オペラの道 特別版02


と感じたのかだったよね。
もちろん直観が第一だが、いくつもそれが正しいのではないか
と示唆する事実がある。
それは、、、

カルメンは、

◆言動から過去に地位や名誉、お金に惹かれて誰かを
好きになったことはないと推定される。
誉れ高い闘牛士だからといってエスカミーリョに
惹かれたと思いにくい。

◆また同様に過去に自分に言い寄ってくる男を
好きになったことはない。
ホセに対しても、最初は自分に興味を示さないホセをからかった
ところから始まっている。
逆にエスカミーリョは言い寄ってきた典型のひとりと言える。

◆ホセが獄中にいる間、さまざまな人間から誘惑されたと思われるが、
なびいた様子は一切ない。カルメンは好きになったら一途と思われる。

◆ホセを自分から悪い仲間に引き入れようとはせず、
仲間に誘い入れようと周りが言ったとき、彼女は抵抗を示している。
(もちろん最後に仲間に引き入れたのはカルメンなのだが。。。)

◆ミカエラの説得にもかかわらず帰らないとムキになるホセに、
あなたにはこの生活は合わないと言っている。
嫌いなら他の言い方をするはずだ。
(結局母が危篤と聞いてホセは郷に帰る)
カルメンはどうやら彼の本質を見抜き、今のままでいることは
ホセにとって不幸だ、と考えていたのでは?
(婚約者のミカエラがいることを知ってカルメンは逆上し、
エスカミーリョに乗り換えたとする説明を見かけるが、
カルメンに言い寄っていたホセの上司が、獄中のホセを想い、
全く自分になびかないカルメンに業を煮やして
ホセには婚約者がいることを早くに話していた、
と考えたほうが自然だ)

◆自由を奪われることが、もっとも嫌いなことだった。
超有名人であったエスカミーリョと付き合うことは、
そのもっとも嫌いな生活なのは明らかだ。

◆ホセが郷に帰った後、トランプで何度もホセと自分とのことを占っている。
乗り換えたのなら、なぜそんなことをしたのか。

◆たかが伍長であったドン・ホセが、出獄後にすぐ買えた指輪、
とても高価とは思えない指輪を、エスカミーリョに乗り換えたように見え、
結果的にホセに殺されてしまう直前まで指にはめていた。
盗賊生活のなかでもっと良いものは得ていただろうし、
とっくに、エスカミーリョからもっと高価なものをもらっていても
おかしくないのに。。。
よほどホセからもらった指輪を大切にしていた、
と考えたほうが自然だ。

ホセを裏切ったというか、ホセに醒めてしまい、エスカミーリョに乗り換えた
とする説明は、そのように見える、
という点では正しいと言える。

しかし、こう考えたほうがあちきのこころにフィットするのだ。

ホセを愛していたカルメン。
その愛する男を堕落させてしまった自分を呪い、
たまたま言い寄ってきたエスカミーリョに
乗り換えたように振舞った。
そうしてホセが離れてくれれば良し、さもなければ愛するホセに殺されよう、と。
カルメンは彼女なりに最期までホセを愛していたのだ、と。

人はそう単純ではないし、
オペラって荒唐無稽なものも多いが、
こんなふうに、あーかも、こーかも、
などと考えられるのもおもしろさのひとつかもしれない^^

特別版おしまい^^

★★


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