2008年12月19日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類




昔、好きだった人に偶然出会った。







彼女は僕よりも1つ年上だったけど、
年上になんて全然見えなくて、幼くて、小さくて、
でもすごく可愛らしい人だった。 

もちろん、人気もあった。







バレンタインデーの日、僕は彼女から、

「好きな人にあげ損ねたから、これあげる。」

と、手作りのチョコレートを貰った。
彼女は照れてるのを隠すかのように、うつむいたまま笑っていた。

今思えば、あのチョコは最初から僕に渡すつもりで・・・・・





僕の目に映る彼女のあの恥ずかしそうな笑顔が、そう思わせた。






部活でクタクタになった僕が帰ろうとしている時、

「くずよんくーん!ちょっと待って!」

と彼女が声をかけてきた。

『なんすか?』

と、聞くと、

「二重跳び見せて。」

と、縄跳びを渡してきた。


僕は飛んだ。飛びまくった。


彼女は笑顔で、

「うん、いい感じ。ありがと。」

と言うと、走ってどこかへ行ってしまった。


僕はただ彼女の背中を見つめていた。




理由なんてない。

でも嬉しかった。

彼女の意味不明な行動が、妙に嬉しかった。





楽しい時間は瞬く間に過ぎ去り、
まだ肌寒い季節に、彼女は卒業した。



それと同時に、



僕もこの恋から、卒業した。






そして・・・・・






「あれ?もしかして・・・くずよんくん?」






仕事をしていると、彼女はそう声をかけてきた。



彼女は僕を覚えていてくれた。






僕は、








『え?・・・・・どちらさんですか?』








完全に忘れていた。








遠く、儚い、僕の、恋の、物語。 





(ただのサクセス痴呆物語。)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008年12月20日 01時50分57秒
コメント(14) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: