GOlaW(裏口)

2006/03/28
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カテゴリ: 西遊記
 キトキトの壷が、幻想と現代を繋ぐ。

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 スタッフ、キャスト、関係者の皆様、撮影6ヶ月&放送3ヶ月間、本当にお疲れ様でした。
 終わっちゃったんですよね。今から思うと…。


 って、過去形にするな、管理人(ツッコミ)。


 改めまして。
 映画化、おめでとうございます。

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「『メタメタ』だなぁ…」
 それが私の第一感想でした。
(注:『メタメタ』…TRPGゲーマーの一部で使われる造語。現実の事情と虚構が秩序無く入り混じる様を指す。
 『メタ・フィクション(多重虚構世界)』という言葉が元になっている)

「『実際の歴史とは違う世界』を強調するため、『龍がまだ空を~』というナレーションにした(公式設定)」
を無視して、現実の東京を出現させちゃったり。
 『悟空 in 台湾』を挿入しちゃったり、『巻物の中身』を完全に現実の視点にしちゃったり。

 人によっては『これはドラマの設定を借りた別物』ときっぱり切り捨てるかもしれませんね。
(特別編の破壊力について、私は『僕の生きる道』特別編の“宙吊り幽霊秀雄”で免疫がある)

 今回は『これまで脚本家が書き難そうだった八戒の出番救済』という側面もあった気がします(汗)。
(第九話程度の活躍なら、むしろ私の好み。しかし、他の回では空気のような扱いでしたからね…。遠い目)

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 ただ二つだけ、突っ込ませてくださいね。 

 一つ目。悟浄の手紙にあったこの一言に、まず噴きました。
「竜宮で、高校の教師をしている(by悟浄)」

「『ルナル・サーガ』ですか、このドラマはっ!(全力ツッコミ)」
(注:『ルナル・サーガ』…文明レベルが中世のファンタジー小説。神々の干渉により、教育や政治・医療に関するものだけ近代思想が流入している)

 確かに中国は古くから官僚社会でした。 『中国妖怪伝-怪しきものたちの系譜』 のP132~を参考に。
 『科挙の試験に通り、官吏になるのが人生の全て』という考え方が、その当時から支配的だったんです。そして、その試験会場は妖怪物語をたくさん生み出しています。
 しかし、こういった試験をパスするには、子供の頃から経書の暗記や作文に勤めねばなりません。必然的に裕福な家庭で育った一握りの人間しか受ける事ができず、しかも合格率もかなり低いんです。

 そんな世界において、高等な学問を教える学校はまず成り立たないと思うんですよね。
 …妙なところで、現代日本の文明を入れないでくださいよ(凹)。

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 そして二つ目。
 総集編シーン、多すぎです(『時の国』、最終回の回想シーン、SP本編、SPのエンディング)。
 八恵と視聴者の気持ちは、かなりシンクロしていたと思われます(遠い目)。

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 台湾映像について。
 ドラマ『西遊記』のファンとしては「おい。ちょっと待てや、こら」と思いましたね(SMAPのDVD試写会なんて、ドラマに関係ないですし)。
 でも香取君のファンとしては、かなり美味しい映像だったのは素直に認めます(…バイリンガル・フェチの血が騒いだ…)。

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 映画化について。
 ごめんなさい、この文字を見たときの私の感想は
『正気か、フジテレビ!?』
『連続ドラマじゃなくって良かった…』
の二つでした(スタッフ様、キャスト様、申し訳ありません。陳謝)。

 このドラマのどこがダメだったか、50近い記事の中で語り尽くしてるんですけど(汗)。
 何より、
『フジテレビの脚本スタッフだけだった為に、ノウハウ無しから始めてしまった』
『連続ドラマのスケジュールに詰め込んだ為に、プロットがずたぼろだった』
『“子供向け”を“子供騙し”に。ファンタジーを“絵空事”と曲解している節があった』
の三つが大きいと思うんですよ(頭痛)。

 映画化に向けてそれらを解消するには、
『脚本会議に幅広い創作者を召喚し、風穴を開ける』
『プロットを練る時間をたっぷり取れ』
が最良だと思われます。

 個人的には『F.E.A.R』社の矢野俊策さん(←プロットの組み方、複線の張り方と回収、全体的なバランス感覚、そしてキャラ暴走に対するツッコミに卓越したゲーム作家さん。代表作として 『ダブルクロス・リプレイ オリジン』 シリーズ)、ヨビさん(筋金入りの妖怪オタク。 『異能使い』リプレイ では悟空と同じ立場の妖怪キャラクターを見事に演じきった)を喚んで欲しいと思います。
 この二人の得意とするものが、このドラマでは致命的に欠けていたと思うんです。
 また、映画化なら『グループSNE』の友野詳さん(←特撮に魂を売ったゲーム作家&小説家。特撮的なスペクタクルに満ちた話を作るのが得意)も喚んで欲しいです。

 少なくともTRPG畑の方ならば、『背景世界や人物設定の魅せ方』や“キャンペーン(連続した話)展開として、どこを補強しておかなくてはいけないか”という感覚は研ぎ澄まされています。 
 スタッフはツッコミと膿出しの両方を受けておいた方がいいんじゃないでしょうか。


 …………おかしい。映画化を祝福するはずが、気がつくとダメ出ししてるよ、自分(乾いた笑)。

 いずれにしても、楽しみにしています。スタッフ様、頑張ってください。

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 映画化に合わせて、是非『プレ・ストーリー』もお願いしたいです。

 悟浄や八戒の設定は、すっごくイマジネーションを刺激します。
『三蔵と出会う前の絶望、出会ってからの変化、そして旅立ちを決意するシーン』
を、この二人に関して是非観てみたいです。

 八戒は
“三蔵と悟浄が故郷に立ち寄った時点で、何かトラブルに巻き込まれた。
 そしてそれを解決する為に『鉄把(てつは)』を手に取り、その過程で使命に目覚めた”
という感じなのかと思います。
 悟浄は
“『過去に手を掛けた人間達が現れる悪夢』に毎夜襲われ、肉体的・精神的にもずたぼろになっている悟浄。
 だが、戯れに関わった三蔵の想いに触れ、『金魚との別れ』で空白になっていた心に何かが芽生える”
という感じかな。昔の擦れまくった映像も観たい!


 悟空にしても、過去の補完が欲しいんです。
 『人の心を持っていない』という設定でありながら、『人の心について説教する』という矛盾の解消のためです。
 この辺りの理由付けは、むしろ脚本スタッフの責務であると思います(←そこまで言うか、自分)。
 恐らく三蔵と出逢って間もない頃(花果山と『火の国』の間)の出来事が影響してるのかな。


 そうしてキャラクターを深く掘り下げる事で、視聴者の愛着度もあがります。そして、よりしっかりと物語に浸ることもできるようになるはずです。

 …これらのエピソードが映像化されなかったら、自力で小説にしてしまいそうな自分がいます。そしてそんな自分が怖いです(←かって、同じ動機から『フードファイト』(日テレ系)の井原満の過去を小説化したことがある)。

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 本当に、三ヶ月間楽しかったです。
 それでは、総括とこの三ヶ月間の感想は次の記事に譲ることにしましょう。





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Last updated  2006/03/28 10:00:50 PM


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