国内 文学賞 について


このHPで紹介している、文学賞について・・・

■ 直木賞 ■ 直木三十五賞

新聞・雑誌・単行本等として発表された短編・長編の大衆文芸作品中最も優秀なものに呈する文学賞。
直木三十五氏が、亡くなった際に、親交の深かった菊池寛が、自らが率いていた文藝春秋社で、直木氏を記念する賞を設けたもので、『 文藝春秋 』 昭和10年1月号に、 芥川賞と共に直木賞制定の宣言文を掲載したのが始まり。
当初、直木賞の運営は、文藝春秋社が担っていたが、第6回から、財団法人日本文学振興会が受け継ぎ、現在に至る。
厳密な選考基準は無いが主に 芥川賞は純文学、エンタ-テインメント系、直木賞は大衆文学系が対象。
非応募方式で、無名・新進・中堅作家が対象で、授賞は年2回。
・ 上期 ( 12/1~5/31の公表作品 ) は7月中旬に選考会、8月中旬に贈呈式で、 『 オ-ル讀物 』 9月号に掲載。
・ 下期 ( 6/1~11/30の公表作品 ) は1月中旬に選考会、2月中旬贈呈式で、 『 オ-ル讀物 』 3月号に掲載。
候補作は、オ-ル讀物編集部員や出版部員等、文藝春秋の社員合わせて20名位が、多数決で決定する為、文藝春秋系の作品が選ばれる事が多い。
この候補作の中から、作家等からなる 10人位の選考委員が受賞作を決定。

【 直木三十五 : なおきさんじゅうご 】 1891年 ~ 1934年
本名は 『 植村宗一 』 といい、『 直木 』 は 『 植 』 の字を分解したもので、『 三十五 』 は年齢を元にしたものである。
大衆文芸の世界で活躍した作家・評論家。
早稲田大学英文科で菊池寛、芥川龍之介と知己を結ぶ。
映画製作を手がけたのち文筆業をし 『 南国太平記 』 『 荒木又右衛門 』 等を著した。

■ 山本周五郎賞 ■

国民的文学作家の山本周五郎にちなみ、新聞、雑誌、単行本等に優秀な小説を発表した作家の中から選び贈られる。
近年では、推理小説や広義のミステリーが数多く候補となり受賞することが多くなっている。
前年4月から当年3月までの作品に対して5月に贈られる。
財団法人新潮文芸振興会が主催し、新潮社後援のもと、1990年に創設。
( この為、新潮社関連のものが選ばれる傾向にある )

【 山本周五郎 】 1903年 ~ 1967年
本名は 『 清水三十六 ( さとむ ) 』 といい、自身の出世作となった 『 須磨寺附近 』 を発表した際に、当時住み込みをしていた 山本周五郎質店を住所に書いたところ、『 山本周五郎方 清水三十六 』 と書いてあったものを見た文芸春秋が誤って 『 山本周五郎 』 を作者名として発表されてしまい、それをそのまま、以後 筆名とした。
歴史の中や現代の庶民を主人公に数々の小説を描き 『 赤ひげ診療譚 』 等,劇化・映画化された作品多数。
代表作は 『 さぶ 』 『 夏草戦記 』 『 樅ノ木は残った 』 『 季節のない街 』 など。

■ 吉川英治文学賞 ・ 文学新人賞 ■

日本の典型的な国民文学作家として広く読者に親しまれ尊敬されてきた、故吉川英治の遺志により、1967年 『 吉川英治文学賞 』 、1980年に 『 吉川英治文学新人賞 』 が設立。
文学賞は毎年1月1日から12月31日までに新聞、雑誌、単行本等に優秀な小説を発表した作家の中から選び贈られ、新人賞については、最も将来性のある新人を選び贈られる。
近年では、推理小説や広義のミステリーがこの文学賞の候補となり受賞することが多くなっている。
吉川英治国民文化振興会が主催、講談社が後援。 ( この為、講談社関連のものが多く受賞する傾向にある )

