だいちゃんと愉快な仲間たち

2017.04.11
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あれから半年が過ぎ、パパと過ごした日々が、少しずつ遠くなり、
侘しい日々が続く中、王子は一番頑張ってる。

数年前まで、パパは、ママが仕事していて寂しい思いをさせて
王子かわいそう・・って言ってたけど、何がかわいそうなのか、
よく理解できなかった。

でも今はかわいそうと思う。

この彼の人生は、私が望んでいたものとは大きく違う。

母子家庭で育って、ご立派な人間になるより、(ならないけど)
普通の家庭で育って、どうしようもなくダメな人間になってくれるほうがよかった。

入学式の日だって、この新入生たちはみんな、何の疑いもなく
この学校で数年間を過ごすと思っているのに、王子だけは、
学費の心配やら、ずっといられるかどうかという不安を抱えてるし、
学費の騒ぎで、多少なりとも六年間大好きで通っていた学校に対して
裏切られた感をもってる。

学校のプールがなくなっちゃったときも

「しょせん、金だろ?」

っと王子はいってた。

まぁ、所詮、金ですな。ただ、この学校を選んだのは、世の中は所詮、
金だよ・・っという教育をしたかったわけではないんだけど・・。
でもあの事務員の態度は、金のないやつお断り・・・だったんだよね・・。

12年間通しての教育・・っていう学校の方針はただの建前で、
「12年間、お金を用意できる人間への教育」ってことだったのか・・・。
と王子と話していた。

こんな思いまでして、生きなきゃいけないんだろうかとか、
やっぱりパパが死んだときに一緒に死ねばよかった・・とか、
何がいいことなのか、何が間違っているのか、
そもそも六年前の選択に間違えがあったのか、
それともパパが死んだときに、さっさとどこか遠くに行けばよかったのか、とか
あの事務員は、おまえの稼ぎが悪い・・っと言っているのか・・とか、
じゃあ夜のバイトをしろって意味なのか・・とか、
考えれば考えるほどわからなくなってた。

王子は、ベランダで野菜を育てて売ろう・・などなど、一生懸命アイデアを
だしていたけど、私のことは全然頼りにならないと知っているので、自分が直接
校長先生と話すといいだした。

あの千載一遇のチャンスが到来しなければ、無事に学校に通えてなかったかも
しれない・・・。

王子の一方のおばあちゃんは、金よこせ、だったし、もう一方のおばあちゃんは、
お金をあげるから、おばあちゃんを好きになってね・・って感じだったし、
王子じゃなくても、お金のない世界で生きていきたくなるよ。

この手のお金がらみのいざこざは、今後も発生することが予測される。
来年、また、あの事務員に同じことを言いにいかないといけないわけだし。

某山中の限界集落で、生まれてこの方、お金をみたことがないという
おばあさんの話を聞いた。
この世にそんなうらやましい人がいるのかと、ちょっと感動した。


神様は、必要なものはすべて備えられるというけど、それなら、
パパは、私たちにはもう不要だから、つれて行かれちゃったってことなのかな。
そう考えると、とても寂しくなる。






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最終更新日  2017.04.11 15:40:04


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