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1人が当選する小選挙区制では、政党は支持を求める有権者の幅を広げないといけない。中道から右の自民党に対抗するなら、中道から左だ。だが彼女は、合流を求めた民進党でリベラルな人たちを排除した。傲慢(ごうまん)な姿勢を示し、安倍首相に向いていた傲慢だという批判も弱めてしまった。
戦後日本政治の大きな問題なのだが、なぜ自民党に対する真の挑戦者が生まれないか。政治学的には、小選挙区中心の衆院の選挙制度は日本になじまない。二十数年前に政権交代可能な二大政党制を目指して導入されたが、いま8党もある。冷戦下では社会主義を掲げる強い野党があったが、いま野党は何をしようとしているのかわからない。
このままでは、一党支配か、政権交代があってもスキャンダルによるものになる。日本のように貧富や民族などで社会的に深い溝がない国では穏健な多党制がふさわしい。複数が当選する中選挙区制に戻すか、政党に投票する比例区の定数を増やすのが適当だ。
もう一つの大きな問題は民主主義制の下でのチェック・アンド・バランスだ。日本政治ではかつて自民党内で首相の座をめぐる派閥間の競争があり、対抗軸として市民団体と連携した社会党があった。官僚組織にも自律があった。それがここ数年で破壊された。
首相官邸が自民党と官僚を支配している。これほど官邸が強かったことはない。政策は自民党ではなく官邸が主導し、人事を握られた官僚組織は忖度(そんたく)している。大統領制的な官邸主導を目指した1990年代の橋本政権での改革が、小泉政権に引き継がれ、安倍政権で強まっている。
新たなチェック・アンド・バランスが必要だ。安倍政権で国民は必ずしも幸せではないが、野党は割れている。安定していてもチェック・アンド・バランスのない支配は健全な民主主義ではない。野党がまとまり役割を果たすべきだ。
ただ、 今回の衆院選で自民党が勝ちはしたが、安倍首相が掲げる憲法改正は進まないだろう。
改憲は彼の信条だが、彼は現実主義者でもある。改憲の発議に必要な衆院、参院の3分の2以上に改憲しても構わないという声はあっても、具体的に何を変えるべきかの合意はない。9条を変えるのは最も難しい。無理に進めれば国会で非常に感情的な議論になり、何も生まれない。
安倍首相が勝ってもうれしそうでないのは、小選挙区制では有権者の移り気で政権交代が起きかねないと今回改めて感じたからだろう。 政権復帰から5年、自公両党は衆院で3分の2を保ってきたが、発議へ動かなかった。それをなぜこれから4年でできると言えるのだろうか。
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