❹雑誌撮影でご一緒に・・(A) (画像79枚)


あらこの人ととも・・と意外な人との出会いもあったようです。
何回も企画で会う女の人とは、噂がたったり、橋蔵さんも何人かこの人は・・と思った方もいたような・・・。

livedoorブログ__心の軌跡💞忘れえぬ人*大川橋蔵*投稿の画像とリンクさせているコーナーもお楽しみください。


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​★(A) livedoorブログ__心の軌跡💞忘れえぬ人*大川橋蔵*投稿とリンクコーナー

📌【字数の都合で記事(21)からは、❹--②雑誌撮影でご一緒に・・(B)に掲載していきます。】


(20)・・・●今年もよき年でありますように  大川橋蔵さん  市川雷蔵さん  若尾文子さん
この画像は、livedoorの ブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています
1961年平凡2月号
一足一足ふみしめる玉ジャリの音が、サクサクと静かな神域にこだまします。
ここは京都北野の天満宮「今年もよき年でありますように・・・」と参詣にやってきたのは、大川橋蔵さん、市川雷蔵さん、若尾文子さんの三人の人気スターたち。
天神さまは菅原道真公をまつる学芸の神様、芸道に精進する人たちにはとりわけ関係の深いところとあって、誘い合わせての今日の初もうでとなりました。



(画像)
1 お詣りしたあと、すがすがしい気持ちで社務所で破魔矢をもらい「さあ、今年も頑張ろう」と誓
いを新たに

2 境内では晴着姿のかわいい女の子たちが羽根つきに興じていました。若尾さんもちょっと足をと
めて仲間いりです

3 「やあ、一番が出たゾ、こいつは春から縁起がいいわい」と雷蔵さん
  「若尾ちゃん、ボクにも大吉をくださいよ」と橋蔵さん
  さておみくじは何とでるか?

4 今年はうし年、天神さまのお使いは牛というので、境内のあちこちにはりっぱな石の神牛がおか
れています

5 神主さんのおはらいを神前でうければ身も心も清まるよう、明るい年を迎えて、3人のスターも
神主さんもうれしそうに見かわす笑顔と笑顔です


(19)・・・☆新春対談 【61年は飛躍の年にしようや】 大川橋蔵さん  丘さとみさん
この画像は、livedoorの ブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています
1961年2月号近代映画から
お正月は雪の国東北へ旅する橋蔵さんと、椰子の茂る常夏の国ハワイへ旅する丘ちゃんが、新しい年への夢と希望を語ります


🍀雪国と常夏の国

橋蔵---35年度は丘ちゃんとの共演がずいぶん続いたね。何本になるかな。

丘-----お正月ものを入れると7本位じゃないかしら・・・。

橋蔵---ほんと、そんなにある? 丘ちゃんと最初に共演したのは「魔の死美人屋敷」だったと思うけ
ど、そのころの僕と、いまの僕とではどんな感じがする?

丘-----正直にいうとコワかった(笑)あんまり喋らないし・・・。いまじゃ朗らかで、気さくに話し
かけてくださるけど・・・。あの頃からみると、かえって若くなったみたい・・・。

橋蔵---そう煽てられちゃ弱いよ。あとがコワイ。(笑)たしかに気分的には若さが出たとは思って
る。歌舞伎の社会と映画界というのが、がらりと生活状態が違うからだと思うんだ。ところで丘ちゃん、最近ぐっと綺麗になったネ。「海賊八幡船」のころから比べてもちょっと痩せたようだし・・。

丘-----さっきのお返し、お世辞でも嬉しいな。(笑)実はね、この3か月間、お米を一粒も食べてい
ないの。涙ぐましき努力でしょ・・・(笑)これ以上太っちゃ困るから・・・。

橋蔵---丘ちゃんはぷくっとしたところが魅力なんだから、あんまりか細くならないほうがいいと思
うな。年増ぶとりは困るけど(笑)

丘----- ひどいひどい・・・話題を変えましょう。お正月は何するの・・・(笑)

橋蔵---うまく逃げられちゃったな(笑)丘ちゃんはハワイだってね。僕は例年の通り地方公演をや
るんだ。たまの連休なんだから、休みたいとは思うけど、ファンへのサービスも必要だと思って・・

丘-----えらいわね。こんどはどちらを廻るんです?

橋蔵---東北方面なんだ。冬の東北っていうのも捨てがたい味があるからね。たしか3年前にも行った
んだけど、雪に埋もれた農村や漁村というのもいいからね。

丘-----そうでしょうね。スキーをやるの・・・。

橋蔵---暇があればね。

丘-----わたしはハワイで泳ぐつもり、でも泳ぐっていうより水につかるっていった方が早いぐらい
だけど・・・。(笑)

橋蔵---九州でだいぶ上達したんじゃない。先生がいいから。(笑)

丘------また皮肉をいう。でも水が恐くなくなったってことだけは、橋蔵大先生のおかげね。(笑)

😘キッスご用心

丘------ところでハワイなんですけど、ハワイ旅行の先輩として、ハワイの見どころなんか聞かしてほしいわ・・・。

橋蔵---でも丘ちゃんはたしかハワイへ行ってるんだろう・・・。

丘------それがアメリカへ行く途中にちょっと降りただけなの。行かないのと同じよ。夜だったし、
時間がなかったので、夜のハワイをドライブしただけ、ただ夜景がきれいだったとしかハワイの思い出はないわ・・・。

橋蔵---まずいえることは海岸の美しさ・・・。これは須磨、明石の瀬戸内海の美しさとはスケールの点、水の色、海岸の砂、ちょっとケタが違うよ。ところで、向こうではステージに立つんだろう。

丘------ええ、歌を唄って、簡単な踊りぐらいやりたいと思ってるの。

橋蔵---純日本的のほうがうけるよ。丘ちゃんだったらやっぱり和服で純日本風な踊りでも見せることだよ。向こうでは日本武士道っていうの、男なら大和魂とか、女なら大和ナデシコが憧れらしいから・・・。

丘---- まさに東映時代劇ね・・・。

橋蔵---そうそう、舞台でやったチャンバラはうけたからね。小さい体でも大きい人を倒せる、そこが魅力らしいんだ・・・。

丘------挨拶がホッペにキスするのが礼儀なんでしょ、困ったわ、どうしよう…(笑)

橋蔵---僕も実はおどろいた。後援会の集まりで400人のファンが、お揃いのムームーという着物を着て、入れ代わり立ち代わり、ホッペにキスするんだ。それもみんな愛情こまやかに、チュー、チューでしょ。なにしろ400回ですからね。こっちはフラフラ。(笑)

丘------レイをかけられて・・・。

橋蔵---そうなんだ。そのレイが向こうでは3ドルもするんだって。だから、いただいたレイの数が多ければ多いほど歓迎されたってことになるんだって。最後にそのレイを集まった人たちに投げ返すのも礼儀らしいよ。あとで投げてあげたらみんな大喜びだった・・・。

丘------日本人の評判はいいのね。

橋蔵---大変なもんですよ。ちょっとした日本ブーム。日本舞踊なんかも盛んで、僕の知っている藤間流のお師匠さんが教えているんだけど、お弟子さんが大勢いるそうだよ。だから中途半端な洋服よりか、純日本的な和服でステージに立ったほうが丘ちゃんファンも喜ぶと思うな。

丘------そうね、それじゃ和服に決めたわ。

橋蔵---とにかく外国旅行をするということは、僕たちみたいなものには気分転換に最適じゃないかと思うね。毎日毎日、京都でヅラのせて仕事をしていると、遅れてしまうものね。東京に行きたいと思っていてもなかなか暇がないもんね。

