翠 の 風

翠 の 風

2006年12月05日
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テーマ: お勧めの本(7418)
カテゴリ: 今日読み終えた本
「こころの処方箋 」河合隼雄

題名:「こころの処方箋」
著者:河合隼雄
発行:新潮文庫
頁数:241
読みやすさ:4/5
おすすめ度:5/5

 文化庁長官の河合隼雄先生が「新刊ニュース」に連載した「こころの
処方箋」という短いエッセイを集めたもので、一編一編が簡潔にまとめ
られて、とても読みやすい本でした。

 文章もその偉い肩書きのイメージとは違い、とても謙虚で冷静で、穏
やかな表現の中にやさしさが伝わってきます。それでいて切れ味はす
るどく、現代人のこころにの中に突き刺さる内容の数々です。

 臨床心理学の先生ですから、今までいろんな人のカウンセリングを行
ってきた経験や、学問としての心理学に基づいた、様々なこころの処し
方をわかりやすく語りかけてくれてます。
 なんといってもその「バランス感覚」というものにとても共感を覚えまし
た。日頃自分でもなんとなく思うこと、でもどう表現していいかわからず
に、伝えきれないようなことがサラッと違和感なく表現されていて、とても
気持ちが軽くなるような気がします。

 河合先生自身が終わりの方で述べておられますが、内容的には極め
て常識的なことであり、決して斬新とか奇抜なものではありません。しか
し、こうやって「常識を説くことがお金になる」現代社会のありように警鐘
を鳴らしておられます。

 老若男女、いろんな人にお勧めの、まさに「こころの処方箋」でした。

 河合隼雄先生は今年の夏頃に病気になられたと聞きましたが、その
後の容態はどうなんでしょうか。ぜひ元気になられて、またご活躍され
んことを祈ります。






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Last updated  2006年12月06日 00時43分29秒
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