感想と履歴 : も

 読書履歴 と 読後感想 ( ※ 作品の記載順と出版順は必ずしも一致していません )

【 も 】

森絵都
・ 永遠の出口 ・・・・・ ★★★★★
永遠の出口
小さい頃、私は 『 永遠 』 という言葉にめっぽう弱い子供だった――。
誕生日会をめぐる小さな事件、黒魔女のように恐ろしい担任との闘い、ぐれかかった中学時代、バイト料で買った苺のケーキ、こてんぱんにくだけちった高校での初恋・・・。
昭和50年頃を背景に、ナイーブでしたたかで、どこにでもいる普通の少女、紀子の小学三年から高校三年までの九年間の成長をめぐる、きらきらした物語。
著者初の大人向け物語であり、第1回 本屋大賞 第4位作品。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

色々な経験をしながら、悩みつつ成長する主人公の姿に、ふと昔の自分と重ね合わせてみたり、性別は違えど共感できる部分があったりして、なんとなく 懐かしい気持ちになりながら読んだ この作品。
そういえば、そんな感じだったなぁ・・・っていう “ 懐かしさ ” は物語の年代設定にも感じるのですが、それもそのはず、作者の森絵都さんは、1969年4月生まれという事で、どうやら私と学年が同じらしい。
繊細な感覚で書かれながらも、優しげな読みやすい文体で書かれています。
『 だけど、私は元気だ。 まだ先へ進めるし、燃料も尽きていない。 あいかわらず躓いてばかりだけれど、その躓きを今は恐れずに笑える。 』
私も、そんな風に思いながら 毎日を暮らしていければいいのだけれど・・・。
今回、この感想を書くために再読し、『 永遠の出口 』 が 本当にいい作品である事を再認識。
私はこの本に出会えて、本当に よかった。

森谷明子
・ れんげ野原のまんなかで ・・・・・ ★★★★☆
れんげ野原のまんなかで
秋庭市のはずれもはずれ、ススキばかりがおいしげる斜面のど真ん中にたつ秋庭市立秋葉図書館、そこが文子の仕事場だ。
無類の本好きである先輩司書の能瀬や日野らと、日がな一日あくびをしながらお客さんの少ない図書館で働いている。
ところがある日を境に、職員の目を盗んで閉館後の図書館に居残ろうとする少年たちが次々現われた。
いったい何を狙っているのか。 〔 『 第一話 霜降―花薄、光る。 』 より )
のどかな図書館を舞台に、文子をはじめとする司書たちののんびりした日常を彩るささやかな謎を、季節の移り変わりと共に優しく描いてゆく連作短編集。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

一般的に 『 日常の謎 』 と呼ばれるタイプの作品です。
図書館の事を詳しく知らないと理解し難いはずの内容を、知らない人が読んでも判る様に書かれていますので、そのあたりは作者の上手さと思うと同時に、図書館について かなり詳しいのだと、感心することしきりです。
ミステリー小説としての、ミステリー的な部分については 物足りない作品かとも思いますが、主人公 文子の周りの人達の ステキさがなんとも 心地よく、言い出せない淡い恋の話も交えながらも、さわやかな締め括り方で、ココロ温まり 読み終える作品です。
とにかく、全体的に雰囲気がいいので、“ オススメの一冊 ” なのですが、図書館が好きな方や図書館によく行かれる方には、特にオススメ。
秋から冬、そして春、ススキが刈られた ススキ野原は れんげ野原へと・・・こんな 秋庭市立図書館、行けるものなら 一度行ってみたいものです。

森博嗣
・ すべてがFになる




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