GOlaW(裏口)

2014/01/12
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 言霊とも、魂とも、データとも。
 触れることもできず、命と呼べる温もりも失い。電子の幽霊と化しても尚、ただ彼は時を超えて思い続ける。


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 遅ればせながら、『安堂ロイド』全話視聴しました!
 ……元々、現実にありえない設定には弱いのですが、零士の状況説明を聞いた時に過った強烈な既視感にぼろぼろ泣きました。
 トラウマで刺激されて、その補正でも良く観えたのは否定しません。それでもしっかりとストーリーを着地させてくれたことを、嬉しく思います。

 本当にこのドラマのスタッフ様、キャスト様には頭が上がりません! 本当にありがとうございます!

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◆ 想いの素粒子

『想いが重さを持ち、魂となり、言霊となる』
 その設定に最初思い出したのは小説『妖魔夜行』(グループSNE/角川書店)でした。想いが『無から有を生み出す』という設定は、やっぱりSFともファンタジーとも相性がいいなと改めて実感。
 付喪神もまた想いから生まれるのなら、道具として生まれたアンドロイドにも魂が生まれて当たり前なのだと思えますしね。

 未来と過去を想いの素粒子がデータとして超える。世界観としての仕掛けと、恋愛物語としての仕掛けががっつりはまっているのも好印象です。
 その他にも言霊として信頼できる仲間として、自分を尊敬する後輩へメッセージを送るシーンも印象的です。

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◆ 電脳と魂と

 脳もまた、シナプスの間を行きかう電気の流れによって生まれるのなら。その流れをデータとして、コンピュータの中に複製して残すというSF的な発想もありえますよね。
 そして複雑すぎる電気の流れや回路は、人と同じように感情を生むのだと。
 感情を複雑化させる為のプログラムであるアスラシステムと、不完全な感情の不整合、最後のバトルにおけるラストクイーンのバグ等、それに絡めた色んなギミックも印象的です。

『感情が生まれて困るなら、そんな機械を作るな』
 そんな幾たびもの問いかけもありながらも。
 時に生みの親の心がそのまま映し出されたような、狂った心を持つアンドロイドが存在して。
 それらを生み出してしまう人の心の闇が、そのまま結実してしまう恐ろしさを感じました。

 感情故に自分の感情で人さえ殺してしまうアンドロイド、それの恐ろしさを感じます。

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◆ 心の闇

 『兄殺し』。
 これ、警察のプログラムにクラッキングして、兄を殺す様に仕向けたのがレイコって事だったんですよね?
 ドラマの中では明言されていませんが、列車のプログラムに入り込んだりした過去などからそう、想像しています。
(公式小説や公式サイトで確認しないと裏付けが取れない情報もたくさんあって、それは映像だけの世界の限界を超えた部分も描こうとしてるからかなと思ったり。)

 そして彼女と同じレベルの天才が、未来でARXシリーズにクラッキングしてこのような事件が起こったというならば。彼女と同じ闇を抱えた者が、未来の惨劇に関わっていたということでもあるのでしょう。

 どうしようもなく深い闇がありつつも、それが無ければ生きていけなかったという彼女の心。
 その複数の人格が統合するきっかけとなったのが、『自分よりも凄い天才』という兄の言葉だったのかなと。

 治療を受けてそのまま統合されたなら、もう二度とこんな事件は起きないのかもしれない。
 けれどもまだまだそれは、予断を許さないことなのかもしれないと思いました。

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◆ それぞれの葛藤、そしてチームへ

 星が抱えた、希望の進路や憧れの下で生きる道を捨てて燻っている想い。
 家族との確執を抱えて生きる衣朔。

 それぞれの思いがドラマの中でキーとなり、最後には昇華されるのも印象的です。
 星が居なければ七瀬の人格を揺り動かすことは出来なかったですし、衣朔が居なければ最後の警察隊を止めることもできなかったと思います。
 その二人とロイド、麻陽が絆を結び、サプリと角城の間でつないだ絆も巻き込んで、一つのチームになるのが印象的でした。

 特に星の雑学知識が、嘘を見抜くシーンは鳥肌が立ちました。
 脇役の立場であるキャラが自分の葛藤と戦いながら、主役級の活躍をするのは大好きなんです。脇役好きの血が騒ぐというのでしょうか。
 それまで展開の外に居たはずの彼が、ロイドを信じるだけでなく、その謎解きに貢献するという展開には思わずリピートを繰り返してしまいました。

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◆ 管理人のトラウマ

 ここから先は、ドラマとは関係ない話です。

 零士の状況を聞いて、真っ先に連想したのが『雨堂盾哉』というPBWというゲームの外伝小説のキャラクターでした。
 小説のネタバレになりますが、彼もまた愛する女性を守る為に肉体を捨て、データともいえる存在になります。そして巨大な最終兵器を律する頭脳ともいえる存在に入り込んで、同じ存在になった敵と何十年と戦い続けることを選ぶんです。
 この盾哉、ゲームの中で救出できる機会があり。700人ぐらいのキャラクターで突撃して救出に向かったんですよ。そこで盾哉は言霊を何度も飛ばして、自分と言うデータを消耗して、体を貸すというキャラクターの申し出を断り、結果消滅します。
(後日、オフ会で『消滅は参加者募集の前から決定していた』と運営公式から暴露されました)

 『安堂ロイド』の中で、零士が言霊を発して、データの形でも干渉して外に影響を与えて、愛する人を必死に守ろうとするシーン。
 味方であるはずの女性に潜む二重人格や純粋な狂気、壮絶なまでの天才性。未来の巨大なデータベースやその中で消滅しそうになる魂。未来の薬と言った奇跡の品。空間転移などの特殊能力。時を超えるということ。
 それらは、小説やゲームの場面をほうふつとさせました。考えないように、記憶に蓋をしていたものが一気に溢れて、当時の悔しさや無力感も一気に混じって。ドラマで泣いたのか、トラウマで泣いたのか、訳が分からなくなる状態になる時がありました。

 ゲームの中でできなかったこと。『生きて、生身で、愛する人のところへ返す』こと。
 見れなかったもう一つの結末が、ドラマの中で、映像として見れました。それが私にとっては何よりもの救いであり、喜びでもありました。

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 出演者の皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
 『SMAPで連続ドラマで、現代異能力者バトル物をっ!』という密かな願いを叶えてもらった事、過去の傷跡を癒して貰った事、絶対に忘れません。
 また、細かな『筐体(からだ)』、『四角いクリスタルのようなメモリー』などの細かいネタもツボに入りました。
 すごく楽しかったです、また次の作品、期待しています!

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 想いを、時を超える力へと変えて。
 魂はただ、彼女へと寄り添い、幸せを願う。





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Last updated  2014/01/12 04:47:39 PM
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