2008年08月05日
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かつて飢饉に苦しんだアイルランドには、救荒作物だったじゃがいもを使った
料理がいろいろありますが、ボクスティー(boxty)もその一つです。クレープ
のような薄い皮を焼いて、それで煮込んだ野菜などを包んで食べますが、この
皮を作るときに、小麦粉だけでなく、すりおろしたじゃがいもも混ぜるのが特
徴です。いわば、じゃがいもで増量したパンケーキです。野菜を包んで食べる
のは、肉じゃがオムレツのような感じでもあります。1994年、ダブリンで食べ
たときの感想を、わたしは「 いわば、西洋風春巻き 」と書き記していました。

アイルランドの伝統料理を紹介した「リトル・アイリッシュ・クックブック」
によると、生のじゃがいもをすりおろしたものと、その時に出た汁から取った
でんぷん、さらに別に用意したマッシュドポテト、それら全部を溶かしバター
や牛乳各少量とともに小麦粉に混ぜ合わせてタネを作り、それをフライパンや
グリドルで、薄いパンケーキ状に焼きます。中に包む具は、特に制約はなく、
にんじんやじゃがいも、羊肉などのほか、ブロッコリー、鶏、鮭でもOKです。

実際は、じゃがいもを使わないほうが、手間がかからずにボクスティー風のも
のが作れます。本場ではもちろん、ナイフ+フォークでいただきますが、箸で
もまったく問題ありません。先日、福岡のアイリッシュ・パブで、アイルラン
ド料理をいただきながら講師のお話を聞く催しがあり、ボクスティーが出てき
ました。このときは、中身に野菜やむきえびが入り、包んだ全体の周りにはき
のこの入ったホワイトソースが掛かって、おしゃれな一品になっていました。





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最終更新日  2008年08月05日 13時16分42秒
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