素を出す為にたっぷりと水分補給をしてあげて下さい。ドライフードのみではいくら水をたくさん飲んでも水分は足りません。
●血液検査の経過
※ＢＵＮ＝血中尿素窒素 血液中の尿素に含まれる窒素
※ＣＲＥ(クレアチニン)＝老廃物の一種 腎機能が低下するとこの数値が上がる
【 ＢＵＮの参考正常値１７．４～４０ ・ＣＲＥの参考正常値０．６～２ 】 (病院によって正常値の基準が違う事もあります)
※腎不全はＢＵＮとＣＲＥの数値だけで判断するのは危険ですがこの２つの数値が目安にはなります。脱水・貧血の数値も重要ですがマルコはどちらも心配ないので省きます。
■2006.11.22 【 ＢＵＮ４１．７ ＣＲＥ２．９ 】
慢性腎不全と診断される 第二期の初期なのに急に食欲がなくなったので２日に１回※皮下輸液をする(※１回２０００円、点滴とは違い、皮下に水分を注射器で入れます。主に水分補給の目的で行われます)
１０日間ぐらいで少し食欲がでてきました。
■2006.12.25 【 ＢＵＮ３２．８ ＣＲＥ２．７ 】
処方食 を食べ出して数値が少し下がる。(食べてくれない子には他のものを与えるしかありません。処方食にこだわらずに食欲を戻す事が大事だし、ずっと食べないでいる事の方が危険です)
■2007.1.22 【 ＢＵＮ３３．０ ＣＲＥ２．１ 】
シャンペットプロを飲ませてみました。活性炭も使用
■2007.3.5 【 ＢＵＮ３１．０ ＣＲＥ１．９ 】
数値が正常値に戻った為、活性炭はやめて処方食とシャンペットプロ(サプリメント)を与えています。
■2007.4.9 【 ＢＵＮ２３．２ ＣＲＥ１．６ 】
■2008.1.29 【 ＢＵＮ２７．１ ＣＲＥ１．８ 】
以前よりも少し数値が上がっていますが、今が一番元気で食欲も有り、調子がいいです。
腎不全特有の嘔吐も全くなくなりました。
処方食をほとんど食べさせていないので、活性炭を毎日与えています。
■2008.5.28 【 ＢＵＮ２９．２ ＣＲＥ１．２ 】
クレアチニンの数値も低いし食欲もあるので、腎不全は安定しています。
新製品の処方食 ウォルサム腎臓サポート スペシャル が気に入ったみたいで久しぶりに毎日処方食を食べているので、ＢＵＮやＣＲＥ以外の数値も下がっていました。
■2008.11.25 【 ＢＵＮ３０．１ ＣＲＥ１．４ 】
関節炎の治療の為、現在は毎月通院していますが、血液検査の腎不全の数値は安定しています。
■2009.9.5 【 ＢＵＮ３０．０ ＣＲＥ１．５ 】
だいたいこのくらいの数値を１年以上ずっと維持しています。
■2010.10.15 【 ＢＵＮ２９．０ ＣＲＥ１．７ 】
食欲もあって絶好調な状態を維持してます。
※猫によって体調や性格も違いますので参考程度にして、先生と相談しながら自分の子に合ったやり方を見つけて下さい。腎不全は完治しない病気なので数値が低くても油断しないようにしましょう。
■２０１２年４月現在１７歳。腎不全闘病生活６年目。
体重３．５キロ。現在は食欲も有り、腎不全特有の嘔吐も無く安定しています。０７年８月に免疫性の「多発性関節炎」という病気になりました。ステロイド以外に特に有効な治療法はありませんが、薬漬けにするのが嫌で薬を飲ませていませんが、何故か今は元気に歩いています。飼い主の私も先生も驚くくらいに生命力の強い猫です。
庭をお散歩中のマルコ。完全室内飼いだけど、お散歩が大好きな猫です。
★マルコが食べていた物＆現在食べている物★
● 処方食 ●
●処方食以外のドライフード●
缶詰は日替わりで色々な種類を食べさせていますが、ドライフードは毎日食べるので人間が食べられる材料を使っている良質なフードを選んでいます。
・ 100％自然素材・無添加 ザナベレ ハイプレミアム シニア 400g ☆8歳以上
・ 初めての方、送料無料【ワイソン・キャットフード】ジェリアトッリックス（老猫用）スターターパック
●ウェットフード●
水分補給と活性炭を飲ます為、毎日ウェットフードを与えています。
あまり成分にはこだわらずに好きな物を日替わりで色々食べさせています。
年寄りの猫でも食べやすい缶詰は「美食」「サイエンスダイエット」「シェフ」「モンプチのクリーミースープ」「ホワイトフジ１１歳からのまぐろ」などは柔らかくて食べやすいです。
●サプリメント●