丘------大阪へだってなかなか行けない。(笑)たった一時間で行けるのに・・・。ところでハワイへは何時間で行けるの・・・。

橋蔵---ジェット機で行くんだろう。

丘------そうらしい・・・。

橋蔵---らしいはヒドイね。自分のことじゃない。(笑)

丘------だって本社の人にまかせっきりだから・・・。

橋蔵----ジェット機だと早いよ。行きは6時間、帰りは10時間だ。

丘------どうして違うの・・・。

橋蔵---成層圏を吹いている風が、日本の方からハワイやアメリカの方向に相当強く吹いてるんだって、だから行きはものすごく早い。そのかわり帰りは向かい風で遅れるんだって・・・。

😥☆ボクは重労働者

丘------橋蔵さんは寒いところ廻るんで大変ね。風邪を引かないようにしないと・・・。

橋蔵---でも丘ちゃんこそ気をつけないとね。ハワイで泳いで帰ったら、オーバー着て震えなきゃならないんだから・・・。

丘------そうね、くれぐれも気をつけます。ところで巡業って疲れるでしょう。

橋蔵---それがどっこい、僕はいつも地方公演でふとって帰るの。地方のファンにサービスするのと同時に、僕自身も楽にやれるんだ。息抜きというとファンには失礼かも知れないけど、楽しんでやれるんだ。
丘-------舞台って親近感もぐっとわくし・・・。

橋蔵---そうね。客席と舞台が一つになれるから・・・。毎年お正月の巡業でふとって帰るんだけど、6月頃までしかもたない。僕って夏やせがすごいから・・・。

丘------私は夏ふとって、秋に痩せるの、だから夏になると憂うつ・・・(笑)

橋蔵---夏ぶとりする人は丈夫なんだって、丘ちゃんも健康優良児かな・・・(笑)

丘------すごいこといわはる。(笑)

橋蔵---悪気でいってるんじゃないよ(笑)でも僕も夏やせするので気になったから、お医者さんに精密検査してもらってるんだけど、どっこも悪くないんだって。われわれ重労働者は年に一回ぐらいは、必ず精密検査をしてもらったほうがいいよ。僕は毎年10月にやってるんだけど・・・。

丘-----そうね、俳優って職業は重労働者ですものね。でもセットのお仕事ばかりじゃないからましね。

橋蔵---ロケに行って、空気の良いところでお弁当食べて、ゆっくりと休憩したり・・・。そんなことでもなければ映画俳優はみんな病気になっちゃうだろうね。

丘-----そこへゆくと、舞台の俳優さんは大変でしょうね。

橋蔵---そりゃ想像以上に大変。空気は悪いし、休み時間も少ないし、疲れますよ。映画で育った俳優さんは舞台は辛くてなかなかつとまらないだろうね。

🎍新年の夢

丘------36年度はまず何をして見たい?

橋蔵---仕事のことでも、私生活でもいろいろ計画は立ててはいるんだけど・・・どうも計画っていうのは途中で倒れるんでね。35年度も、仕事の面で、一年間の企画を立てたんだけど、前半で企画が崩れ出したんで、途中から割り切って娯楽作品に切り替えたんだ。いろいろ会社の方針とか、情勢なんか変わるしね・・・。

丘-----そうね。橋蔵さんは現代劇についてどんなお考えを持ってらっしゃいます?

橋蔵---僕がやることを前提とすると、難しいの一語につきるな。というのは、やるからには僕に適した役なり、テーマってことが条件だろう。そう考えると、果たしていまの観客にぴったりし、また橋蔵という俳優の持っている個性にぴったりした役どころなんかを考えちゃうと、すぐにはやる気に なれないし・・・。でも丘ちゃんと組む時代劇はすごくやりやすい。それ は丘ちゃんの持っている現代的な演技のせいだと思うんだ。僕はいま時代劇にばかり出ているけど、つとめて現代的なセンスを入れようと心がけている。そんなわけで丘ちゃんと組むと、バランスがとれるんじゃないかと思うんだけど・・・。

丘---- そう褒められるとテレるわ。私は年に1本ぐらい現代劇をやりたいと思っていたんですけど、35年は出来なかった。でも錦之助さんの「森の石松」で、ちょっぴり現代劇が入っていたから我慢してるけど・・・。

橋蔵---男優の場合はともかく、時代劇の女優さんは、現代劇に出ることが必要だね。丘ちゃんも家城組みに出てから芝居がシャープになったもんね。

丘--- ますますテレちゃう。(笑)たしかに家城先生に使っていただいてから三枚目的なお芝居を少しやれるようになったと思っているの。いままでは少しコミックな役だと、どうしても固くなってあがっちゃたけど・・・。今年は現代劇をやりたいと思う。1本でいいから・・・。

橋蔵---そりゃ良いことだよ。僕は今年は企画にバラエティをもたせることが第一だと考えているんだ。とにかく他の俳優さんのやらないようなもの・・・。誰がみてもこれは橋蔵のものだなと思わせるような作品を。

丘-----大いに期待してますわ。

橋蔵---最近考えるんだけど、まず若いうちはうんと悩み、とことんまで悩み抜くことが良いと思う。理屈は言わないで、実行すること以外ないもの。僕は他の人以上に考えすぎる性格だろう。だから今年は、成功とか不成功なんて考えずに、まずやることに撤しようと思ってる。

丘------ところで、私生活では?

橋蔵---ハリウッドみたいに、年に1本か2本撮ったらゆっくり休養できるとねえ・・・。

丘------なにしろ日本は市場が狭いから・・・。

橋蔵---せめて外国スターなみに、フランスのニースとかスイスのローザンヌあたりに別荘でも持てたら・・・。夢かな(笑)

丘-----年のはじめには大きな夢を持つべきよ・・・(笑)

橋蔵---日本の俳優もスイスに別荘を持てるようにしようよ。知ってる人にちょっとスイスの別荘まで静養に行ってきますかなんかいって、さっとひと夏休んでさ・・・。

丘-----スゴイ、スゴイ。

橋蔵---よくよく聞いてみたら、スイスに犬小屋みたいな物置があったなんて。(笑)

丘-----あら、あら、ぐっと落ちたわねえ。(笑)

橋蔵---だって日本の人にはわかんないよ。(笑)

💝☆ファンの気持

丘----- 外国の話が出たので聞くけど、お好みの外国スターは?

橋蔵---男性、それとも女性?

丘----- もちろん女性よ。ああ、知ってる知ってる。ジーナ・ロロブリジダでしょ?

橋蔵---僕は浮気なんでね。それは昔・・・。

丘----- じゃリズ・テーラー。それともピア・アンジェリー。

橋蔵---それも古い、いまはキム・ノヴァクなんだ。ブロマイドを部屋に飾ってあるんだ。それから外国の雑誌や洋画雑誌を切り抜いて貼るよ。た゜からファンの心理ってよくわかる、僕自身がファンだから・・・。ところで丘ちゃんの好きな男優は?

