タノシクイキタイ

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アトピー・・・生後3ヶ月



アイは、写真が少ない。周りの人たちから二人目の子はどうしても一人目に比べて写真が少なくなるので、意識的に写真をたくさんとってやるように言われていたのだが、写真を撮りたくても、なかなか撮る気になれないのだ。なぜなら、いつもどこかしこに湿疹や傷があるからだった。

アイは確かに乳幼児湿疹も脂漏性湿疹も殊のほかひどく、ちっとも引かなかった。赤いぶつぶつの乳幼児湿疹は、生まれてほんの数日ででき始め、1ヵ月後には母親の私から見ても鳥肌が立つほどびっしりできていたし、それがやっと引いたと思っても、今度はかさぶた状の脂漏性湿疹が前頭部にいっぱいできていて、それがだいぶ取れてきたと思ったら今度はホッペにまたなぞのじくじくした黄色い汁の出る赤い湿疹である。なかなかきれいな顔にお目にかかれなかったのは、アトピーの体質を持って生まれてしまったためだったのかと妙に納得した。

私も夫もアトピーではないが、私は皮膚が弱く、常に主婦湿疹に悩まされる身だし、夫も花粉症を持っており、アレルギー体質はどちらにもあった。アイは私たちのそんな負の部分を受け継いでしまったのだろうか。

原因はどうあれ、アトピーだとわかったからには何とか治してあげなければと思うのが親心だ。はじめは、とりあえず医者で処方してもらった「ユーモベート」という薬を塗っていた。しかし、医者の「ひどいときだけ薄く塗ってください」という言葉が気にかかっていた。この薬は俗に言う「ステロイド」というやつではないだろうか。訳あって、ちょうど8月後半から9月前半にかけての3週間、シデク(夫の実家)に滞在していたので、その間は調べる術がなくそのまま使っていたが、大田に帰ってきてからさっそくインターネットで調べたところ、案の定、ステロイドだった。

友達に聞いたり本で読んだりした情報によると、ステロイドはその場ではきれいに治るが副作用が強く、使わないほうがよいということだったので、きっぱり使うのはやめることにした。かわりに、ユウ用に以前もらった亜鉛化軟膏と白色ワセリンを塗るようにした。治りはしないが、ひどくもならない。とりあえず安定した状態が続いた。

本で、木酢液をお風呂に入れた人の話を読み、温泉が効くという話も読んだ。何か入浴剤に適したものはないかと探していたところ、同じく大田に住む日本人の方が、漢方の薬草風呂を薦めてくださった。薬草の名は「サムベクチョ」または「オソンチョ」、調べてみるとどくだみのことだった。早速市内のハンヤクパン(韓薬房)にいき事情を話すと、それよりも「テンジャ(チシル)(日本語でからたちの実、枳実)」がよいと進められた。どくだみは250グラムで3000ウォン、からたちの実は600グラムで10000ウォン。それで治るなら安いものだと両方購入した。私の母も別のところからどくだみ茶を母親が飲むとよいという情報を得ていて、日本の実家からもどくだみ茶が届いた。

早速昨日から私はどくだみ茶を飲みはじめ、お風呂上りにはからたちのエキスを塗り始めた。これが効くかどうかは分からないが、とりあえずこれでやってみようと思う。母乳を飲ませる私自身の食物制限は、今のところしていない。生の牛乳だけは、少し量を減らそうと思うが、それ以外は何がアレルゲンかもわからないし、卵も肉も豆も加熱すればいいらしいからだ。そろそろ離乳食開始の時期にきているが、離乳食はもう少し遅く開始することにした。

今まで、アトピーの苦しみは、その外見やかゆみだけかと思っていた。しかし実際にはそれ以外にもいろいろあるのだということが分かった。たとえば、会う人毎に毎回いわれる言葉。「あらこの子、顔どうしたの?かわいそうねえ。薬はちゃんと塗ってやってるの?」最初はあまり気にならなかった言葉が、聞く回数が増えるにつれちょっとだけ苦痛になってきた。自分も気づかないうちにどれだけの人に傷つけるような言葉を吐いてきたか知れない。そう考えると恐ろしい。もっと相手の気持ちを思いやれる人になりたいと思った。

アイの肌がきれいになりますように・・・。(2003/09/29)


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