GOlaW(裏口)

2008/03/01
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 嘘を付く。
 大切な人を、失わないためだけに――。


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 申し訳ありません、お待たせしました。
 第六話・第七話の感想を書かせていただきます。

 今回はやはり、
『院長、手段がえげつない』
『英治、雫の父親じゃなかったの?!』
の二点でしょうか、やはり。

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◆第七話 『英治、父親でない説』

 『第二話』のころにはすでに予測していたレビューサイトもいくつかあったのですが、私は「まさかなぁ…」と思っていました。
 ……教訓。野島真司先生をなめてはいけない。
 私の予想の斜め上を行きます、ほんとに。

 とはいえ、ちゃんと『英治がビデオレターの相手ではない』というのは、ちゃんと第一話の時点で伏線が張ってありました。
 つまり、
“一話冒頭の『薔薇を持って、出産のタイミングに駆けつける英治』のシーン”
“院長の、『一度足りとも訪ねなかった』という言葉”
の矛盾です。
 この矛盾から、『英治≠父親』の式が導かれるわけですね。

 だとしたら、雫の父親と同じく彼に潜む凶暴なものはなんなのでしょうか。
 彼が彼女の言葉で救われ、その言葉を人生の指針としたのは間違いないでしょう。彼女を好きだったことも。
 彼女が命がけで出産したことが、『彼の棘を抜いた』のも間違いないのでしょう。
 だとしたら――。

 私の頭の中に最初に過ったのは(以下、悲惨な予想なので反転  英治が彼女を自分のものにするために殺してしまい、しらじらしく彼女の近くにいた。しかし、彼女が亡くなったことで後悔。彼女の面影を求めて雫を略奪 )という悲壮なものだったのですが…。
 もし本当だったら報われなさすぎるので、さすがにこれはないな、うん。

 ただ、本当の父親がその時には死んでいたり、服役してたりする可能性は否めないかな。
 英治は、雫の父親の事実がばれることを恐れて逃げているような気がします。

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◆ 第七話、院長の告白。
>「最初から考えていたとは言わない。
> あの男の子供など、憎しみの対象でしかないと考えていたからね」

 やはり、院長は墓参りのときに『娘の面影』を見つけたのですね。
 雫が父親への愛情を示すたびに心は離れ、それでいてその利発さには娘を見つけ。
 『ただ素直に人を愛する』ことを、院長は少しずつ『思い出して』いるのですね。

>「思い出してみる」
 自分の心を、彼は少しずつ思い出そうとしているんですね。

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◆ 第七話・院長の震せん、そして手段を選ばぬ復讐の末に

 …手術ができなくなるネタとして、『震せん』は定番ですね(苦笑)。
 関係者爆笑ドラマとして有名な医療ドラマ『振り返れば奴がいる』でも、やはり出てきましたっけ。

 ……閑話休題。

 自分がもう手術できないことを知っていて、なおかつ『美桜の父親の手術』をちらつかせたとするならば。
 ――これほどえげつない手法の復讐はないと思います。

 だから『雫の親権強奪』といい、無関係な人間を巻き込むなっ(力説)。


 でも、そのやり方がえげつなく、なおかつ本人が理性的であるほどに。
「その復讐の矛先は間違っている」
という事実は、彼を激しく打ち据えるでしょう。

 その『衝撃』こそ、手段を選ばぬ復讐者に相応しい罰となると思います。

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◆ 第六話・夜明け前の海

 嘘を知り、それでも受け入れようとする英治。
 罪を自覚しながらも、会いたがる美桜。

 その姿は、ひたすら切なくて苦しいものでした。
 『嘘』をついて、相手を苦しめても。苦しめられても。
 その中に、愛情が通じ合うだけに、見ている方もぎゅっと胸が締め付けられました。


 第七話を通して、『英治もまた、雫に嘘をついて傍にいた』という事実がわかります。
 …自分もまた同じ苦しみを知っているからこそ、『嘘をついても、なお傍にいる』美桜を、許せたのかもしれませんね。

 そして、そんな英治の『罪を含めて、彼女の存在全てを認めてくれる姿勢』に、彼女は罪悪感を覚えます。
 それ以上に、彼女の根底から揺るがすほどの『癒し』を与えられるのです。


 大学の授業で心理学の基礎を学んだときに、強く感じたことがあります。
 『存在そのものを肯定される』ことほどの癒しはないのだと。
 そして、『存在そのものの肯定』の与え方を間違ったとき、もろともに破滅することもあるのだと。


 今度は、美桜が英治に『無条件の居場所』を与える必要があるのですね。
 そしてそれは、彼女にもまた『もろともに破滅する危険性』を与えることにもなります。

 …いえ、もうその一歩を踏み出していますね。
>「見殺しにすればいいわ。何年かかっても復讐してやる」
 その言葉こそ、『破滅覚悟の、相手への肯定』への第一歩なんですから。

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◆ 英治の教育論

 昔、『心理学』で教えられたことそのままのセリフですね。
 正直、これまでのドラマで強調していた内容を抜粋されたような感じで、共感しつつもちょっとビビりました(笑)。

 でも、英治が言っていることは間違ってはいないんですよ。
 学術的にも、ちゃんと裏付けのある内容です。

 でも、『正しい』ことをいつも行えるとも限らなくて。
 だからこそ、英治にかけるマスターの言葉が優しくて、見ている側である私も嬉しく思うのです。

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◆ 『薔薇の無い花屋』が、残酷でありながら優しいわけ

 残酷なほどの悪意に翻弄される英治と美桜にとって、マスターと小野先生の存在は本当にありがたいものです。

 二人は英治と美桜の行為を、許します。
 『許されること』は、不安定な心を安定させるから。
 そして、『話を聞いてもらえること』が、たまった思いを次のステップへと昇華させるから。

 英治と美桜は、周りの存在があるからこそ、傷つきながらも前に進めるのですね。

 このドラマが残酷でありながら優しいのは、誰かが傷つくときに、他の誰かが癒そうとするからだと。
 私はそう思います。

 その優しさが、いつか正しく報われるときが来るのを――私は願います。

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 怯えはいらだちに変わり、そして予感へと変わっていく。





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Last updated  2008/03/01 09:06:22 PM
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