丘----- 最近なくなったクラーク・ゲイブルとかジェームス・メイスンなんか・・・ゲイブルが亡くなったときはがっかりしたわ。

橋蔵---ずい分お年寄りが好きなんだね。おじさま族か(笑)

丘-----うちのママは逆なの。モンティとかドロンみたいな若手の二枚目が好き。ちょっとおかしいでしょ。

橋蔵---ところで話は違うけど、最近東映の見学者がぐっと増えただろう・・・。

丘----- 友の会も出来たし、観光バスで乗り込むなんてざらね。

橋蔵---僕は最近感じるんだけど、見学に来てくれるのは大変良いことだと思うし、見学者が来ないようなスタジオじゃしょうがないと思う。宣伝が第一だから・・・。

丘-----そうね・・・。

橋蔵---ところが一部の見学者だけど、何月何日に東映に見学に行ったら、橋蔵はつんとすましていたとか、サインしてくれなかったとか、いろいろ手紙で怒ってくるファンがあるんだ。気持ちはわかるけど、撮影所は仕事場なんだから、いちいちサインや挨拶していたら仕事にならないだろう。その点を見学の皆さんお察しください、といいたいんだ。

丘-----同感だわ。その日の仕事で重い芝居のところ、泣くしばい・・・いろいろあるしね。セットへ行くときにも考えながら歩いていれば、すれ違いの見学者はへんな誤解することもあるでしょうね。

橋蔵---そうなんだ。この前僕のところへきた手紙に、橋蔵はセットへ行く道で見学者をにらんだっていうんだけど、僕はぜんぜん覚えていない。とんだ濡れ衣をきせられて困っちゃうよ・・・。スタジオは俳優の仕事場だってことを認識して頂きたいね。

丘-----そろそろ時間だけど、36年もどうぞよろしく・・・。

橋蔵---こちらこそ・・・。それより、ハワイはアベック旅行の人が多いからアテられないように、それから風邪ひかないように・・・。

丘-----はいはい。東北巡業で、うんとふとって帰ってきてください。一年分のエネルギーをつけてきて。

橋蔵---それじゃ・・・。


(18)・・・●二条城のランデブー 大川橋蔵さん  鰐淵晴子さん  (1961年1月号明星から)
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美剣士の胸に夢がいっぱい
都へやって来た晴子ちゃんに、京都のガイド役を頼まれた橋蔵さん、
お正月作品「新吾二十番勝負」の撮影の合い間をぬって、さっそく晴子ちゃんを二条城へご案内しました。
“いつ来ても京都ってステキ、それに町の真中に、こんなに静かなところがあるなんて”
“うん、この庭園を散歩するのは、ぼくも大好きなんだよ”
二人とも、しばらく撮影の忙しさを忘れて、静かな散歩を楽しみました。

(画像)
1. 二条城の静かな中庭で・・・
2. あたたかい冬の日ざしを受けて、映画共演の話もはずみました



(17)・・・●ホール・イン・ワン!! ゴルフ・リンクの休日 (1960年11月号明星から)
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1960年明星11月号から




雲ひとつない空は真青に晴れて、絶好の秋日和です。大川橋蔵さんと山本富士子さんのお二人は、軽快なスポーツカー、オースチンヒーレに乗って今日は快適なドライブピクニック、紅葉もそろそろ色づきはじめた、秋たけなわの嵐山にやってきました。同じ京の街に住んではいても、お仕事に追われて顔を合わせるヒマもないお二人で、今年に入ってお会いするのは今日がはじめてとのことでした。赤トンボが飛びかう桂川の河原の楽しい秋の午後でした。
(画像)
1・・
素敵なキャディのお富士さんをお供にコースを一周、橋蔵さんがゴキゲンなら、ゴルフの調子もいたって上々、豪快なスウィングが宙に孤を描き、白球がグングン空に伸びてゆきます。ハンデは20とか、お見事な腕前のホドでした
2・・
橋蔵さんたらお上手ね、縄跳び?イチ ニイッ ホラ、そんなにオダてるから間違えちゃった。いつもは和服姿のお富士さんですが、うすいオレンジのワンピースに、クリーム色のカーディガン姿がとてもお似合いでした



(16)・・・ロケ地のスター特集より  大川橋蔵さん(1960年10月号近代映画)

『橋蔵さんの夏休み』
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1960年10月号 近代映画から

南の国九州・福岡県芥屋に来た橋蔵さんは、撮影の休みの日、美しく広がる海岸線を共演の丘さとみさんと釣りに行きます。
「海はいいなア、いつだって泳げるし、大好きな釣りだって、どこでもできるしね・・・」
と南国のトミイは大喜び。
「まるで、子供のように、毎日飽きもせず釣りができるわね」
と丘ちゃんも、橋蔵さんの釣り好きには、ちょっと驚いたといった表情。
「今日は、丘ちゃんにおいしいお魚を釣ってあげるよ」
と橋蔵さんがいえば、
「アテにしないで待ってます」
にみんな大笑いです。
(画像)
1 砂に埋まった橋蔵さんと丘ちゃんは童心にかえってすっかりご機嫌
2 まるで黒ん坊みたいよ!とお二人は大笑いです!
3. さあ、釣りに行こう!と釣竿を肩に二人はさっそうと海に出かけていきます
4 あてにしないで待っているから釣ってね!に橋蔵さんも大クサリ!



(15)・・・●湖上のセーリングデイト  大川橋蔵さん  若尾文子さん
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湖上のセーリングデイト

“安珍と清姫”の撮影で京都へやってきた若尾ちゃんを、「涼しいところへ案内するよ」と誘った橋蔵さん。
琵琶湖にヨットを浮かべました。さあ美人スターを乗せた快速ヨットがいよいよ出帆です。


白い雲、湖上をわたる風、二人の頭上に太陽がいっぱい
夕暮が湖上にしのびよってくるころ-----
「ああ、面白かった、また来ようや」
「私、泳げないからハラハラしちゃった」
撮影の忙しさをふっとばした一日でした



(14)・・・●銀座/GINZA/ぎんざ↓
     トミーのロマンチック・デート  大川橋蔵さん 十朱幸代さん
(1960年6月号平凡から)
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1960年平凡6月号


💡お二人の立っている場所は東京新名所の新数寄屋橋ハイウェイです。ここからはごらんのように、七色のネオンに輝く夜の銀座がひと眺めです。さて、これからトミー、幸代ちゃんの楽しい夜のデートの出発です。
さあ、皆さんもご一緒にブラリと散歩いたしょう。

「たまには銀座の風にふれないと流行おくれになるからねエ」と、東京へ出てくると必ず一度は銀座へやってくる橋蔵さん。今宵は十朱幸代さんを案内役にお買物をしたりお茶を飲んだりして、久しぶりに楽しい東京の夜を過ごしました。
銀座名物のみどりの柳もすつかり色づき、お勤め帰りの若い恋人たちの楽しそうなアベック姿もチラホラする春の夜のプロムナードです。

(画像) 
a 「橋蔵さん、ロカビリー喫茶覗いてみましょうヨ」
 「カンベン、カンベン、あれだけは弱いんだ・・・」
  「大人にはわからないのかなア(ため息)」
バックのネオンの輝く建物は日本劇場です
b 「旦那、一枚いかが・・・百円です」
アルバイト学生の似顔絵かきに軽く応ずる橋蔵さん、似てますかナ
c 散歩にも疲れたので、幸代ちゃんご推薦の喫茶店でひと休み
d 「あたしに似合うかなア・・・」
 「ボクが選んだんだもの、間違いないネ。オシャレ雑誌から飛び出したみたいだ
  ヨ」
とトミーデザイナー? のステキなお見立て




(13)・・・●コンビ対談「クセまで同じトミイとマミイ」
(1960年2月近代映画新春特集号の"新春異色対談特集より)
この画像は、livedoorの ブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡ コンビ対談「クセまで同じトミイとマミイ」

