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キム・ギドク監督作品です。わたし的には『 悪い男 』『 コースト・ガード 』に続いて三本目なんですが、彼の作品に通じる胸くその悪さは何なんでしょう。普通のホラー映画よりはるかにずっしりといやな気分にさせられます。

霧がかかったような映像はさまざまな感慨をもよおさせるし、良くも悪くも映画を観たという感じはすごくします。ただ、できれば見ないでおきたかったものまで突きつけられるので未体験の方はそれなりの覚悟が必要かも。

舞台は1970年代の韓国。米軍駐屯基地のある村。娼婦の母から生まれた黒人ハーフのチャングク(ヤン・ドングン)、チャングクの唯一の友人ジフム(キム・ヨンミン)、片目の不自由な女子高校生ウノク(パン・ミンジョン)三人の若者を中心に社会問題を盛り込んだ話が展開されていきます。といえば聞こえはいいですが、、、。

混血児や精神的身体的弱者に対する差別、暴力は直接的で半端じゃないです。私は犬と暮らしてますので、犬商人の仕事ぶりには発作的に目をそらしました。が、間に合わず。迂闊でした。冒頭にテロップが出たのはこのためだったのですね。

驚きなのは、監督がインタビューで語っているように、この映画の70%が実話で30%が想像だということ。黒人の混血児も目の不自由な女子高生にも実際にモデルがいて、気の弱いジフンは監督自身だと告白されていました。

この人の想像力はちょっと理解を超えているところがあるので、30%と言っても少なすぎる数字ではないのかもしれません。

アンチキム・ギドクを掲げる女性人権団体がいるというくらい本国では評価も興行も今ひとつだそうですが、海外では数々の賞を受賞し芸術性が高く評価されている監督でもあります。

あまり肯定的な感想は書けませんが、場合によってはこんな世界観も受け付けなくはないというか。まぁ、怖いもの観たさですかね。観客を引き込む力はやはり才能というべきでしょう。

これを2005年の韓流シネマフェスティバル作品に選んだ人はすごい。

受取人不明 受取人不明





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最終更新日  2005.12.29 21:54:53
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