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gamzatti @ Re[1]:「ムー」「ムー一族」(05/28) ひよこさんへ 訂正ありがとうございました…
ひよこ@ Re:「ムー」「ムー一族」(05/28) ジュリーのポスターに向かってジュリーっ…

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gamzatti

gamzatti

2008.04.27
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カテゴリ: 洋画


 ピグマリオン [CLASSIC MOVIES COLLECTION] / 洋画

「ピグマリオン」って聞き慣れないコトバ。
ギリシャ神話に出てくる人の名前なんですが
現実の女性に失望したピグマリオンは、自分で作った彫刻の女性像に
命を吹き込んで、理想の女性とし、その彫刻を愛した、という逸話があるそうです。
それを題材に、
バーナード・ショウという作家が作った戯曲の映画化が、これ。

マイ・フェア・レディ 」の原型となった映画だ、というと、
どんな映画か、ちょっと見えてくるでしょうか。

なまり丸出しの花売り娘イライザに「言語的な」興味を示した言語学者ヒギンズが、
この娘の「コトバ」を矯正することによって
上流階級でも通用するレディに変身させようとする話です。

「コトバ」が「地域」や「階級」と密接に結びついているイギリスだからこそ、
いい職を得るために、
今の境遇から這い上がるために、
イライザはヒギンズの家に住み込んで、「コトバ」の矯正に精を出します。
その訓練たるや、スパルタ教育そのもの!
イライザ、途中でパニック起こして泣き出しちゃったりするんですが、
ヒギンズ、全然ひるみません。
宗方コーチと岡ひろみみたい。
とにかく、訓練、訓練、訓練です。

そしてとうとう、ある社交界のバーティーで
「あのお方は、どうやらハンガリーの貴族か王族じゃないか?」などと
噂されるほど、完璧な「コトバ」と「物腰」を獲得する花売り娘。

しかし。
彼女は幸せではありませんでした。
もっとも欲しいものが、まだ手に入っていなかったのです。

言語学者の愛。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

映画の中で、とても印象深いセリフが出てきます。
「女はレディとして振舞うからレディになるのではない。
 レディとして扱われるからレディになる」

そこに対等なリスペクトの関係があって初めて、
人は自信をもって誇り高く生きることができる。
どんなに愛情を注がれても、
「敬意」が見られなければ、
「上下」の関係しかなければ、
人間は相手に対して自分の劣等感を払拭することはできません。

知らず知らずのうちに花売り娘を上から見下し、罵声を浴びせる言語学者。
たとえ「いとしい」気持ちが芽生えていたとしても、
自分の気持ちを素直に口に出来ない男。

こういう物語は
一見、「田舎娘のサクセス・ストーリー」に分類されますが、
さにあらず。
「何事も自分が正しい」と思い込んでいる男が、いかに愚かかをえぐってみせる、
痛快風刺映画でありました。
さすが、バーナード・ショウ。

1938年の作品ですが、
今の時代に十分通じるテーマ性を持っています。



オードリー・ヘプバーン/マイ・フェア・レディ 特別版


こちらはミュージカル仕立てで、筋は「ピグマリオン」と同じですが、
比べると、ずっと明るい調子です。

また、両映画とも、ショウの戯曲とは、結末が違う、と知り、
私は、妙にナットクいたしました。
ショウは、現実主義者です。





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Last updated  2008.04.27 17:39:22
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