☘仲良し二人の愛称問答
👨橋蔵______ひばりちゃん、ママが太ったね。
👩ひばり____そうなの・・・、このごろ、急にまた太ってきたのよ。
👨橋蔵______ママが太ると、どっちがマミイで、どっちがママか、さっぱり見分けがつかなくなるネ。(笑)
👩ひばり____どうせそうでしょうよッ。
👨橋蔵______ワアーッ、そんなに怒りなさんなよ、マミイ。
👩ひばり____だって、私が太ったって言いたいんでしよ。でも、そんなこというと私が起こると思うもんだから・・・。トミイはママが太ったなんてごまかすんだワ。
👨橋蔵______しかしね。女の人は太ってる方が魅力がある、とボクは思うナ。第一、太ってる方が健康的だし、女らしくていいとボクは信じています。(笑)
👩ひばり____フフフ・・・。
👨橋蔵______それにネ。太ってるというのは、大変便利なんだナ。コロコロところがって歩けるから。(爆笑)
👩ひばり____キャー、トミイにあっちゃかなわないナ。(爆笑)でも、それ面白い表現ね。トミイのユーモアには、ときどき感心させられるワ。
👨橋蔵______エヘン。そうおだてられると弱いや。(笑)
👩ひばり____トミイ、すっかりゴキゲンさんじゃないの・・・。
👨橋蔵______ところで、二人の仲(?) もずい分、古くなりましたネ。(笑)
👩ひばり____ホントネ。そも、なれそめ(?) のころは、トミイは痩せた感じで、スマートだったわ。
👨橋蔵______へへへ・・・。今度はボクが太ったと言われる番だナ。
👩ひばり____太ってる方がいいわよ。(笑)
👨橋蔵______オヤオヤ、今度は逆になっちゃって、ボクが慰められる番かな・・・。(笑)
👩ひばり____最初ネ、トミイと逢ったとき、私、すっかり考えちゃったのよ。
👨橋蔵______これは穏やかならぬ話になってまいりました。(笑)どういうことでござんしょう(?)
👩ひばり____恋(?)したんじゃないからご安心くださりませ。(笑)
👨橋蔵______それを聞いて安心しました。(笑)
👩ひばり____実はね、一緒に仕事をするからには楽しく、和気アイアイとお仕事をしたいでしょ。
👨橋蔵______それは勿論だよ。二人の呼吸が合わなければ、いい仕事ができないもの・・・。
👩ひばり____つまり、それで、考えたのよ。まずトミイのことを、何て呼んだらいいかしらと・・・。
👨橋蔵______ボクもそれを感じていた。
👩ひばり____ほんとう(笑)
👨橋蔵______ウソなんか言うもんですか、大先輩のマミイお姉さんに向かって・・・。
👩ひばり____フフフ・・・、嬉しがらせないでよ、後がこわいワ。(笑)
👨橋蔵______いまじゃ、こうやって和気アイアイだけれど、最初はこういう風にいかないからネ。
👩ひばり____そうなのよ。それで、名前を呼ぶのに大川さんじゃ、ちょっと、よそよそしいし・・・。
👨橋蔵______橋蔵さんというのもゴロがあまりよくないしネ。
👩ひばり____第一、他人行儀でしょ。その結果、本名を聞いたら、富成さんだと分かったのよ。
👨橋蔵______トミさんか・・・。
👩ひばり____トミさんじゃ、大工さんの名前みたいな感じでしょ。
👨橋蔵______なかなかイキでいいじゃないの。(笑)
👩ひばり____もう少し、スマートにいきたかったのよ。それで、トミイと呼ぶことに決めたの・・・。
👨橋蔵______大変モダンな名前を付けていただいて、ありがとうございました。現代的感覚の名前で、ボクもすっかりゴキゲンになっちゃった・・・。
👩ひばり____なかなか私の頭もいいでしょ、これは冗談だけど・・・。(笑)
👨橋蔵______いえ、いえ、どういたしまして、アネゴにはすっかり頭が下がります。(笑)
👩ひばり____いやよ、そんなにおだてちゃア。
👨橋蔵______ボクは、ひばりちゃんに初めて会ったとき、なんだかお母さんのような気がしたんですよ。
👩ひばり____まあ、・・・。アネゴになったり、お母さんにさせられたり・・・、私、大変だワ。(笑)
👨橋蔵______いや、いや、それは本当の話。
👩ひばり____トミイっちら、すぐに私を老けさせるんだもの、キライッよ。(笑)
👨橋蔵______まあ、まあ、・・・。話は最後まで聞くべきです。ほんとにママのような気がしたからマミイと付けたんですよ。(笑)
👩ひばり____ありがとうございました。(笑)ママでなくてマミイでよかったワ。
👨橋蔵______ボクは、今でもこれは”名言”だと思っているんだ。
👩ひばり____そう言われれば、なんだか”名言”らしく思えてくるから不思議ネ。(笑)
👨橋蔵______ママはお母さん。・・・マミイはお母ちゃん・・・という感じなんだ。”さん”と”ちゃん”の相違は、この場合、実に重要なんだナ。”ちゃん”の方が親しみやすい。
👩ひばり____言語学のうんちくも傾けたわけなのネ。(笑)
👨橋蔵______つまり、そういうわけなんだ。(笑)

☘変なところまで似ている二人
👩ひばり____名前で思い出したけど、この間、チイちゃん(江利チエミさん)に逢ったのよ。
👨橋蔵______ご夫婦仲は良いでしょう。
👩ひばり____モチロンよ。それでネ、旦那さんがチイちゃんのことを、”ノニ”って呼んでるの。この意味、わかる(?)
👨橋蔵______サーテ、分かんないよ。
👩ひばり____それはネ、チイちゃんがよく「ナニナニ、ナノ二」って言葉を使うんだって・・・そのクセから”ノニ”ってつけたのよ。
👨橋蔵______フーン。こってるね。(笑)
👩ひばり____それからもう一つは”キサン”という愛称なの。
👨橋蔵______へえー。そいつも、ちょっとわかんないな。
👩ひばり____”キサマ”という言葉があるでしょ。”貴い”という字に”様”と書くんだから、大体が敬称なのよ。それでちょっと変えて”キサン”と呼ぶわけなの・・・。
👨橋蔵______それでチイちゃんが、旦那さまをよぶときは(?)
👩ひばり____ダーリン…。マイ・ダーリンってわけ。
👨橋蔵______結局、二人の間だけの愛称だネ。他の人が聞いたんじゃ、何が何だかさっぱり分からないや。(笑)
👩ひばり____そこがいいんじゃないの・・・。でも、二人きりの愛称って言えば、こっちの方が本家、本元なのよ。
👨橋蔵______そうだよ。
👩ひばり____トミイ、マミイっていえば、今でこそみんなが知ってますけど、最初は、二人だけで使っていたんだもの。
👨橋蔵______まったくそうだったね。トミイと呼べばマミイと答える・・・(笑)
👩ひばり____♪山のコダマの楽しさよ・・・。(笑)
👨橋蔵______なんだか、かけ合い万才みたいになっちゃったナ。(笑)
👩ひばり____まったく今夜は久しぶりで楽しいわ。
👨橋蔵______お互いに忙しくて、こんなにゆっくりすることないものね
👩ひばり____私が『弁天小僧』・・・。
👨橋蔵______ボクが『雪之丞変化』・・・。
👩ひばり____二人そろって逢えるなんて、近来マレ(?)な出来事ね。
👨橋蔵______これも日頃の心がけがいいからかな・・・(笑)しかし、遊ぶ時には、大いに楽しく遊ぼうよ。
👩ひばり____大賛成!
👨橋蔵______ボクはね、大いに遊ばなければ、良い仕事も出来ないと思うんだ。
👩ひばり____それはトミイのいう通りだわ。
👨橋蔵______ところがね。これはご飯の話になるんだけれど、どうも一本調子なんだ。
👩ひばり____どういう風に・・・。
👨橋蔵______ずうと前、セットに入って、お昼になった。それで外から食事をとることになって「何があるの(?)」と聞いたら「カツ丼なんか」っていうんで、それじゃあとカツ丼を食べたんだ。
👩ひばり____そういえば、カツ丼をよく食べていたわね。
👨橋蔵______食べたなんてもんじゃない。そのカツ丼を一年間も食べたんだよ。(笑)
👩ひばり____エッ(?)一年間も…。(笑)
👨橋蔵______さすがにアキちゃった。
👩ひばり____そうでしょ。一年間もカツ丼ばかりじゃ・・・。(笑)
👨橋蔵______それで、何か別なもの・・・というんでエビフライを取った。
👩ひばり____まさか、エビフライも一年じゃないでしょうね。
👨橋蔵______ところが、そのエビフライも一年続けたんだから、我ながら恐れ入った。(笑)
👩ひばり____そんな点、私も似てるワ。今じゃ京都にお家ができたけれどねそれまでは、ずっと同じ旅館にいたのよ。食べもの屋も決して変えないの・・・。(笑)
👨橋蔵______それにボクには、退屈したり、困った時に、ツメを噛む癖があるだろう・・・。マミイもツメにクセがあったっけね。(笑)
👩ひばり____そうなの、本番待ちのときに、右手と左手のツメをカチカチ合わせて、退屈しのぎに、鳴らすクセね・・・。(笑)
👨橋蔵______へんなとこまで似てるんだナ。
👩ひばり____太ったことまで似てるっていうんじゃない (?)(笑)
👨橋蔵______かんべん、かんべん。どうも最初の出発がマズかった。(笑)
👩ひばり____でも健康なので何よりよ。お互いに元気な姿でファンの方たちと対面しましょうよ。
👨橋蔵______サッソーとお正月映画でネ。