【 吉川英治 】 1892年 ~ 1962年
本名は 『 吉川英次 ( ひでつぐ ) 』 といい、『 英治 』 のペンネームは元々は 『 英次 』 の名で発表した作品が掲載されるにあたり、出版社が誤って 『 英治 』 としてしまったのを本人が気に入り、以後ペンネームとするようになったと言われている。
代表作は 『 鳴門秘帖 』 『 三国志 』 『 新・平家物語 』 『 大岡越前 』 など。

■ 江戸川乱歩賞 ■

日本推理作家協会が主催し、講談社が後援するエンターテイメント系の公募新人賞。
1954年 ( 昭和29年 ) 、江戸川乱歩の還暦祝賀会の席上、江戸川乱歩の探偵作家クラブへの寄付を基金として創設された。
探偵小説奨励を目的とし 『 その年度の探偵小説の諸分野において顕著なる業績を示した人に、過去の実績をも考慮して贈賞する 』 という趣旨で、当初は功労賞としての意味合いを備えた賞であった。
1955年の第1回は 『 日本探偵小説辞典 』 の中島河太郎、第2回はポケット・ミステリ出版の功績が認められた早川書房が受賞し、第3回以降、長編を公募して優秀作を選ぶという現在のスタイルになった。
現在は、『 自作未発表の広い意味での推理小説 』 となっており、細かく決められた原稿規定等がある。
1月末日締め切りの 5月末発表で 『 小説現代 』 7月号に掲載。

【 江戸川乱歩 】 1894年 ~ 1965年
推理作家、評論家で、本名は平井太郎といい、筆名は、米国の文豪 エドガー・アラン・ポーをもじったもの。
海外の探偵小説の影響を強く受けた本格探偵小説や、グロテスク趣味な通俗的探偵小説といった作品もあるが、名探偵 明智小五郎と小林少年や、怪人二十面相が登場するシリーズは特に有名。

■ 横溝正史ミステリ大賞 ■ 旧名称 : 横溝正史賞

角川書店、東京放送主催の元、日本のミステリ-界の巨匠、横溝正史の偉業を記念して1981年に設立。
毎年、書き下ろし、未発表の長編ミステリー ( 広義のミステリーとしジャンルは問わず ) を広く公募し、選考会を行い決定。
細かく決められた原稿規定等がある。
9月末頃締め切りで、2月の選考会終了後、直ちに発表。
第21回より、『 横溝正史賞 』 から、『 横溝正史ミステリ大賞 』 に名称変更。

【 横溝正史 】 1902年 ~ 1981年
本名は同字で 『 よこみぞ まさし 』 で、金田一耕助を探偵役とする一連の推理小説で有名。

■ 鮎川哲也賞 ■

『 鮎川哲也と十三の謎 』を刊行する際に、1作品を公募とし、それに選ばれたのが 今邑彩 『 卍の殺人 』 で、これを第0回とし、以後 『 鮎川哲也賞 』 として続くこととなる。
第1回は1990年で、東京創元社協賛のもと、書き下ろし作品を一般より募集し、予備選考を通過した中より大賞を決定する。
第1、2回は予備選考も選考委員自ら担当していたが、第3回より外部の予選委員により予備選考が行われる形式となった。

【 鮎川哲也 】 1919年 ~ 2002年
本名は 『 中川 透 ( なかがわとおる ) 』 で、鮎川哲也の他にも、那珂川透、薔薇小路棘麿、青井久利、中河通、宇田川蘭子などの別名がある。
作品に登場する探偵役としては、鬼貫警部、星影龍三、三番館のバーテン など。

鮎川哲也氏 本人より・・・
「 現在は未曾有の推理小説ブームとかで、新人賞が乱立しており、中にはテレビ局の後援を得て多額の賞金を出しているところもある。
が、どこも私の愛する本格ものを志す有望な新人を発掘しようとする気概に乏しいと思うのは、私の偏見であろうか。
少なくとも私の名を冠したこの賞だけは、未来の本格派作家の砦として、いつまでも初志を忘れず、続けていってほしいと切望するものである。 」

