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2022.02.06
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カテゴリ: 沖縄市

(モーヤマウタキ)

沖縄本島沖縄市に「知花グスク」があり、地元では 「チバナグシク」と呼ばれています。標高87mのカルスト残丘地形にグスクが構築されており、付近はうるま市天願と北谷町砂辺を結んだ「天顔構造線上」にあります。沖縄本島北部と中南部を区分する断層上にあるため、地質学や植物学的にも重要な地域となっています。「琉球国由来記(1713年)」には「知花集落」の「カナ森/神名:イシノ御イベ」「森山嶽/神名:イシノ御イベ」「カナヒヤンノ嶽/神名:イシノ御イベ」の3つの御嶽が記されており「イシノ御イベ」とは「霊石」を守護とした神を意味しています。


(ユナガー/米川)

(火之神)

「知花グスク」の東側に「ユナガー(米川)」という井戸があります。「ヌールガー」とも呼ばれており、その昔「知花ノロ」が使っていた事からその名が付いています。「ユナガー」の井戸には祠が祀られており、線香を供えるウコール(香炉)が設置されています。また「ユナガー」から溢れて下方に流れ出た水溜りは、ノロや按司が手や足を洗う場所であったと伝わります。「ユナガー」は「知花集落」で最も神聖な拝所の1つとなっており、敷地内の拝所には「火之神」の石碑が建立され、手足洗い場を示すコンクリートの小池も設けられています。


(ノロ殿内の拝所)

(フウの木と霊石)

(ウガンヌシー)

「ユナガー」の北側に「ウガンヌシー」と呼ばれる御嶽の森があり「ムイグチヌウカミ」の拝所が設けられています。この森の南側には神に仕える祝女を輩出する「ノロ殿内(ヌルドゥンチ)」の屋敷が建てられています。「ノロ殿内」の敷地内には一般の住民が祈る拝所があり、家主の島袋さんが1955 年に台湾から種子を持ち帰って育てたマンサク科の「フウ」の木と、複数個の霊石が鎮座しています。島袋さんは若い頃にハワイ大学の招待で農業研修生として6か月間ハワイに滞在しました。その時にハワイから持ち帰った数本のヤシの木が「ウガンヌシー」の森で現在も立派に育っています。


(カンサジヤー/神アサギ)

(知花グスク北側の洞窟)

「知花グスク」の北側にノロが祭祀を司る「カンサジヤー(神アサギ)」があります。この広場は旧暦の5月15日と6月15日の行事に「知花集落」の発祥の地である古島(倉敷ダム東側一帯)へ遥拝するために拝まれ「知花ノロ」の管轄である「知花、池原、登川、松本」の4集落が祭祀に参加します。現在の建物になる以前は茅葺造りでしたが、それよりも昔には建物がなく祭祀の際にはクロツグの葉などで仮小屋が造られたと伝わります。この「カンサジヤー」は「琉球国由来記(1713年)」には「知花之殿」として記されており「下之殿」とも呼ばれています。また「カンサジヤー」の東側でグスク丘陵麓には鍾乳洞の洞穴が口を開いています。


(上之殿毛/イーヌトゥヌモー)

(上之殿毛の祠)

「上之殿毛(イーヌトゥヌモー)」は「カンサヂヤー(神アサギ)」の南西側の高台広場に位置する御嶽で、石造りの祠が設置されており内部には霊石が祀られています。「松本之殿」とも呼ばれており、旧暦の5月15日と6月15日の「ウマチー( 稲穂祭/稲大祭)」 の際に、知花と松本の自治会と有志により拝みが行われます。「上之殿毛」の広場周辺に張り巡らされた綱は年に1回、旧暦12月24日の「チナマチウグヮン(綱巻御願)」の際に自治会関係者により新しく張替えられます。「縄張り」とも呼ばれるこの祭祀では、一年の感謝と繁栄の祈願(御用納め)が行われます。



(ムイグチウタキ)

(ムイグチウタキのウコール)

「知花グスク」頂上にある展望台から北西側の丘陵中腹に「ムイグチウタキ」と呼ばれる琉球石灰岩の大岩があり、麓には拝所を示す石組みの囲いが施され中央にはウコール(香炉)が祀られています。この御嶽も 旧暦12月24日の「チナマチウグヮン(綱巻御願)」の際に拝される「知花集落」の重要な拝所で、大岩の右側にある木を起点として中央の岩穴と左側の岩と3本の縄を渡す「縄張り」が施されています。「琉球国由来記(1713年)」に記されている「石城之嶽」はこの「ムイグチウタキ」であると考えられます。