(12)・・・●トミイとマミイ ゲラゲラ対談 「弁天小僧と雪之丞」  
      美空ひばりさん  大川橋蔵さん
(1960年明星2月号トミイとマミイ ゲラゲラ対談「弁天小僧と雪之丞」より)
この画像は、livedoorの ブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡ 1960年明星2月号から

片や女装した怪盗、片や女形と侠盗の二役早替わりと、共に異性の変化ものを演じわけるお二人は、逢えば夜の更けるのも忘れて語り合い、お腹を抱えて笑いころげる絶好のゲラゲラ名コンビでした。

このお正月「お七と若様」という映画を作ろうという企画がありました。久々の競演だからきっと楽しいものが出来るに違いないと期待していましたが、スケジュールその他の都合でこれはお流れ・・・。だが、お二人は別な意味で魅力十分な主演作品をそれぞれ作ることになりました。
それが「弁天小僧」と「雪之丞変化」なのです。
そこで仲良し名コンビの紙上競演ということになったのです。

🌼大きくなって・・・
*橋蔵______座につくのももどかしげに)マミイ、元気かい?東京どうだった?
(ひばりちゃんは「べらんめえ芸者」の撮影を終えて、この日の朝、京都入りしたばかりでした)
*ひばり____ええ、元気よ。・・・それより、トミイ、またひと廻り大きくなったみたい。
*橋蔵______おかげさまで・・・。(笑)
*ひばり____ふとり出したわね。この頃・・・前は、私のことばかりいってたけど、破裂しそうだって(笑)・・いまはそうじゃないでしょ?(笑)
*橋蔵______いいところだね、そのへんが。(笑)いいところだ。きれいになった。(笑)とっても・・・。
*ひばり____うーん、憎らしい(笑)そんなお世辞いっても、何もあげないから(笑)・・・だけど、トミイ、こんな大男だとは思わなかった。・・(笑)でも、近頃、とても男性的になったわ。
*橋蔵______さては、そろそろお嫁さんに行きたくなってきたな。
*ひばり____いやーん。
*橋蔵______でもね。正直のところ、自分でも肉がついてきたっていうのか、大きくなったんでね、困ってるの。いま「雪之丞」やってるんだけど、闇太郎の方は手馴れた役だからいいけど、雪之丞っていうのは女形だけに、どうもいけないよ。
ひばり____大きくなるとやはりね・・・舞台なら、ご機嫌だけど、でも、トミイは女形だったんだから・・・
*橋蔵______そりゃあ、劇中劇の時なんかはいいよね。経験もあるしね。問題はメーキャップだけだし・・・あれね、舞台のように白塗りにするととんじゃうんで、いくぶん桃色にしてるんだよ。・・・だけど、何といっても一番困るのは、普段の時の雪之丞だね。女形役者なんだから、色気がなくちゃいけないし・・・舞台ならごまかしが利くけど、映画のカメラっていうのは、すごく冷酷だから、女形らしい線が出しにくい・・・つまりごまかしきれないんだよね。それと、他の人と並んだ時、とくに闇太郎と並んだ時に、すごく背のおおきいのが目立つんだけよね。
*ひばり____私もそう思ってた。トミイの悩みって、それ以外にない。動きの方は舞台で経験あるし・・・でも、いくら女形だって、男は男なんだから、そんなに気にすることはないと思うの。
*橋蔵______いや、まだあるんだ。声・・昔は出たけど、もうダメだね。変にウラ声になっちゃって・・・もう、あんな細い声はでないよ。たくましくなってね(笑)マミイみたいに七色はね(笑)

🌼老けにはヨワイ
*ひばり____でも、トミイの雪之丞って、何といっても適役だと思うな。映画界を見渡したところ、いまあれをやれる人は他にいないし・・・。
*橋蔵______ただね、雪之丞は、僕で4人目だろう!?(長谷川一夫、東千代之介、ひばりちゃんに次いで)前がみんな立派だったから、とてもやりにくいんだ。
*ひばり____私はそうは思わないな。かえって、すごくやりがいがある。もちろん、難しいけど・・・自分の雪之丞、誰々の雪之丞って比較されて見られるの、辛い反面たのしみがある。ファイトが出て・・・ただね、私の場合は、トミイと反対に闇太郎で泣いちゃった。(笑)なにしろ、背が小さいでしょ。闇太郎じゃなくて闇小僧だもの。(笑)
*橋蔵______だって、マミイは鉄火肌の姐御とか、男役みたいなの、わりとやってるからいいじゃない。
*ひばり____それだから、ちょっと男みたいなところのある女・・つまり逆だけど、女形の雪之丞は楽だったけどさ、闇太郎はほんとの男だものね。(笑)あの時は、ほんとに、せめてもう二寸は背がほしいなあとおもったわ。
*橋蔵______そういえば、マミイの「雪之丞」の時、お母さんの役もやってたね。僕は今度のでお父つぁんやってるんだ。(笑)ワンシーンだけだけどね・・・。
*ひばり____ほんと?わァ(と手をたたいて喜ぶ、笑)・・でもいやだったなァ、あの時。二木てるみちゃんがやったんだけど7つか8つぐらいだったあの子が、”お母ちゃん!っていうんだもの。私何ともいえない気持ちになっちゃった。(笑)
*橋蔵______いやな気持だね、あれ。(笑)ぼくの場合ね、それが初日なの。(笑)いきなり4回もNGを出しちゃった。(笑)やはり、経験がないし、感じがまるでつかめないんだよ。(笑)ああいうの、ヨワイね。

