GOlaW(裏口)

2014/01/30
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 誰かと共に居るという事は、胸がざわめく。
 自分勝手に生きることもできず、傷つくことに怯えて生きる事。

 ……それでも。


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 最初に。衣装や映像や表情で、草なぎ君に見惚れまくったシリーズでした。彼自身が雑誌などで『衣装や家具など、自分が好きな物がいっぱい』と言うだけあって、すごく似合ってましたよね。
 そんな本筋とは全く関係ない部分で幸せな時間でありました。

 ラブストーリーとしての感想となると、いつも書かせてもらってるように苦手なのですが。それでも気付いたことを少しずつ。

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◆ 傍に居る人は誰か

 第六話ラストの、病室での告白。体もぼろぼろで、精神的にも余裕が無いからこその、本音を吐き出すシーンは、強く印象に残っています。
 視聴後に「いっそこの二人で幸せになってもいいよね」と思わず呟いてしまうほど。

 お見合いから始まる恋があってもいい。今は別の人が心に居ても、目の前のその人を愛したいと願えるなら……。
 でも、それって玲子に失礼な考え方なのかもしれません。一生、違う人を想う夫の傍に居ることは、彼女にとって辛いことなのだから。

 でも玲子を愛そうとする気持ちは、ゆきから逃げる気持ちよりも強かったとは言えなかったのかもしれません。
 必死にゆきから目を背け、自分の趣味を全て捨てて相手に合わせようとしてはいました。けれど、ネックレスの事を失念していたり、彼女の父親の前で映画の話で盛り上がってしまったり。玲子に言った言葉とは裏腹に、意識も気持ちもゆきを中心に回っていました。

 玲子と進が身を引いて、ゆきが気持ちを告白したなら。もう逃げる必要なんて無かったはず。

 うん、確かに玲子さんがキレるのも仕方ないですよね。 
 煮え切らない二人に対し、彼女が腹を立て、発破をかける姿は凛々しくて、すごく素敵な女性に見えました。

 傍に誰かが居て欲しい、そう思うのが本心なら。そこから逃げている守は、幼子と変わらない。
 結局、『ゆきと一緒に居たい』という気持ちだけは本当なのですから。

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◆ 台本

 人は結局、自分の中にあるものしか表現できない。自分はそう思います。
 表現とは自分の心そのものなのだから、その一部でも肯定してもらえればそれ以上に嬉しい事は無いです。逆にそれを意図しない方向へ変更されることは、果てしない苦痛でもあります。
 感性や倫理観、道徳観に観察力……それらを時に剥き出しに、時に技術で包みながら差し出すのが、『脚本』であり、小説であり、絵画であり、音楽であり、芸術なのだと、そう思います。

 いえ、こうして文章を書いている時点で、私も自分の稚拙さとかを剥き出しにしている訳ですよね。自分の見える事、気付いたことしか書けませんし、いつも限界を感じながら、文を綴っています。

「脚本を読んで、その書き手の事が分かる」
 脚本に惚れたという事は、きっとその人に惚れたという事。
 その脚本に手を入れることは、その人の世界をそっと押し広げ、深くしていく作業。相手からの介入に対して、楽しいと思えること、受け入れられるという事は、何よりも深い愛情の表れだと思うのです。

 だから脚本と言う、心そのものを曝け出す道具そのものを通して、二人は自分達の自覚以上に惹かれあっていたのだと。そう思えるのです。

 だから私はゆきが脚本の直しに必死なのも、自分の分身である脚本を認めてほしいという衝動も、守に本を見てほしいという切実な願いも分かる気がします。
 でもそれは、何かを必死に絞り出して形にしたことのある人でないと理解しにくい感情だとも思います。

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◆ 進について

 ゆきと付き合いたいと思った理由の一つは、「兄と同じ感性を持っている」からなのかな、と思います。
 兄に比べられ、でも心では兄を凄いと思い、それでも兄にはなれないから。
 「兄と同じものを見ている女性に、自分を好きになってもらえる」ということは、兄に自分を認めてもらったような錯覚を感じられるのかもしれません。或いは、兄が得られなかったものを得ることで、どこかで優位を感じられるから。

 兄もまた弟に対して似た様な感情を抱いていて。兄弟って複雑なんだなと思いましたね。

 本当は父親とのエピソードも掘り下げてほしかったのですが、最初の数話で終わってしまって残念です。

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 スタッフ、キャストの皆さん、お疲れ様でした。
 誰かの心を描いて、形にする。そんな舞台裏を少しだけ覗けた気がして、とても楽しかったです。

 そして改めて、文章をつづる事の楽しさを思い出せて、それはとても素敵な経験でした。
 また、次の作品を楽しみにしていますね!

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 誰かの傍に居たい、そう思える事こそ幸せと信じて。





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Last updated  2014/01/30 03:28:01 PM
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