■ 松本清張賞 ■

『 常識 』 や 『 権威 』 を疑う独自の視点から、人間にとって 『 真実 』 とは何か、を追求し、数々の作品を生み出した松本清張氏の業績を記念して設立された文学賞。
日本文学振興会が主催し、プロ・アマを問わない一般公募方式となっている。
『 広義の推理小説 又は、歴史・時代小説 』 が対象となっていたが、第11回より、応募規程が変わり、対象は 『 ジャンルを問わない良質のエンターテインメント 』 となり、応募規定変更とともに、選考委員も一新された。

【 松本清張 】 1909年 ~ 1992年
本名は、『 松本 清張 (-きよはる) 』といい、動機を重視する 『 社会派推理小説 』 と呼ばれる作品を多く発表した。
時刻表のトリックを使った長編推理小説 『 点と線 』 が、爆発的な売れ行きを示し、『 清張ブーム 』 と呼ばれる現象にまでなった。

■ 日本推理作家協会賞 ■ 旧名称 : 日本探偵作家クラブ賞

1947年、日本探偵作家クラブ設立時に 『 日本探偵作家クラブ賞 』 の授賞を開始。
第1~8回までは 『 探偵作家クラブ賞 』、第9~15回までは 『 日本探偵作家クラブ賞 』 と呼ばれていた。
1963年の同クラブの改名時に 『 日本推理作家協会賞 』 と改称。
第1回から第4回までは、部門別になっており、第5回からは統一されたが、第29回以降、長編賞・短編賞・評論その他、の3部門に分かれ、各部門ごとに雑誌・単稿本で発表された優れた作品に対して授賞を行うようになった。
その年の最も優れたミステリー小説に与えられるが、候補作の選定は非公募で、発表は5月末となっている。
同じ作家が同じ賞を再受賞することはなく、作品にというよりは、作家自体に贈られるようだ。

【 日本推理作家協会 ( 社団法人 ) 】
終戦後、江戸川乱歩は自分を訪ねてくる探偵小説関係者達が増えたため、皆が一同に会する場を提供したいとの思いから、会合の場を設けたのがきっかけ。
記念すべき第一回目は、1946年 (昭和21年)。
開かれる曜日から 『 土曜会 』 と命名され、以後、探偵作家達の親睦会として月に一回の割合で開催される事になる。
「 単なる会合ではなく、きちんとした会をつくりたい 」 との事で、1947年(昭和22年)6月21日、日本探偵作家クラブが発足した。
創設時の会員数は103名、初代会長には、江戸川乱歩氏が就任。
その後、寄付金を受け取っても半分近くが税金となる事に気づき、1963年1月31日、文部省から認可を受けて 『 社団法人・日本推理作家協会 』 へと変わる。

■ 本格ミステリ大賞 ■

本格ミステリ作家クラブで候補作品を選出し、全候補作を読んだクラブ会員の投票によって大賞作品を決定。
会員のアンケートを集計し、予選委員が候補作5作を1月末に選定し、会員は、候補作を全て読んだ上で選評を付けて投票する。
公開開票にて、5月中旬に大賞決定し、授賞式は6月中旬で、会員の選評は、『 GIALLO ( 光文社 ) 』 に掲載。

【 本格ミステリ作家クラブ 設立宣言 】
江戸川乱歩や横溝正史の尽力で日本に移植された本格ミステリは、第二次大戦後の時代に大きく飛躍した。
さらに1987年の綾辻行人のデビュー以降、未曾有のジャンル的繁栄をとげつつあることは周知の通りである。
だがこのムーヴメントを支えてきた作家の多くは、広範な支持を受けたことに甘んじることなく、さらなるジャンルの発展を望んでいる。
そのための第一歩として今、本格ミステリ大賞を創設し、年間の最優秀作品を表彰することにした。
文学賞が乱立する中においても、本格ミステリとしての評価を第一義とした賞の制定には大きな意味があると信じる。
そしてこの賞を運営するために、多くの助力、賛同を得て、我々は結集した。
我々はここに、本格ミステリ作家クラブの設立を宣言する。