腎不全になったばかりで数値が安定していない時は、 シャンペットプロ を与えていました。ビール酵母が好きな子なのでそのままでも平気で舐めましたが、嫌いな子や吐いてしまう子もいるみたいです。数値が下がった現在は、ノミ・ダニ除けもかねて(強い薬は使いたくないので) 乳酸菌のサプリ「イーストスリム」 を与えています。腸内環境を整え、下痢・便秘予防にもいいので腎不全の猫には良いサプリメントです。 ビタミンＣ も病気の子にはオススメ。
● ネフガード (活性炭)●
１日に１包を２回に分けて毎日与えています。体内の毒素を排出するので腎不全には必須。
ネフガード(顆粒)は水に溶けて無味無臭なのでストレス無く与えられます。フードに混ぜて与えるのが難しい場合は【粒】のネフガードを丸飲みさせるといいです。
●お水＆猫用食器●
ヘルスウォーターシリーズボウル（Mサイズ）
お水が美味しくなる魔法の器。汚れも落ちやすいし、大きくて飲みやすいのでよく飲むのは確かです。
リッチェル 猫用 食べやすい食器 S
二段構造になっているので、ドライフードを食べるのがヘタな子や病気の猫・シニア猫にはオススメ。
マルコが同じ物を使ってますが食べやすそうです。
●腎不全には大敵のストレス対策●
レスキューレメディ 10ml
通院時の不安や恐怖、薬の経口投与のストレス軽減の為に使用しています。副作用は全くないし、うちの猫はそのままでも舐めます。飼い主が不安な気持ちの時に飲むのにもオススメ。かなり効果があります。
【天然成分100%】「帰ってきた」インドの虫除け50ml
アレルギーや病気の子にも安心して使える蚊・ノミ・ダニ除け。
余計な成分は一切入っていないし、リラックス効果もあります。
●慢性腎不全の処方食・流動食・薬・サプリメント・水の紹介
⇒ 慢性腎不全の処方食・流動食・栄養食
⇒ 慢性腎不全のサプリメント・薬(活性炭)・水
●症状 (猫によって多少の違いはあります)
第一期 腎機能の５０％以上が残存する無症状の段階
第二期 多飲・多尿、体重低下 口臭
第三期 食欲低下 嘔吐 体重低下 貧血 口臭
第四期 嘔吐 下痢 痙攣
● クレアチニンの数値
クレアチニンの数値 ２ ５０％の腎臓の機能がある。(腎臓が１個と同じ)
クレアチニンの数値 ４ ２５％の腎臓の機能がある。
クレアチニンの数値 ８ １２．５％の腎臓の機能がある。
●処方食を食べてくれない時は？
猫によっては受け付けない子もいると思います。マルコも初めは全く食べませんでした。
★大好きなドライフードを ミルサー で粉々にして処方食にふりかける。
(こうやると普通に混ぜるより量が少なくて済む)
★一般食をメインで与える場合は低たんぱく、低リン、低マグネシウムのものを選ぶ。
★少し混ぜる程度ならニオイが良くて好きなフードを混ぜて下さい。
人気があるのはシーバ、ロイヤルカナンなどが味が濃いので好きな猫が多いです。(たんぱくやリンの数値が高いので主食にはオススメできません)
●食欲がない時は？
食欲があればあまり美味しくない処方食でも食べてくれますが、食べなくなった時は何でもいいから食べるものを与えて下さい。体内に毒素が溜まり吐き気がして気分が悪いので食べなくなったり、口内炎ができている可能性もあります。何かきっかけに持ち直す事もあるので少しの量で栄養補給ができて消化に良い流動食を与えるなどしてみて下さい(あまり無理矢理するとストレスになるのでそのあたりは猫の様子を見ながら行ってください)
【 諦めずに色々な方法を試してみる 】
１ 好物をあげてみる
食欲がない時でもスープなら飲む場合があります。
マルコはスープが好きなのでスープが多いウェットフードに ネフガード(活性炭) を混ぜて与えています。
２ 好物でも食べない時は流動食や栄養食を シリンジ などで強制給餌
★詳しくは 「慢性腎不全の処方食・流動食・栄養食」 へ
３ 皮下輸液(脱水には効果的。数値が下がり食欲が出てきます)
４ 水素結合水「Ｈ４Ｏ」 を飲ませてみる。末期の猫が回復したとテレビで放送されて話題になったお水です。動物病院で扱っている所もあります。薬ではないので効果は猫によって違いますが、普通のお水よりは体に良いお水なのは間違いないです。
⇒ 『腎不全のサプリメント・薬・水』
５ 点滴
猫にとってかなりのストレスになりますが、全く食欲がない末期の猫には他に方法がありません。飼い主がその子に一番合った方法で最善を尽くして下さい。
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