GOlaW(裏口)

2013/08/22
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 誰かのせいばかりにして、自分という現実に向き合えなければ。
 人はどこにも進むことはできない。


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 お待たせしてごめんなさい、ようやっと観終りました。



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◆幽霊、という存在

 今回のドラマで自分のツボを打ち抜いた2つのうちの一つは、幽霊の描写です。
 超能力みたいに便利な力があるけれど、自由に歩けなかったり、食べることに執着があったり。能力の定義と制限があることで、より一層身近に存在する対等な存在に描けていたのに感心しました。この身近さが見ていて本当に心地よく、すっごく楽しかったです。盛塩の我慢大会とか、ばかばかしい描写も丁寧に作ってるのも好感が持てました。
 『中途半端に怖い』とか、『良く分からないけど無敵で便利キャラ』とか、そういう描き方で無かったことが何よりも嬉しく、安堵したのも事実です。

 また、そんな幽霊に対して怯えるだけでなく、対等に付き合い、冷静にツッコミ、いなす神山先生の姿にも何度魅入ってしまったか。激しく怯えるキャラも好きですが、日常として受け止めて付き合えるキャラクターも非常に大好きなんです。香取君の演じた役柄の中でも、お気に入りの一つに入ったのは言うまでもありませんよね。

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◆「ふざけんな」

 第六話で神山先生がこの言葉を呟くシーンが、私のもう一つのツボです。
 七年間、ずっと誰かと向き合う事に目を背けていた自分、それを正しいとうそぶいていた自分を、『間違っている』と否定する。それには多大なるエネルギーがいります。
 自分がただ恐れていたのを認め、覚悟を振り絞るその表情が、声音が、観ている側すら揺さぶるのを感じました。

 自分で自分を変える為の、膨大なエネルギーの発露。
 きっとその瞬間を観たくて、自分はドラマや小説を読み漁るのだろうと、そう改めて気づかされる瞬間でした。


 それと対になるシーン、第9話の河合先生の「バカよぉ……」も印象的でした。
 神山先生とは比べ物にならない年月で積み上げた『自分』から外れたことをしようとする苛立ち。あるいは自分から大きく離れてしまった、『まるで昔の自分』への苛立ち。
 「バカよぉ」と言った本人も、過去の自分と今の自分と生徒と、そのどれに向けていったのか、あるいは全てに対して言ったのか、わからないと思います。

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◆ もう一人の成長物語

 物語の基礎が『登場人物の補完』だと、誰かが言っていました。
 その意味では神山先生は『トラウマの克服』、アカネは『過去の記憶』、副校長の『罪悪感の払拭』、生徒たちの『悩み事の解消』と、沢山の補完が散りばめられ、丁寧に描かれていたと思います。
 ですがその中でもっとも大きな『補完』は、やはり河合先生が『自分の幼さを認める』という点だったと思います。

 尊敬できる大人に出逢わず、自分の間違いを正してもらう機会を失い、そのまま大人になってしまった元・少女。
 それは事なかれ主義だったり、自分の保身ばかりを考えてしまう教師や親や同級生ばかりに囲まれてしまうとどうなるのか、という一つの例示だったのだろうと思います。あるいは、そんな子供達が大人になって、更に子供達をそう育ててしまっているという負のループの象徴かもしれません。

 だからこそ河合先生が変わるというのは、このドラマにおける希望だったのだろうと思います。
 『自分が悪くないとするには、周りが間違っていると叫ぶしかなかった』、そんな狡さをようやく認められた河合先生。そこからようやく『もう一度成長できる』という可能性につなげることが出来たのですから。

 このドラマにおけるもう一人の主人公は、河合先生だったのかもしれない。そう感じました。

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◆ 綺麗事

『大人が子供に綺麗事を伝えなきゃいけない』
 それはドラマスタッフからの叫びだったのではないでしょうか。
 例え『気持ち悪い』と笑われても、『汚い事を、生きる力として与えるのが役目だ』と正面から否定されても。そんな意見の存在を認めたうえで受け止める覚悟を、感じました。

 生身の教師で、ヒーローでも成人でもなく。自分の事に必死で、他人の間違いを全て背負えるような度量など無くても。
 それでも、誰かを必死で見て、間違いを犯したことを背負いながら、それでも綺麗事で立ち向かう勇気を振り絞れるのだと。特別でなくても、誰かに認めてもらえるのだと。
 そんなメッセージを受け取りました。

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 時間は掛かってしまいましたが、本当にこのドラマが観れて良かったです。
 そして、思わぬところで<Dawn>が聴けたのも驚きました。大好きな曲なだけに、嬉しかったです。
 キャストの皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました!

 さて、ようやく春クールの撮り溜めは『TAKE FIVE』。
 こちらも今晩から楽しみに観させていただきますね!

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 綺麗事だけが通じる世界で無いから。
 綺麗でない世界と向き合う勇気を。





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Last updated  2013/08/22 07:21:32 AM
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