2009/10/10
カテゴリ： その他、芝居（ドラマ・映画・舞台）
その身は既に汚れ、飛べずとも。
仮初の翼を得、その心はいつしか太陽を目指す。
――イカロスの破滅が、その先に待っていると知っていても。
･････････････････････････････････････････････
ということで、『任侠ヘルパー』のビデオをようやくまとめてみることが出来ました。……放送終了からどれだけ経ってるんだろう（汗）。
今回も時間があまりないので、感想のみで考察は無しで行きたいと思います。
･････････････････････････････････････････････
間違いなく自分、『悪役剛』に飢えてたんだなぁ……。
第一話前半30分でその事実をとことん思い知らされました。
『草なぎ君は声が善人向き、顔は悪役向き』というのが私の持論（異論は認めます）。
その意味では彼が凄むと嵌りまくりです。
ちょっと乱暴な言葉も、状況にはまると視聴者の感覚に素直に訴えてきます。
それにしても彦一の演技はすっごく魅力的でしたね。
母親のことを頼む時の口調には、これまでのキャラクターの誠実さも見えたり。
最終回の冒頭で眩暈を堪える彦一は、『13番目の客』のラストとある意味で同じ状況でありながら、また違う魅力をたたえていました。
･････････････････････････････････････････････
ドラマそのものもすごく良かったです。
『介護』という重たいテーマに真っ向から立ち向かいながらも、同時に『いかに視聴者を惹き付けるか』という事にも気を配っていました。
時にどうしようもない闇を描きながらも、救いを忘れずに。
視聴者に重たい物を手渡す時には、同時にドラマとしてのカタルシスも手渡して。
キャラクター一人一人をしっかり描き、ドラマと結びつけながら成長させて。
エンターテイメントとしての、物語としての基礎をとても大事にしているのが感じられました。
いや、それを大事にするのは当たり前の事なのかもしれません。
ただ、『それらの基礎がおざなりになっているドラマ』もまた最近はいくつか悪目立ちしていたので、その意味では本当に安心して見ることができたんです。
･････････････････････････････････････････････
また、殺陣があるドラマで草なぎ君を見れるなんて思いませんでした。
その意味では本当に感謝してもしきれません。
草なぎ君は派手に動くよりも、相手の間合いを正確に読んで裡に入り込む、『暗器使い』的な戦いが似合うと思っていました。
だからこそ『殴り合い・蹴り合いよりも内側に入り込む頭突き（ばちき）』を得意とする設定には、
「スタッフ、分かってるなぁ」
と思わず感心。
（余談：ちなみに私個人のSMAPのメンバーに対する殺陣のイメージは
中居君： 『スピードと切れで勝負。周りの状況や物を利用できる実践的短期決戦型』
木村君： 『派手な蹴りや殴りで自分の流れを作り、魅せ、相手を巻き込んで倒す』
稲垣君： 『挑発と魅了を使い分け、優雅な動きで相手の不意を突く』
香取君： 『体格と武器で威圧し、更にフェイクを絡めてから畳みかける』
だったりします。……うん、多分異論はたくさん出ると思います）
ラストまで格闘シーンで締めてもらい（それもちゃんと必要性のあるシーンとして）、本当に満足。
ドラマ好きとしても役者ファンとしても、本当に満足しています（あまりに興奮しすぎて、落ち着いたころには放心状態）。
･････････････････････････････････････････････
最後には罪を償い、出所して出てきた彦一。
心、罪状ともに禊を終えた彼がこれからどうなるのか。それは分かりません。
『ヘルパー研修』というイカロスの翼を手に入れ、『極道』という監獄を飛び出た彦一。
彼は『堅気』という太陽に近づけば、自らの滅びを呼ぶということを知っていました。知らないほどに愚かではありませんでした。
それでもその心は間違いなく太陽を求め――翼を失い、再び地上へと堕ちました。
そして堕ちて尚、彼は太陽を求めている。私はそう思っています。
そんな彼のその後を知りたいです。スタッフさま、ぜひ続編をお願いいたします。
･････････････････････････････････････････････
