GOlaW(裏口)

2007/06/12
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カテゴリ: 西遊記
 偽りを繰りて、真実を暴け。
 虚構を生みて、事実を描け。


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 『西遊戯』の濃さは置いておくことにしましょう。
 偽物の登場、という点において、二つ大切なことがあります。

 つまり、『偽物を作中でどう扱うか』、『偽物が何故、発生したか』の二点です。

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 『偽物ご一行』という黄金パターンを、『西遊記』に絡めることを考えます。
 これは『友情』という主題にも、とても相性が良かったりするんですよ。

 『偽物ご一行』といえば、『事態を引っ掻き回したり』、『騙りによる悪事』というのが王道ですよね。
 それらとは違う視点から見ると、以下の二つのパターンが浮かび上がります。

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A.『偽物の、妥協と計算による関係性の破綻』

 “偽者が極悪人である”ことが前提です。

 これは前述の、『騙りによる悪事』と組み合わされるパターンです。
 普段は仲が悪い本物一行に対になるのは、ビジネスライクの偽物一行ですね。
 この場合は、衣装や雰囲気もかなり本物に近くなるでしょう(偽者の仮面ライダーはマフラーの色以外は一緒、という奴ですね)。

 究極の逆境(水攻めの罠を発動させた、餓死寸前まで閉じ込められた)などに二組を放り込み、その時の反応で『真の友情とは?』と投げ掛けるべきでしょうね。

 偽物の、打算と欲望だけの関係性の破綻。
 本物の、心の奥底にある友情。
 これを対にすることで、互いがより引き立ちます。

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B.『偽物、本物を頼る』

 “偽者に愛嬌がある、もしくは情状酌量の余地がある”ことが前提です。
 偽物が小悪党&無能であるほど、面白みが増すでしょう。
 偽物衣装も、ピントが外れた(←あるいは突貫工事と手抜きが分かる)間抜けな感じが面白いと思います。

“悪ふざけと自信過剰(もしくは、極限までの金欠)の為に偽者を名乗る偽者達。
 だが、思ったよりも最悪の事態に巻き込まれ、逃げる暇も無く自滅寸前へ。
 そこで仲間の為になりふり構わず、本物に頼る”

 つまり、『友情のためならば、見得も保身も全てを捨てられる』ということを描けるのです。

 このパターンを使う場合、『本物の友情エピソードを食わない』ようにするのが大切です。
 『第六話 森の国』の、ニの轍を踏まないように(遠い目)。

 脇役の活躍は、主役の活躍の伏線となるように描くべき。
 これは物語作りの鉄則です。

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 ちなみにBのパターンに関しては、真偽を入れ替えて描くことも可能です。
 つまり、本物がピンチになって偽者を頼るという展開ですね。

 ただしその場合、ピンチを乗り越えた後で、真偽の立場を再び入れ替えることが必要です。
 また、視聴者の溜飲が下がるような、偽者側のカタルシス(破滅)を描くことも必要になります。
 物語を作る難易度がかなり高くなるので、はっきり言ってオススメできません。

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 これらの『偽者を描く黄金パターン』2点。偽者がここまで濃くなかったら、見てみたかったものです(苦笑)。 
 うーん、27hrTVの中で、Bパターンは行なわれるかもしれませんね。

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 ここで留意して欲しいことは、
『偽者が現われる→本物の噂が、利用価値があるほどに広まっている』
という事実です。

 特に今回の場合、『滅法国』の刺客とは関係が無いことも併せて考えるべきでしょう。



1.『滅法国』関係者からの情報で三蔵たちの様相や功績を知った場合

 これはまずありえないと思われます。

 時系列として映画版の時点では、『滅法国』側から指名手配を受けている状態です。
 彼らからの追っ手を掻い潜りつつ、『滅法国の仇』をかたること。それはつまり、『滅法国』への反逆とも捉えかねません。
 『滅法国』を知っていれば、それを敵に回す恐ろしさも知っているでしょう。
 そんな自殺行為をするほどの勇気があるでしょうか?



2.妖怪同士の噂から三蔵達を知った場合

 これも、1とほぼ同じ理由でありえません。
 偽三蔵が他の妖怪からも狙われることになります。そんな危険なことを、彼女は引き受けるでしょうか?



3.行商人や旅人達からの噂

 これはありえるでしょうね。

 三蔵達の足は、行商人達よりも遅いと思われます。
 以前、脚本スタッフが雑誌に答えていた内容では、『旅費は、行く先々の托鉢や簡単なバイトで稼いでいる』とのこと。
 それに加え、事件や怪我などで足止めを食らうことも多いでしょう。
 その間に行商人達が先行し、噂を流したと考えるのが良いかと。

 行商人達は、自分達の身を守るため、仲間同士で道中の安全情報などを交換します。そのネットワークに乗れば、かなりの速度で情報が広まったのでは。
 私はそう類推します。



4.虎の国内での噂より

 これも確率的に高いかな?
 “本物一行が、懸賞金付きの妖怪を倒した”と聞き、横取りしようと偽物が現われた…のかも。

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 7/13には、『ぼくらの音楽3』でも『西遊記』特集が行なわれます。
 こちらもすごく楽しみです!





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Last updated  2007/06/18 10:05:12 PM


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