熊野幻想-序章-

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「熊野幻想-序章-」

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■場  所
 熊野幻想の十二年前。高舘山とその周辺。

■登場人物
 橘 若彦・・・宮司。三年前、父の死と共に神職を受け継いだ。
        御神体を深く愛している。舞と刀の使い手。
 但馬夏目・・・本願(社家の配下)。元は西座の古参社家だが、東座の橘家に使えている。
 東 広乃・・・役人(社の従事役)。西座のスパイ。

■物  語
 「熊野幻想」の十二年前。三年前に父を失った橘は、跡を継ぎ、熊野那智神社の宮司となった。
しかしそこでは、御神体を管理する東座と、それを狙う西座との、水面下での熾烈な争いが行われていた。橘は、元西座筆頭の但馬家長男の夏目と云う心強い臣下を得て、東座筆頭としての力をつけはじめていたのだが、御神体・熊野と出逢ってからは人格が変わり、浜下りの祭りを廃止し、千年に一度しか行われない封印祭をすると言い出す。東座が御神体を改めて封印することによって、お山の実権を完全に手中に収め、無益な争いをやめようとしていたのである。しかし祭りの当日、裏切り者・東の手引きによって、橘は右足を負傷(この為「熊野幻想」では杖をついている)、夏目も命を落とす。祭りは無事成功し、西座が姿を消したことによって何百年にも渡る争いは終わりを告げたが、橘はそれより以後、自責と、御神体を独りで守ると云う、孤独な生活を送るようになる。


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