🌸イレズミはたのし
*ひばり____トミイ、私ね、昨日”浜松屋”(弁天小僧の一場面)やったのよ。”知らざアいってきかせやしょう・・・”ってサ。(笑)
*橋蔵______へぇー。クリカラモンモン(いれずみ)出して?
*ひばり____そうなの。生まれてはじめてイレズミ書いたの。うれしかったわ。(笑)なんだかくすぐったいのね。(笑)越河さん、女の人にイレズミやるのは初めてか知らないけど、とても遠慮しちゃって、私の肌に障る旅に”スミマセン”っていうの。(笑)
*橋蔵______女は得だね。僕なんか遠慮なしに皮をひっぱられちゃうけど。(笑)まァ、それは冗談だけどね。
*ひばり____でも、イレズミして鏡見たら、ものすごく強そうに見えて・・・思わず胸を張っちゃった…。(笑)
*橋蔵______そうなんだ。不思議と気が強くなっちゃう。何か、喧嘩でもしたくなるような気分になっちゃうから、イレズミしてる人って、それだけでも強くなるのかも知れないね。(笑)
*ひばり____本編で1回と、山車の上で1回、あと2回肌ぬぎになるんだけど、ちょっと楽しみだな。(笑)・・・でもね、あれ、自分でちょっとでも恥ずかしいなと思ったら、見てる人も照れくさくなっちゃうし、グロになるわね。私なんか平気だからいいけど・・・。足も丸出しだもの。アグラかいちゃってさ・・・しびれがきれちゃった。(笑)
*橋蔵______そうそう、それで思い出したけど、昔のドサ廻りの劇団でね、やっぱり「弁天小僧」やったんだって・・・それで、裾をパッとまくって、右手でこうやって(とジェスチャー入りで)左足の指を引っぱったのはいいけど、その上に右足が乗ってたもんだから、こうなって。(と、うしろにひっくり返る、爆笑)
*ひばり____(橋蔵さんにすがりついて)いやーん。それじゃまるで・・・。(と、笑い転げて、あとは言葉にならない)


🌷女装の立廻り
*橋蔵______僕ね、こんどの作品でただ一つ楽しみがあるんだ。マミイは「弁天小僧」でもどうせやるだろうけど、「雪之丞」の女装っていうか、ああいう格好で立廻りしてみたいなと思ってたのが実現するんだ。内股で立廻りっていうのは、ちょっとした魅力た゜ものね。
*ひばり____トミイたちの方から見たら、たしかに、そう思うでしょうね。でも、逆に私の方からいえば、闇太郎の時なんかの殺陣は楽しかった。
*橋蔵 _____そうすると、今度の弁天小僧は、この間やった雷ちゃんのと同じでやっぱり男なんだね。マミイがやるんだから、弁天小僧実は女だった、なんて新事実にするとおもしろかったのにね。(笑)
*ひばり____まさか・・・それじゃ喜劇になっちゃうわよ。(笑)
*橋蔵______でもさ、ちょっとしたアイデアだよ。(笑)
*ひばり____今度の作品のために何か参考試写見た?
*橋蔵______ううん。別にしなかったけど、この間、長谷川(一夫)先生のところへ伺って、いろいろ教えていただいたんだ。着物はこうだとか、はきものは下をえぐったものがいいとか、セリフのことまで・・・ずいぶん参考になったよ。それで、先生に、もっと早く来ればいいのに、遠慮なんかしないで、っていわれちゃった。
*ひばり____いよいよ期待が大きくなったわ。(笑)「雪之丞」家中総動員で絶対見ますからね、張り切ってやってね。もし、うまくやらなかったら、トミイとは縁切っちゃうから・・・。(笑)
*橋蔵______おいおい、大変なことになっちゃったな。(笑)じゃまァ、とにかく一生懸命にやるけど、(笑)よく出来たら何をご褒美にくれる?
*ひばり____ご褒美は”塩辛”、(笑)
*橋蔵______”加藤家に過ぎたるものが一つあり”か。(笑)
*ひばり____出た出た(と、笑い転げる)・・・ほんとに失礼しちゃうわ。でもね、パパに「トミイって、こんなひどいこというのよ」っていったら、パパ、怒るどころかすっかり喜んじゃって、きっと、今頃は熱入れて作ってるわ。(笑)
*橋蔵______だけどさ、ほんとにあの塩辛、天下一品なんだもの。よーし、何としても、一生懸命やるか。(笑)



(11)・・●「コンビの休日」  大川橋蔵さん・美空ひばりさん
(1959年平凡12月号「コンビの休日」より)
この画像は、livedoorの ブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡
「コンビの休日」



秋晴れのある日、大川橋蔵さんと美空ひばりさんの仲よし名コンビは、久しぶりの休日を、京都駅から汽車で15分で行ける清瀧-----保津川というコースでハイキングに出かけました。
「山の空気っておいしいネ・・」
といつも狭いセットでお仕事をしているお二人は、すんだ空気を胸いっぱい吸ってゴキゲンです。


保津川の落合から嵐山まで、毎日運行されている観光船に乗り込んだお二人は、木の葉のようにゆれながら、水しぶきをいっぱいにうけて、岩と岩の間をたくみにぬけるスリルを楽しみました。


足どりかるくハミングすれば、森の小鳥も歌い出す・・ラン ラン ラン


「お腹ペコペコ・・・」と河原にある桟敷で小休止です。すぐ下をすみきった水が、ゴウゴウとものすごい水しぶきをたてて流れています。


「ホラ、あの峠を越えて来たのよ」
「ずいぶん歩いたもんだネ」
ここからは谷あり、川あり、鉄橋ありという絶景の眺めです。




(10)・・●若旦那と若様  江戸ッ子だってネ
(1959年明星12月号 特集**二人の好敵手"ごきげん対談"から)
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➡​ 特集**二人の好敵手から
錦ちゃんが勝つかトミイが勝つか? 明星ベストテン人気投票でも一、二を争った若手時代劇のトップスタアが珍しく顔を合わせてのおしゃべり合戦。これは明星が皆さまに贈るデラックス対談です!

おなじ東映にいても、スケジュールに追いかけられる両雄はメッタに顔をあわせません。ところが秋晴れのある日、錦ちゃんのマーキュリーと、トミイのキャデラックがめずらしくコンニチワとハチ合わせをしました。
さあそこは江戸ッ子のご両人、クルマだ、野球だ、釣だ・・・はては珍妙なホルモン焼問答と談論風発、山積みした仕事もそっちのけにしてつもる話に花を咲かせたというわけです。

☆相手が馬では・・・
橋蔵____錦ちゃん、スゴイ自動車買ったんだって?
錦之助__うん、マーキュリーの58年だけど、全部オートマチックなんだ。
橋蔵____特別注文したの?
錦之助__そう、ギヤをボンといれれば、あとはアクセルを踏むだけで、OK、スーッと
     ね。
橋蔵____デラックスだな。いつも自分で運転する?
錦之助__と聞かれるとヨワイね(笑)駆け足したほうが早かったりして。(笑)橋蔵
さんの車は?
橋蔵____キャデラックの56年。でも僕はハンドル握ったことないんだ。(笑)
錦之助__しかし僕も運転は雨の日は絶対やめてる。免許証だけは5、6年前にとったん
だけどね。
橋蔵____撮影で疲れてるときなんか、事故のもとだからね。
錦之助__いっそ橋蔵さんみたいに、免許証とらなけりゃよかった。(笑)
橋蔵____僕のはとれなかったっていうのが、本音かな。(笑)ところでこの頃野球の
ほうは?
錦之助__まずいんだそれが。この間『風雲児織田信長』のロケで足を捻挫しちゃっ
     て。
橋蔵____暴れ馬のシワザだね。(笑)
錦之助__うん、相手が馬じゃ喧嘩にならない。これがホントの馬耳東風・・・。笑)
橋蔵____治ったら僕のチームとお手合わせを。(笑)
錦之助__治らなくてもいいよ(笑)橋蔵さんのブリッジスチームなら相手にとって不
足はない。実はね、ビッコをひいても嘉津雄を相手にキャッチボールだけは
してるんだ。(笑)
橋蔵____すごいファイトだな。錦ちゃんのゴールデンスは連戦連勝なんだって?
錦之助__初め作ったチームは強すぎて相手がいないんだ。(笑)されで大慌てで第二
軍をこしらえて、僕はやっとこ、そこの二番打者。
橋蔵____錦之助さんがそれじゃ僕なんかベビー野球だな。(笑)
錦之助__ゴケンソンでしょう。トミイ十八番の一文字崩しのバッティングって有名だ
よ。(笑)

