2017年10月04日
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ふだん会社へは弁当を作って持って行っていますが、ある日のわたしの弁当が
信太丼(しのだどんぶり、きつね丼)でした。これは 卵丼 に具として薄揚げを
加えたものです。しょうゆ、みりん各10ccとだし80ccを沸かし、刻んだ薄
揚げと青みとしてこの日はほうれんそうを入れて少し煮たら、溶き卵でとじま
す。これをごはんに乗せて、できあがり。切りのりがあればふりかけます。わ
たしの弁当箱は500ccのタッパーなので、少々汁気のあるものでもOKです。

きつね丼と言っても、きつねうどんと同じく、きつねの肉が入っているわけで
はありません。きつねの好物とされる薄揚げを使った料理です。これは歌舞伎
や浄瑠璃の「葛の葉」で、きつねが化けた女が、自分が産んだ童子(のちの安
倍晴明とされる)を残して去るときに「恋しくばたずね来てみよ和泉なる信太
の森のうらみ葛の葉」という歌を残したということから、揚げ→きつね→信太
という別名が生まれたようです。きつね→稲荷という連想もあるようですが。

上方落語の「天神山」も似たような話ですが、こちらは四天王寺に近い安居天
神を舞台にしているため、歌も「和泉なる…」ではなく「恋しくばたずね来て
みよ南なる天神山の森の中まで」となっています。信太丼だけでなく、開いた
薄揚げでふきを巻いて煮付けたものを信太巻きと呼んだりもします。「揚げ」
では直接的なので、しゃれて「きつね」と言ったのでしょうが、もしかしたら
動物のイメージを嫌って、さらに「信太」と呼び変えたのかもしれませんね。






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最終更新日  2022年12月21日 15時46分34秒
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