■ 日本ミステリー文学大賞 ・ 新人賞 ■

日本ミステリー文学大賞は、わが国のミステリー文学の発展に著しく寄与した作家および評論家に贈られます。
新人賞は、広義のミステリーで、自作未発表の小説におくられます。
光文シエラザード文化財団 が主催し、『 小説宝石 』 12月号誌上に選評を掲載。

■ このミステリーがすごい!大賞 ■

株式会社宝島社・三菱商事株式会社・日本電気株式会社の三社で創設。
読者参加型のインターネット・ノベルス・コンテストで、読者参加というネット最大のメリットを活かし、面白い作品・新しい才能を発掘・育成する新しいシステムを構築する。
ミステリ-&エンタ-テインメントの分野で渾身の一作を世に問いたいという人や、自分の作品に関して書評家・編集者からアドバイスを受けてみたいという人を、インタ-ネットを通して読者・書評家・編集者と結びつける。
対象作品はエンターテインメントを第一義の目的とした広義のミステリー。
『 このミステリーがすごい!』 エントリー作品に準拠、ホラー的要素の強い小説やSF的設定を持つ小説でも、斬新な発想や社会性および現代性に富んだ作品であればよい。
また時代小説であっても、冒険小説的興味を多分に含んだ作品であれば、その設定は問わない。
1次選考通過作品の冒頭部分を選考委員の評とともにインターネット上で公開し、通過作品に関して、読者が読みたいと思う作品に投票を行ない、その後、選考過程もインターネット上で公開する。

■ 日本ホラー小説大賞 ■

選考対象は、広義のホラー小説、自作未発表作品。
角川書店とフジテレビジョンが主催し、恐怖を通して人間の光と影を描こうとしている書き手のために平成6年より設立。
第2回より長編・短編と区分けられ、大賞作品は長編短編すべてを合わせた中から選出され、過去には長編からも短編からも大賞が出ているが、その選考は意外と厳しく該当作なしの年が多い。

■ メフィスト賞 ■

ジャンルは一応 『 ミステリー 』 となっているが、あまりこだわりはみられず、面白ければよく、枚数制限も原稿用紙換算350枚以上であれば、上限はなく、賞金もなく、授賞式も、〆切もない。
講談社への投稿作から編集者が社内選考だけで、受賞作を決める事になっており、賞 という形式をとった出版社への作品持ち込み。
受賞者には 『 メフィスト賞 』 という名誉のみが与えられ、その作品は講談社発行の雑誌 『 メフィスト 』 に掲載される。

【 京極夏彦氏 と メフィスト賞 】
京極夏彦氏は当時、枚数制限のない新人賞が無かった為、『 姑護鳥の夏 』 という作品を直接持ち込んだ。
その持ち込まれた作品を読んだ出版社は、この作品の出版を決定。
そういう経緯から、出版社への持ち込みをそのまま賞にしてしまったにがメフィスト賞。

■ 大藪春彦賞 ■

作家・大藪春彦氏の業績を記念し、その物語世界を引き継ぐ新進気鋭の作家及び作品に送られる。
大藪春彦賞選考委員会が主催し、徳間書店が後援する文学賞で、具体的には ハードボイルド小説・冒険小説に分類される小説が対象。

【 大藪春彦 】 1935年 ~ 1996年
1958年 ( 大学在学中 ) に 『 野獣死すべし 』 でデビューし、過激なアクション、銃、車の描写など日本のハードボイルド史上に残る作家。

■ 日本冒険小説協会大賞 ■

大賞の対象となる作品は、前年12月1日から、その年の12月31日までに出版された、新刊に限る。
大賞は原則として、日本と海外から各1冊ずつ会員の投票で決定される非公募の文学賞で、発表は全国総会の席上で行う。
※ 当HPでは、国内作品のみ掲載しております。