☆呑ん平はツライネ
錦之助__ところでこのごろ釣りにコッてるんだけど、橋蔵さんは鮎釣りのベテランだ
ってね。
橋蔵____とんでもない、今年はじめて病みつきになったベテランなんてないよ。
(笑)錦ちゃんは4、5万円もする秘蔵の竿を持ってるそうだけど?
錦之助__ええ、鮎釣りはヤマイコウモウでね。(笑)だけど水の中に腹までつかっ
て、竿をふるのは豪快だな。僕にピッタリだ。(笑)
橋蔵____錦ちゃん式漁獲法って有名だけど、どうやる?
錦之助__いろいろ方法はあるんだけどさ。これは秘中の秘だからな。それより橋蔵さ
んの方法はどんなの?
橋蔵____僕はね、潜水メガネをかけてタマリ場に追い込んだ鮎をもっていってカギで
引っ掛けちゃう。(笑)
錦之助__トミイ式引っかけ法か。(笑)最高は何匹?
橋蔵____数はヨワイな。僕のは理論的な釣りだから。(笑)
錦之助__鮎釣りは要するに場所だね。僕はバケツに2杯半の記録がある。ただし9人で
ね。
橋蔵____おどろきました、どこ?
錦之助__ダメダメ、この場所はかりは秘密なんだから。
橋蔵____ツメタイな。(笑)
錦之助__じゃあ橋蔵さんだけにソット教えるか。マッ、この次にしとこうッと。
(笑)
橋蔵____ツメたいね。よーし、この次の日曜は、こっちはバケツ3杯の戦果をあげる
から。
錦之助__ところで魚もうまいけど、そろそろカン酒もうまいシーズンでね。(笑)で
もね、最近はがぶ飲みをやめたせいか、ちょっとペースが落ちたね。
橋蔵____僕なんかブランデーを小さなグラスにちょっぴりで真赤になっちゃう。
錦之助__チョッピリでね。(笑)こんど立派なホームバーを作ったんだって?
橋蔵____あれはお客さん用なんた。
錦之助__羨ましいナ。(笑)僕はお客さん待ちきれないで、みんな自分でたいらげち
ゃった、それで空瓶ばっかりずらり(笑)
橋蔵____呑ん平はツライね。(笑)
錦之助__こんど飲みたくなったらお宅へ伺うかな。
橋蔵____どうぞ、いつでもおいでくださいませ。(笑)
錦之助__なにぶんよろしく(笑)

☆天に梯子をかけて
橋蔵____錦之助さん、『織田信長』の次は何です?
錦之助__『男の中の男一匹』、これは一心太助だけど、その後は嘉津雄とくんで『殿
さま弥次喜多道中』かな。
橋蔵____タフだなあ、『浪花の恋の物語』の忠兵衛には僕、敬服したんだけど。
錦之助__いやあとうも。(笑)
橋蔵____僕も世話物をぜひ撮りたくてね。とにかく芸の世界に完成はないんだから、
これからはどんどんむずかしい役に取り組まなくちゃあ。
錦之助__こんどは『雪之丞変化』だって?
橋蔵____それと『上州土産百両首』しかし、僕にしても錦ちゃんにしても、よく体が
もつね。錦ちゃんのすごいエネルギーのもとはホルモン焼かな。
錦之助__バレタカッ。(笑)でも橋蔵さんもだいぶホルモンファンだっていう噂だ
よ。(笑)
橋蔵____ところがファンなんてものじゃない。(笑)この春家を建てたとき、ホルモ
ン焼パーティーをやるためにベランダを作ってね。
錦之助__屋上のホルモン・パーティーか、イカスぜそいつは。(笑)
橋蔵____最近もジュウジュウやってる?
錦之助__ウン、夜中に起きだしてね。こっそり西門院の方へ肉を買いに行くんだ。
橋蔵____闇にマギレテ・・・。(笑)
錦之助__そう、シコタマ仕入れてきてね。こっそり焼くんだけど、油煙がすごいし、
おまけにあのニオイときたら・・・。
橋蔵____防ぎようがないから、すぐすぐバレちゃう。(笑)
錦之助__よし、じゃあ橋蔵邸にならって、ホルモン焼専用のベランダを作るか。
(笑)
橋蔵____アレは専売特許なんだけどな。
錦之助__特許料をハラウよ。(笑)
橋蔵____それは免除するから、時々ご馳走になりに行くかな。
錦之助__橋蔵さんがウチへ来てる間に、僕がお宅のホームバーを襲ったりしてね。
(笑)
橋蔵___とにかく大いにエネルギーを蓄えて、いい仕事をしたいな。人間としても俳
優としても野心は大きくもって、与えられた役柄にはファイトを燃やしてブ
ツカッて行く。
錦之助__僕の座右銘は「正義」・・前に撮った『青雲の鬼』のセリフじゃないけど、
天に梯子をかけて、一歩一歩登って行こうと思ってる。
錦之助__いかにも錦ちゃんらしいな。
錦之助__お互いにとにかく前進あるのみだ。
橋蔵____江戸ッ子の意気にかけてもガンバルよ。
錦之助__ホルモン焼をムシャムシャ食べてかい。(笑)
橋蔵____ガブ飲みはつつしんでね。
錦之助__ご忠告アリガトウ(笑)



(9)・・●走れ! 若さまジョッキー   大川橋蔵さん  丘さとみさん
(1959年明星11月号から)
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理想はリズ・テイラー

みのりの秋です食欲の秋です。天高く馬も人も肥ゆる季節です。(シツレイ)
運動不足はいけません、さあ出かけましょう愛馬にヒトムチあてて。
ウマのない人は(シカタガナイ)駆けだしましょう。
ほら元気なトミーや丘ちんに負けないように・・・

ここは嵐山、保津川の清流を蹴って渡月橋に向かうと、しぶきの中に小さな虹の橋がたくさん出来ました。モダンな若さまとお姫さまをのせた白馬は、お伽の国からやってきたみたいです。

「久しぶりで痛快に駆けちゃった」
「一日休みがあるともっと遠くまでいけるんだけどザンネン」

(m.wの独り言・・・5枚画像があったのですが小さかったり、橋蔵さまのところが切れてしまっているため、3枚掲載です)




(8)・・●トミイの新居ただいま落成  大川橋蔵さん  美空ひばりさん
(1959年明星8月号から)
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1959年明星8月号から

京洛の昔の面影もまだあちらこちらに残っている北白川の高台にモダンな若様侍トミーの新居が出来上がりました。
トミーのアイデアによるスマートなデザインのホーム・バーを訪れたイのイチバンのお客様は、もちろん大の仲よしのひばりちゃんでした。
マミーは白地にバラの花をあしらったお召しをぐっとイキに着こなして、今宵の新築祝いに駈けつけたのでした。
「とつてもすてきなおウチね」「おおきに!」
というわけで、ひばりちゃんと一緒に、カメラも橋蔵邸を拝見させていただきました。

右ページ画像
   上・・窓には障子を入れた和洋折衷の新しい様式の茶室にて・・・
   下・・居間の三面鏡も東映スコープばり?
左ページ画像
   上・・客間で六代目菊五郎の功績をたたえたアルバムに見入るふたり
中央画像・・お部屋のマスコット 花嫁人形をだいて
      「お嫁さんが来ればもうスッカリね」
      「マミーだってお年頃じゃないか」 

2021.9.27
(7)・・●トミイの新居で七夕まつり  大川橋蔵さん・団令子さん・丘さとみさん
(1959年平凡8月号 トミイの新居で七夕まつり)
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新居で七夕まつり