(モーヤマウタキ)

(モーヤマウタキの祠)

「知花グスク」の北西側の森を下って進むと「モーヤマウタキ」があり、石造りの祠と神が宿る岩塊が鎮座しています。「イーヌトゥヌモー」「ムイグチウタキ」と共に「知花集落」の平和と繁栄を祈願する「御用納め」で巡拝される3つ目の御嶽がこの「モーヤマウタキ」です。この御嶽にも「縄張り」の3本の縄が右側の木を基点として中央の岩塊に巻き付けられ、さらに左側の木に結ばれて固定されています。一説によると「琉球国由来記(1713年)」に記される「森山嶽/神名:イシノ御イベ」は「モーヤマウタキ」があるこの深い森を示すと言われています。


(夏氏大宗墓の碑文)

(夏氏大宗墓)

1853(咸豊3)年に「鬼大城」を始祖とする「夏氏」の子孫が建てた碑文が「知花グスク」の南側丘陵中腹にあります。1716(康熙55)年に知花にあった「夏氏の墓」を美里の「宮里村中間原の墓」へ遺骨を移して双方の墓を祀りましたが、風水見の「鄭良佐与儀親雲上」は「知花グスク」に墓を祀る方が風水の良い場所と判断しました。さらに「知花グスク」には「鬼大城」の遺骨も葬られている為、それらの理由から現在の場所に「夏氏の墓」を移葬したと伝わります。因みに「鬼大城」の子孫には摩文仁間切(糸満市摩文仁)総地頭の「夏氏摩文仁殿内」がいます。


(鬼大城之墓)

(鬼大城之墓)

夏氏大宗墓」に隣接して 「鬼大城之墓」があります。「鬼大城」の名前で知られる「越来賢雄」は15世紀の琉球武将で、唐名は「夏居数(かきょすう)」です。越来間切の総地頭に就任する以前の名前は「大城賢雄」でした。知花で育った「鬼大城」は武勇に優れ、第一尚氏王統の第6代国王「尚泰久王」に仕えていました。1458年に首里王府軍の総大将として勝連按司の「阿麻和利」を討伐し「尚泰久王」の長女である「百度踏揚(ももとふみあがり)」を妻に迎えました。その後、政変により第一尚氏王統は滅び「鬼大城」もこの地に追われ自害し、その場所が墓になったと伝わります。


(祝女墓/ノロ墓)

「祝女墓」は「鬼大城之墓」の東側に位置し「知花集落」では「ヌールバカ」と呼ばれています。元々は岩陰を利用して前面を石積みにし、墓口をアーチ工法にした「岩穴囲い込み墓」の古墓でありましたが、現在はコンクリートで改築されています。昔、ある葬式の時に「ヌールバカ」へ入った人は、墓内部に約30基の蔵骨器を見たと証言しています。「知花、池原、登川、松本」の4集落が「知花ノロ」の管轄であった事から、この地域一帯での「知花ノロ」は非常に位の高い祝女であったと考えられ、歴代の「知花ノロ」が「知花グスク」南側の丘陵中腹の「祝女墓」に葬られています。


(カーグヮー)

(フクマガー)

「知花グスク」の南側で比謝川の支流とユナガーの合流地点に「カーグヮー」と呼ばれる井戸があります。かつては「大村渠(ウフンダカリ)集落」の住民が松本に移り住むまで使用し、その後は「知花集落」の住民の生活用水となりました。「ニーガンヌール(根神ノロ)」が仕立てた井戸である事から「ニーガンウカー」や「イカンガー」とも呼ばれています。井戸には祠とウコール(香炉)が祀られています。因みに「根神(ニーガン)」とは琉球王府が公認したノロ(祝女)が幅広く配置される以前から、集落の祭祀を司っていた神人を意味します。更に「知花グスク」の東側にある「フクマガー」も 「大村渠(ウフンダカリ)集落」があった昔から使用された古井戸であると伝わります。


(知花橋から見た知花グスク)

「おもろそうし巻二」の中城越来のおもろには「知花グスク」を謳った「おもろ」があります。

  ちばな、かなくすく(知花金城)
  ちばな、いしくすく(知花石城)
  ももしま、まじうんいしくすく(百々島共に石城)
又 けおのゆかるひに(今日のよき日に)
  けおのきやかるひに(今日の輝く日に)
  ちばな、こしたけに(知花こし岳に)
  あんは、かみ、てずら(我は、神をまつらん)
  かみや、あんまぶれ(神は我を守りたまえ)
又 ちばな、にしたけに(知花北岳に)







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最終更新日  2022.11.12 21:43:15
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