履歴と感想 : つ

 読書履歴 と 読後感想 ( ※ 作品の記載順と出版順は必ずしも一致していません )

【 つ 】

司城志郎
・ 存在の果てしなき幻 ・・・・・ ★☆☆☆☆
存在の果てしなき幻
9歳の娘が事故に遭ったと知らせを聞いて、病院へ行くが、娘は入院しておらず、家に帰ると、妻もいなければ、犬もいない。
会社に行くと、事務所は何もなく、誰もいない。
混乱する主人公、麻宮達彦、42歳・・・。
─── 出版社の内容紹介等から引用 ───

突然、ひとりになって、自分の置かれている状況が理解できず、主人公が追い込まれていく様子は、緊迫していて面白かったんですが、そうなったわけが明かされるあたりから、勢いがなってしまった様に思います。
そもそも、この一連の原因となった人物については、意外と早い段階から想像がつくのですが、その理由付けに、イマイチ説得力がないというか・・・。
重要な鍵を握っていた人物についてもしかりです。

筒井康隆
・ 笑うな ・・・・・ ★★★☆☆
笑うな
楽しく読めました。
ショートショートで沢山の話が入っていますので、おもちゃ箱の様な本でしょうか…。
良く出来たおもちゃや、バカバカしいおもちゃ。
わかりやすいおもちゃや、わかりにくいおもちゃ。
ほんと、色々なおもちゃが入っていました。
正直言って、全てがいいとは言えませんが、そうでないものがはいっていることも含めて、おもちゃ箱としておきます。
どれか1つ気に入ったおもちゃを選べと言われたら…。
『 産気 』を選んでおきます。
最後のオチをどこでつけるのかと思ってたら、あんなシャレとは・・・。
小噺みたいなオチに、◎
・ 家族八景 ・・・・・ ★★★★☆
家族八景
なかなか良かったです。
他人の心を読む力を持つ主人公が、家政婦として働く過程において、その家の住人達の心の中をのぞいてしまうお話です。
家政婦というと、「おや…まぁ…」の某有名女優を頭に浮かべますが、主人公は19歳の小柄な女性です。
連作短編形式になってまして、題名からもわかりますが、順に8家族でてきます。
本自体もそれ程分厚くなく、連作短編ということもあって、読みやすい作品となっております。
元々、筒井さんの文体は読みやすい様に思いますので、なおのことです。
主人公が心をのぞいたところ、各自がもつ、人間のいやな部分が次から次に出てきます。
表面上は奇麗事並べ立てていても、本心は悪態ついていたり・・・。
初めは、「よくこんな変な家ばっかり行かさせる子やなぁ」って思いながら読んでいたんですが、読み終わってみると、この本に出てくる家庭は程度としてはかなり極端ではありますが、特異な家庭とは言えない部分もあります。
(本当に、かなり極端ですけど…)
私自身にもあてはまるところが、所々あったりして・・・。
この本は面白かったですが、ややブルーになります。
・ 七瀬ふたたび ・・・・・ ★★★☆☆
七瀬ふたたび
大変面白かったです。
これは、『 家族八景 』 の続編なのですが、主人公が家政婦の仕事をやめているので、雰囲気はかなり違っています。
主人公以外の超能力者も出てくるせいもあって、前作に比べますと、超能力に対して、かなり突っ込んだ話しが展開されますので、SF的な色合いが、より強くなっています。
主人公以外の超能力者にも、普通の人同様、『善・悪』 いまして、主人公と行動を共にする者もいれば、敵対する者もいます。
敵対といえば、正体不明の組織に狙われますので、サスペンスとしての要素も兼ね備えております。
例外もいるのですが、登場する男共は前作同様、エロ妄想野郎 だらけです。
私も男なんで、そりゃ、考えもしますけど、それにしても、『頭の中にはそれしか無いんかいな!』って突っ込みたくなりました。
(今回も、かなり頭の中で裸にされてます)
未読の方もいらっしゃるので、詳しくは書けませんが、クライマックスは、悲 しすぎます。
正体不明の組織が出てきたあたりから、そうなるのは、なんとなく想像しましたが、実際そうなると…。
この本は面白かったですけど、前作とは違った意味で、ブルーになりました。




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