スタッフさま、出演者の皆さま、素晴らしいドラマをありがとうございました。
･････････････････････････････････････････････
そして翼は溶け、地に落ちて尚。
彼の心は……。
仮初の翼を得、その心はいつしか太陽を目指す。
――イカロスの破滅が、その先に待っていると知っていても。
ということで、『任侠ヘルパー』のビデオをようやくまとめてみることが出来ました。……放送終了からどれだけ経ってるんだろう（汗）。
今回も時間があまりないので、感想のみで考察は無しで行きたいと思います。
間違いなく自分、『悪役剛』に飢えてたんだなぁ……。
第一話前半30分でその事実をとことん思い知らされました。
『草なぎ君は声が善人向き、顔は悪役向き』というのが私の持論（異論は認めます）。
その意味では彼が凄むと嵌りまくりです。
ちょっと乱暴な言葉も、状況にはまると視聴者の感覚に素直に訴えてきます。
それにしても彦一の演技はすっごく魅力的でしたね。
母親のことを頼む時の口調には、これまでのキャラクターの誠実さも見えたり。
最終回の冒頭で眩暈を堪える彦一は、『13番目の客』のラストとある意味で同じ状況でありながら、また違う魅力をたたえていました。
ドラマそのものもすごく良かったです。
『介護』という重たいテーマに真っ向から立ち向かいながらも、同時に『いかに視聴者を惹き付けるか』という事にも気を配っていました。
時にどうしようもない闇を描きながらも、救いを忘れずに。
視聴者に重たい物を手渡す時には、同時にドラマとしてのカタルシスも手渡して。
キャラクター一人一人をしっかり描き、ドラマと結びつけながら成長させて。
エンターテイメントとしての、物語としての基礎をとても大事にしているのが感じられました。
いや、それを大事にするのは当たり前の事なのかもしれません。
ただ、『それらの基礎がおざなりになっているドラマ』もまた最近はいくつか悪目立ちしていたので、その意味では本当に安心して見ることができたんです。
また、殺陣があるドラマで草なぎ君を見れるなんて思いませんでした。
その意味では本当に感謝してもしきれません。
草なぎ君は派手に動くよりも、相手の間合いを正確に読んで裡に入り込む、『暗器使い』的な戦いが似合うと思っていました。
だからこそ『殴り合い・蹴り合いよりも内側に入り込む頭突き（ばちき）』を得意とする設定には、
「スタッフ、分かってるなぁ」
と思わず感心。
（余談：ちなみに私個人のSMAPのメンバーに対する殺陣のイメージは
中居君： 『スピードと切れで勝負。周りの状況や物を利用できる実践的短期決戦型』
木村君： 『派手な蹴りや殴りで自分の流れを作り、魅せ、相手を巻き込んで倒す』
稲垣君： 『挑発と魅了を使い分け、優雅な動きで相手の不意を突く』
香取君： 『体格と武器で威圧し、更にフェイクを絡めてから畳みかける』
だったりします。……うん、多分異論はたくさん出ると思います）
ラストまで格闘シーンで締めてもらい（それもちゃんと必要性のあるシーンとして）、本当に満足。
ドラマ好きとしても役者ファンとしても、本当に満足しています（あまりに興奮しすぎて、落ち着いたころには放心状態）。
最後には罪を償い、出所して出てきた彦一。
心、罪状ともに禊を終えた彼がこれからどうなるのか。それは分かりません。
『ヘルパー研修』というイカロスの翼を手に入れ、『極道』という監獄を飛び出た彦一。
彼は『堅気』という太陽に近づけば、自らの滅びを呼ぶということを知っていました。知らないほどに愚かではありませんでした。
それでもその心は間違いなく太陽を求め――翼を失い、再び地上へと堕ちました。
そして堕ちて尚、彼は太陽を求めている。私はそう思っています。
そんな彼のその後を知りたいです。スタッフさま、ぜひ続編をお願いいたします。
スタッフさま、出演者の皆さま、素晴らしいドラマをありがとうございました。
そして翼は溶け、地に落ちて尚。
彼の心は……。
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2009/10/10 08:19:11 PM
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