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履歴と感想 : の
読書履歴 と 読後感想 ( ※ 作品の記載順と出版順は必ずしも一致していません )
【 の 】
野沢尚
・ 破線のマリス
・ リミット
・・・・・ ★★★★★
連続幼児誘拐事件の闇に潜む邪悪な魔性
連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。
婦人警官でなく、1人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに……。
驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点!
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───
連続児童誘拐事件を発端にして、『 誘拐犯 』 対 『 子供をさらわれた婦人警官 』 という図式で、ストーリーは展開されていきます。
誘拐事件には、さまざまなな裏がひそんでいるのですが、読んだ時の楽しみが失われますので、ここでは書きません。
とにかく、犯人グループに追い詰められながら、追い込む主人公の状況がかなり過酷で、全編緊迫感をもって読む事になります。
野沢さんは映画やテレビドラマの脚本を沢山しておられるからからなのか、ストーリー展開のテンポがよく、それぞれのシーンの風景や状況が目に浮かぶ様で、読みやすい印象があります。
とにかく この本、面白い。
・ 眠れぬ夜を抱いて
・・・・・ ★★★★★
ひとつの町で連続して起こる一家失踪事件。
平凡な主婦、中河悠子は、その町の開発者でもある夫を助けるために独自に調査に乗り出していく。
だがそれが悲劇の始まりだとは気づきもしなかった…。
悠子までを巻き込んで展開する残酷な復讐の罠、罠、罠!果たして彼女は夫の嫌疑を晴らして真相に辿りつけるのか。
超大型サスペンス長編。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───
内容につきましては、ネタバレの事を気にすると何もかけなくなる作品で、コメントに困るんですが、よくできた本です。
過去の出来事と、現在進行している事とが平行して語られます。
家族が失踪したわけ、過去の事件と現在の事件の関係等など、謎だらけなんですが、読み終わってみると、そうややこしいこともないんです。
何箇所か、とある部分で、それはないだろう … と、つっ込みたくなるんですが、許容範囲かと … 。
・ 殺し屋シュウ
・・・・・ ★★★★☆
首都大学文学部の研究室に真面目に勤めるシュウ。
ひとたび依頼があれば、「人殺しの芸術家」に変わる。
だけど傷つきやすいのが悪い癖。
最初の殺しは自分の肉親だった。
気鋭の作家が放つスリリングな新シリーズ。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───
発表済みの短編と、新作を合わせて連作形式にまとめられています。
題名通り主人公は殺し屋という裏の顔を持ちながらで、普段は大学の職員という表の顔を持っています。
技術的には高度な腕前の殺し屋そのもので、仕事をあっさりと行う割には、当事者に対して思い入れが残ったりして、内面的には危うさを持ち合わせています。
ただ、『 殺人 』 という行為自体の扱いがあまりにもあっさりとしており、少し気になりました。
また、最終話では、仕事の背景にあるものが、あまりにひどく、読みながらかなり熱くなってしまいました。
エピローグでは泣けてきましたが、最終話での一件の後、そういう展開になるのは、きれい過ぎる結末の様にも思います。
涙誘う部分があったりして、各話共、うまく締めくくられている様に思います。
アクションシーンが多いので、どちらかといえば男性向け作品ですが、野沢さんらしく読みやすく、なかなか面白かったです。
・ 魔笛
・・・・・ ★★☆☆☆
白昼の渋谷 、 無差別爆弾テロ 、 犯人は女だった …
公安と新興宗教のはざまで生み落とされ、首都を暴走する未曾有の恐怖。
警察をあざ笑うかのようにテロを仕掛け続ける女が求めるのは、罰か、救いか。
悪魔的な頭脳で日本を恐怖に陥れた彼女を、若き刑事と、その獄中の妻が追う。
『 狂気 』 を極限まで描き尽くす、作家・野沢尚の到達点。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───
