散文 : 1


煙草


私は たばこ

私は小さな火の塊をかかえている

私の先から 煙がたちのぼる

煙は自由を得たかのごとく のぼっていく

煙は やがて消える

どこかに 消えて なくなる

煙は たちあがり続ける
私が かかえる 小さな火の塊が なくなるまで ・・・

やがて 私は灰皿にこすりつけられる
まだ 燃え尽きていないというのに ・・・

押しつぶされた 無残な私

もう煙はでない
でも 私は なくならない




© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: