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Pesca
自分が読んだ本の紹介や釣りの記録など、分野にこだわらず書き留めたいと思います。
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2007年01月27日
テーマ： お勧めの本(7418)
カテゴリ： 今日読み終えた本
題名：「メリーゴーランド」
著者：荻原浩
発行：新潮文庫
頁数：４４５
読みやすさ：４／５
おすすめ度：３／５
荻原浩さんの本は２冊目でした。
今回のは、行政の無策でゴーストタウンのようになった遊園地を
再生させる、という特命を受けて設置された部署に配属された地方
公務員が主役です。特命といっても、市長のポーズだけで設置され
た部署なので、当然どんよりとした空気が漂っているわけですね。
旧態依然とした役人体質の中で、とまどい、もがきながらもその遊
園地のイベントを成功させようと頑張る姿は、以前読んだ 荻原浩さん
の「神様からひと言」 や 戸梶圭太さんの「牛乳アンタッチャブル」 の展
開と重なりました。また、アバンギャルドな劇団や暴走族グループを
巻き込んで、保守的な輩をつぶしていく展開はとても痛快です。
アクション映画のようにスピーディーで、また劇画タッチでクルクル
変わる展開が飽きずに読めるエネルギーとなって、とてもさわやです。
今公務員の“お役人様”的な仕事ぶりをネタに叩くことは世間のト
レンドですが、まさにここに出てくる古手の公務員はなかなかです。
こんな公務員は今や絶滅しかけていますが、世間的にはまだまだこ
んなイメージなんですね。まあ、絶滅しかけてはいるものの、別の意
味で税金泥棒的な公務員も相当数存在していますので、あながちウ
ソではない部分もありますが、小説らしく劇場的に描いてあるのがな
んか少しあざとい感じも受けました。
解説の亀和田武さんが「さわやか」と「苦味」をこの小説のキーワード
に挙げていましたが、イメージをよく現していると思いました。
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