【 日本冒険小説協会 JAFA : Japan Adventure Fiction Association 】
1981年に内藤陳が設立した協会で、良質の冒険小説、ハードボイルド並びに男の想いを描いた小説を愛する方ならば、どなたでも入会する事が出来ます。
入会するには、郵便振替にて会費 月 500円 納入する必要アリ。

■ 三島由紀夫賞 ■

昭和とともに歩んだ作家、三島由紀夫の功績を記念して制定。
選考の対象は、小説、評論、詩歌、戯曲とし、文学の前途を拓く新鋭の作品一篇に授賞。
財団法人・新潮文芸振興会 ( 新潮社 )が主催。

【 三島由紀夫 】 1925年 ~ 1970年
本名は 『 平岡 公威 ( ひらおか きみたけ ) 』 といい、唯美的な作風で知られる。
代表作は 『 仮面の告白 』 『 金閣寺 』 『 潮騒 』、戯曲に 『 サド侯爵夫人 』 『 わが友ヒットラー 』 『 近代能楽集 』 など。

■ 泉鏡花文学賞 ■

石川県金沢市が、豊かな心をはぐくむ文芸の復興を通じ、市民文化の向上と地方文化の振興を期待し、昭和48年に泉鏡花 生誕100年を記念し、泉鏡花文学賞 ( 全国対象 ) 及び、泉鏡花記念金沢市民文学賞 ( 金沢市在住及び、勤務・通勤者限定 ) を制定。
市内文学関係者等による 泉鏡花文学賞推薦委員の推薦作品と、県内の文学関係者及び 全国の作家、文芸評論家等およそ250人の泉鏡花文学賞推薦人のアンケートを参考に、候補作品数編を選び、泉鏡花文学賞選考委員が決定する。
毎年8月1日を基準日とし、刊行された小説、戯曲等の文芸作品 ( 単行本に限る ) で、泉鏡花の文学の世界に通ずるロマンの薫り高い作品が対象。

【 泉鏡花 】 1873年 ~ 1939年
本名は、『 泉 鏡太郎 』 といい、江戸戯作者の流れを汲み、世話物と幻想的な作風で知られる文豪。

■ 川端康成賞 ■

故川端康成氏の残された偉大な業績を長く後世に伝えるために、昭和四十七年に設立された財団法人・川端康成記念会の事業の一環で、本賞、賞金等は故人の受けた 「 ノーベル文学賞賞金 」 を基金としています。
審査の対象は短篇小説とし、その年度における最も完成度の高い作品に授賞します。受賞作および選評は 「 新潮 」 に掲載します。
〔 主催 : 川端康成記念会 / 後援 : 新潮社 〕
※ 当HPでは、平成12年、故川端康成氏の生誕101年を機に開始された 『 第二期 』 以降から 記載。

【 川端康成 】 1899年6月14日 ~ 1972年4月16日 ,大阪市北区此花町生れ ,東京帝国大学国文学科卒
菊池寛に認められて文壇入りし、横光利一らと共に 『 文藝時代 』 を創刊。
新感覚派の代表として活躍し、『 伊豆の踊子 』 『 雪国 』 『 千羽鶴 』 『 古都 』 など日本の美を表現した作品を発表し、1968年に日本人初のノーベル文学賞を受賞した。

■ 芥川龍之介賞 ■

大正から昭和のはじめにかけて活躍した作家・芥川龍之介の名を記念して、菊池寛の発案により直木賞と同時に1935年(昭和10年)に制定された。
新聞・雑誌・単行本等として発表された純文学作品中最も優秀なものに呈する文学賞。
非応募方式で、無名・新進・中堅作家が対象で、授賞は年2回。
・ 上期 ( 12/1~5/31の公表作品 ) は7月中旬に選考会、8月中旬に贈呈式で、 『 文藝春秋 』 9月号に掲載。
・ 下期 ( 6/1~11/30の公表作品 ) は1月中旬に選考会、2月中旬贈呈式で、 『 文藝春秋 』 3月号に掲載。
直木賞同様、当初の運営は文藝春秋社が担っていたが、第6回から、財団法人日本文学振興会が受け継ぎ、現在に至る。