今までの『野沢作品』からしたら、少し雰囲気の違った作品です。
犯人の『手記』として、話が進む点によるものなのですが、淡々とした感じがします。
クライマックスは、緊迫した状況になり、盛り上がるのではありますが、かなりの部分で、展開が予測できます。
( 犯行現場、爆弾解体、動きを封じ込める、狙撃 等々 ・・・ )
これは、私に限らず、この手のミステリー作品を読みなれている人には同様ではないかと思いわれます。
新興宗教 ,爆弾魔 ,テロ ,公安スパイ ,犯人の過去 ,出世を諦めざるを得なかった刑事 ,刑事と殺人犯の獄中結婚 ,獄中妻の殺害の経緯 ・・・
具沢山はいいのですが、かなり『狙いすぎ』のな感じがし、せっかくの具が生かしきれた無いような印象があります。
作品に出てくる新興宗教はあまりにも『オウム真理教』っぽく、似せるならもっと似せて、似せないなら、もっと変える等した方が良かったのではないでしょうか。
かなり、中途半端な感じがします。
獄中の妻という設定も、その妻が刑事にアドバイスするという、レクター博士を彷彿とさせる設定はどうなんでしょう。
この人物に、こういった役回りをさせるのは、少々無理があるように思われたのですが・・・。
本の紹介等で、かなりの高評価でしたので、読む事にしたのですが、私は正直イマイチでした。
野沢さんの本にはハズレが少なく、好きな作家であるがゆえ、辛目の評価となってます。
乃南アサ
・ 幸福な食卓
・ 鍵
・ 家族趣味
・ 再生の朝
・ 凍える牙
・・・・・ ★★★★☆
深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した。
遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年刑事・滝沢と捜査にあたる。
やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。
この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?
野獣との対決の時が次第に近づいていた。
女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───
主人公の音道と相棒の滝沢との対立が面白いです。
警察という男性社会の中で、孤立しながらも、男性警察官に負けない様、頑張る音道貴子。
女だからというだけで偏見を持ち、女性の同僚に対して、どう接したらいいのか分からない滝沢。
二人ともかなりの頑固で、なかなかうまくいかないのですが、徐々にお互いを認める様になっていきます。
ですが、最後まで、どこか一線残って、突っ張ってますが、その方がこの2人らしいのかもしれません。
事件の全貌としてはそう珍しくないのですが、使われている小道具がかなり珍しい様に思いました。
冒頭に出てくる、発火炎上の仕組みは、冒頭部分だけにしか使われておらず、なんだかもったいないような気がしました。
最後の最後に、思いもしないシーンがあって、不意をつかれてしまった私は、目頭が熱くなってしまいました。
ちなみに、以前NHKで、ドラマ化されており、音道貴子…天海祐希 ,滝沢保…大地康雄 でした。
なかなかいいキャスティングだと思ったのですが・・・。
・ 鎖
・ 花散る頃の殺人
法月倫太郎
・ 密室教室
・ 頼子の為に
・ 一の悲劇
・ 生首に聞いてみろ
・・・・・ ★★☆☆☆
彫刻家の川島伊作が病死した。
その直後、彼の娘・江知佳をモデルにした石膏像の首が切りとられた。
悪質ないたずらなのか、それとも江知佳への殺人予告か。名探偵・法月綸太郎の推理の行方は――!?
※ 『 このミステリーがすごい!2005 』 国内編、第1位
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───
幾重にも張り巡らされた伏線がラストで収束 ・・・ というと、この手の作品ではよく言われることですが、本書もそういった展開をします。
読者に対する ミスリード的な部分が少ないので、全体的に 淡々と進むというか、悪く言うとダラダラとした印象があります。
ですが、あまり丁寧に書かれている感じはしなくて、文章自体に ちょっとクセがあると言えなくも無く ・・・ 。
事件の内容のせいもあって、読後感はすっきりせず、後味悪かったです。
過剰な期待をして読んでしまったからなのでしょうが、かなり イマイチでした。
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