GOlaW(裏口)

2006/03/16
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カテゴリ: 西遊記
──仔を産む!?
 突然の事態に、彼は戸惑った。自分は男である事、不自然の生、それから…。

 “異端としての宿命”を、生まれ来る命に背負わせる事に。


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 『展開へのツッコミ』第三弾、“受動的な三蔵一行”についてpart2を始めます。
 前回、予想以上に長くなってしまったため、急遽ニ分割させていただきました。
 それでは八戒&三蔵の行動について突っ込ませていただきます。

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★3.八戒の妊娠
 …原著では『堕胎の水を探すドタバタ』がメインとなる、『八戒&三蔵妊娠話』。
 描かれた当時としては、『堕胎』が正しいのかも知れませんね。

『中国妖怪伝-怪しきものたちの系譜』 のP16-26をご参照ください。
 ここには世が乱れた象徴としての『凶兆』の例があります。その中には「女が男になる」というものもあるんです。その逆もまた、『世が乱れた象徴』となります。
 『凶兆』は絶対に避けねばなりません。それ故に、“男が女の役割をする”ことは何があっても避けねばならないことだったはずです。

 とはいえ(苦笑)、現代日本では『堕胎』の方が受け入れられません。
 それ故に八戒は本当に産んじゃうことになりました(笑)。

 ちなみに同じ『凶兆』として上げられるものには
“爪の無い豚が生まれる”、“豚が犬を産む”
があるそうです。さすがにそれは無かったようですね。


A.豚の妊娠

 さて、ここから先は八戒のキャラクター立てに関わることですが。
「豚を産んだ事に対する決意や葛藤の描写が何故無いっ(ツッコミ)」

 八戒の『天竺行きの動機』に関わり、彼のコンプレックスにも関わるのが『異端として生まれたこと』。
 彼が妊娠した時点で、その子供が“男から生まれた”、“豚である事”の二重苦を背負う事は予測できます。
 そのことについて、何らかの考えを見せて欲しかったです。
 その描写こそ、彼のキャラクターを深く掘り下げ、より魅力的に映すはずだったのですから。


B.傷心で中庭に

 ここで八戒もまた、別行動を取る事になります。
 やっぱりここで、彼にも虚勢の反動に傷つく姿が見たかったです。

 そしてここで彼が絡んで欲しかったのは『羅刹女』。
 たぶん、最初は思いっきり邪険に扱われるでしょうね。何しろ“一族をとっ捕まえた妖怪にして、臣民ですらない”わけですから。ついでに“豚”ですし(注:『第二話』での被差別より)。

 しかし、八戒は『腹孕の実』(←漢字は適当です)で母性に目覚めています。
 この設定をここで活かさずにいつ活かしますか(どキッパリ)!

 羅刹女に自分の迷い(あるいは覚悟)を話しつつ、『悟空の男性としての魅力』と『子供を信じ、守ること』をそれとなく伝えることもできたはず。
 それを『羅刹女の心の変化』に繋げれば良かったんです。


 『羅刹女の心の変化』は物語の展開において、最重要ポイントです。しかしその描写が全く無いため、物語自身がぐらついているのを感じます。
 母娘の語らいも、台詞そのものは良いんです。でも“それを支える背景が全く無い”のは辛いです。

 『羅刹女』の心の変化は、『凛凛の驚くほどの成長を目の辺りにする』などでももちろん良いんですけどね。
 やっぱり、『母性の八戒』にはもうちょっと頑張って欲しかったです。


C.第二話とのリンク

 凛凛との結婚を媚薬であっさり了承した悟空。
 でも本当は“もう少し理性を残して”欲しかったです(理由は 前回の記事 を参照)。

 そしてぐずっている悟空に対し、是非とも言ってほしかった台詞があります。それは、
「『好きな女なら、全てを許してやれ』、でしょ?」
 そう、是非とも『自分の啖呵による逆襲』を受けて欲しかったんですよ(笑)。多分、「うるせっ!」の一言で終わりでしょうけどね。

 第二話の台詞を返すことで、八戒と悟空のキャラの両方が際立ったと思います。折角の機会だったのに、と思うと残念です。

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★4.三蔵について

 『妖怪は天竺に入れない』という言葉に衝撃を受ける三蔵法師。
 だからこそ、そのことについてもう少し足掻いて欲しかったです。三人を引率するだけのカリスマの由来を魅せるチャンスだったのでは?
 後半に差し掛かった今ならば、そんな積極性と成長を見せても良かったと思います。

 情報源として分かっている凛凛に詰め寄ったり、女王の想いを揺さぶったり、陰謀を又聞きしてしまったり。
 物語の展開に関わることが、やはり三蔵にもできたはずです。


 余談ながら。
「私には、その資格はありません…」
と凹むシーンがありましたよね。
 “操られて凛凛を刺した”ならともかく、単に倒れていただけの三蔵に凹む理由はなかったと思うんですけど(汗)。
 沈んでいたはずなのに、一気にずっこけました(苦笑)。

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 折角の『宮廷陰謀劇』。三蔵一行にももっと活躍させてあげたかったです。

 残すのは、最終回とSP。
 最終回に掛けるスタッフの意気込み、そしてオリジナリティを出そうと頑張る気持ちが伝わってきます。
 できるなら、それが報われる出来になっていることを願います。





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Last updated  2006/03/19 02:56:12 PM


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