【 芥川龍之介 】 1892年 ~ 1927年
『 芥川龍之介 』 というのは本名で、辰年・辰月・辰日・辰の刻に生まれたことで、『 龍之介 』 と命名されたと言われている。
東京帝国大学在学中、久米正雄や菊池寛などと共に同人誌 『 新思潮 』 を刊行し、翌年 『 羅生門 』 を発表。
その後、 『 鼻 』 で夏目漱石に認められ、文壇に入ることになる。
作品の多くは短編で、『 今昔物語 』 『 宇治拾遺物語 』 といった古典から題材をとったものも多い。
1927年7月24日、田端の自室で服毒自殺をしたのだが、遺書として妻文に宛てた手紙、菊池寛、小穴隆一に宛てた手紙があり、自殺の動機については 『 僕の将来に対する唯ぼんやりとした不安 』 と記している。

■ 本屋大賞 ■

『 本屋大賞 』 は、新刊書の書店 ( オンライン書店も含む ) で働く書店員の投票で決定するもので、過去一年の間、書店員自身が自分で読んで 「 面白かった 」 「 お客様にも薦めたい 」 「 自分の店で売りたい 」 と思った本を選び投票。
また 『 発掘部門 』 も設け、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選ぶ。
書店員有志で組織する本屋大賞実行委員会が運営し、『 本の雑誌 』 及び 『 WEB本の雑誌 』 は、この活動に対して全面的に協力している。
本が売れない時代と言われ、出版市場は年々縮小傾向にある状況の中で、商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、しいては出版業界を現場から盛り上げていけないかと考え、同賞は発案された。

※ 当HPでは、大賞作品だけでなく、ノミネート作品を含む 上位10作品までを ランキング形式で紹介しております。


※ 以下、終了したもの

■ サントリーミステリー大賞 ■ ※ 2003年 終了

サントリー、文芸春秋、朝日放送が主催で、ミステリー界の新しい才能発掘の場として、1981年創設。
『 大賞 』 と 『 読者賞 』 に分かれており、『 大賞 』 は作家でつくる選考委員会が、『 読者賞 』 は公募で選ばれた選考委員50名が選ぶ。
選考対象作品は 『 広い意味でのミステリー小説 』 で、日本語で書かれた未発表の作品。
この賞は 「 社会的成果を出したので一区切りをつけたい 」 として第20回 ( 2003 ) で終了。

■ 日本推理サスペンス大賞 ■ ※ 1994年 終了

1988年、日本テレビ主催、新潮社協力のもと創設
第7回を迎えた時点で、日本テレビが降りた事により短い歴史に幕を降ろす。
その後、同賞の主催元であった新潮社が、その志を継ぐべく 『 新潮ミステリー倶楽部賞 』 を設立。

■ 新潮ミステリー倶楽部賞 ■ ※ 2000年 終了

新潮社が主催した公募の長編ミステリーの新人賞で、1995年に前身でもある 『 日本推理サスペンス大賞 』 を引き継ぐかたちでスタートし、5回で終了。

■ ホラーサスペンス大賞 ■

プロ・アマ問わず自作未発表の、日本語で書かれた ホラー性およびサスペンス性に富んだ長編小説が対象。
新潮社、幻冬社、テレビ朝日が主催し、大賞・特別賞の作品は、新潮社と幻冬舎が毎年交替して出版する。
終わってしまった 『 新潮ミステリー倶楽部賞 』 の受け皿的な意味合いを持つ。


※ なお、上記説明は、2006年1月現在の資料を元に記述していますので、以降の変更等につきましては、反映されておりません。


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