一年にたった一度きり逢えない恋人たち、そう、もう七夕がやってきました。風鈴の音もさわやかなある宵、新居に落ち着いたトミイを珍しいお客様が訪ねてきました。
「ダン子ちゃん、しばらくですね」
「そうよ、京都で育ったくせに、東京にすっかり住みついちゃって・・」
「うちだけやに、京都の水を忘れないのは」
と、これは丘さとみさん。
溜息をつきたくなるような豪華な七夕まつりです。



ファンの皆さんと待ちに待った大川橋蔵さんの京都の新居が完成しました。ご近所には高田浩吉さんなどスターがたくさん住んでいる閑静なところです。
2階の窓を開けると、緑に包まれた吉田山、そして大文字山も一望のもとに見渡せます。
純白の塀に囲まれたこのお家は、忙しいトミイに憩と安らぎとを与えてくれることでしょう。
右ページ画像
   上・・「ここは僕の寝室、ファンから送られた人形に囲まれて夢をみるんだ」
      「どんな夢?」
      「僕が三味線をひいて、恋人たちは静かに踊るのさ」
      お茶目な丘さんと団さんは、扇を持ちだして踊り始めました。
   下・・「トミイのために乾杯や」
      両手に花のわれらがトミイには、今日は最良の日
      「こういう乾杯なら毎日でも悪くないナ。ダン子ちゃんも丘ちゃんも幸せ
      に・・」
左ページ画像
   上・・「イキでモダンな京風のバーやな」
       「ダンゼン気に入った、そのうえトミイと踊れるなんて、まるで夢みた
        い」
      玄関わきの応接間を兼ねたホーム・バーは、しびれるようなリズムにわき たちます。
   下・・「またいらっしゃい」
      「ありがと、うちヒマな時寄せてもらいます」
      「私はしばらくごぶさたネ」
      こころよい風に頬を上気させたお二人は、トミイと別れるのがいかにも惜 しそうでした。


(6)・・● お馬ハイドウ  大川橋蔵さん、丘さとみさん、花園ひろみさん (1959年平凡 新春増刊号から)
この記事は、livedoorのブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡​ 1959年平凡 新春増刊号

時代劇と乗馬とはたいへん密接な関係にありますが、時代劇の多い東映京都では、撮影所から5分ぐらいの所に乗馬練習所という専用の馬場まで備えています。ある快晴の日曜日、大川橋蔵さん、丘さとみさん、花園ひろみさんが乗馬のお稽古はじめにやってきました。
(画像)
1  あ、これから今年の初乗りです。右から花園さんが乗っている馬がリリ号、丘さ
んのがアサヒ号でいずれも主演者を乗せる馬だそうです
2  乗馬服姿もなかなかイキですね
3  演技者はみんな愛馬会という練習グループに入って練習をします。3人とも普段の
練習ぶりがうかがえるよう
4  橋蔵さんが乗る馬は大抵このシラユキ号、今日は新しく作った茶の上衣に縞のボー
タイをイキにしめ、白い乗馬ズボンに茶の長靴というイカす橋蔵さんの服装です

(5)・・●(21)の「青空対談  デートはビルの上では」大川橋蔵さん  野添ひとみさん (1958年平凡別冊6月号{「大川橋蔵グラフ」より)
この画像は、livedoorのブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡ 大川橋蔵グラフより・・・(21)


晴れた空にはアドバルーン、お話しましょうあなたと私、風も爽やかビルの上

◇銀座の空の下で
*ひとみ__しばらくでした。
*橋蔵____すっかりご無沙汰しちゃって。銀座を歩くのなんて、ほんとに久しぶぶり、元気?
*ひとみ__ウン。すごく張り切ってるわ。橋蔵さん、いつ東京へいらしたの。
*橋蔵____やだなあ、東京はぼくのふるさとだよ。
*ひとみ__あら、ごめんなさい。(笑)
*橋蔵____いやいや、なにもあやまんなくってもさ。実はそう聞かれてもしょうがないよ。ちょくちょく東京へは帰って来るけれどもね。朝着いて夜行でまた京都へ戻るような帰り方なんだ。
*ひとみ__わアー、忙しいのねえ。
*橋蔵____東京でこんなにのんびりできるのは、そう、(と口の中て数えながら)4ヵ月ぶり。
*ひとみ__撮影のほうは?
*橋蔵____ちょうど次の作品に入るまでに、四日ばかり暇が出来たんでね。こんどは
ひばりちゃんとの『花笠若衆』と『若殿千両笠』。京都へ帰ればまた忙しくな るん だ。ひとみちゃんは?
*ひとみ__大映の『巨人と玩具』で忙しいの。今日もロケの予定だったんだけど、朝曇
ってたでしょう、それで中止。私の役はネ、色が黒くて眼が大きくて、ぐっと下品な下町娘で、男の子が通ると「ピーッ」なんて口笛吹いて。それがカメラ雑誌のカバー・ガールになって、それが縁で歌手になるの。
*橋蔵____ヘエ―、まるでひとみちゃんとは逆なタイプじゃないか。
*ひとみ__そうなの、だから大変。でもやりがいがあっておもしろいわ。
*橋蔵____熱演を期待しているよ。そういえば、『江戸ッ子祭り』よかった!
*ひとみ__あら、みてくれた!橋蔵さんて、忙しい忙しいなんてボヤきながら、ちゃん
と映画をみてらっしゃるのね、えらいわ。
*橋蔵____それはネ(小さな声で)ひとみちゃんの映画だからさ(笑)
*ひとみ__あーら、お上手ね。でもうれしいわ、ありがとう。

◇江戸ッ子のおのぼりさん
*橋蔵____(ぐーっと大きく伸びをして)ねえ、ひとみちゃん、こうして高いところから
みると、銀座はやっぱり東京のど真ん中だね、京都とはくらべられないほど広いし、このビルの林をみていると、なんだかとっても楽しくなるね。
*ひとみ__そりゃあ、橋蔵さんは江戸ッ子ですもの。
*橋蔵____ところがね、江戸ッ子のぼくが、この頃の東京はすっかり不案内なんだ。うちの近くの芝公園には、ものすごく高いテレビ塔がそびえているし、数寄 屋橋にはハイ・ウエイが出来ていくし、すっかりおのぼりさんになっちゃった。(笑)
*ひとみ__でも楽しみじゃない、どのくらい変わってるかな、なんて思うとサ。私なん
か京都へ行ったときなんか、着いたらすぐ東京へ帰りたくなっちゃった。帰りたくなかったのは、志賀高原へスキーに行ったときだけ。
*橋蔵____ウワーあきれた女(ひと)だ。(笑)
*ひとみ__まだ、あきれられたことがあるのよ。朝、京都の撮影所へ行くでしょう。
そうすると浩ちゃん(川口)と二人で「きょうの撮影は何時に終わるの」とか そんなことばかり聞くもんだから、スタッフの人が・・・
*橋蔵____あきれた?
*ひとみ__そうなの、こんなに終りの時間ばかり聞く人は、はじめてだって。(笑)
*橋蔵____京都のご感想はどう?
*ひとみ__落ち着いたいい街だけど、せますぎるわア。橋蔵さんは、旅館住まいですか?
*橋蔵____ウン、もう三年になるよ。家を探そうにも、探す暇がぜんぜんないんだ。そろそろあきがきていい頃だけど・・まあ、気楽は気楽だからね。
*ひとみ__私の理想はホテルで暮らすこと。ちょっと贅沢すぎるかしら。
*橋蔵____ひとみちゃん、ちょっと下をみてごらん。
*ひとみ__なあに、わーッ、こわい。随分高いなあ、落っこちそうよ。押えてて!
*橋蔵____(笑いながら)ホテルって、このぐらい高いんじゃないかな。ここは九階の屋
上だからね。
*ひとみ__ほんとに高いわあ。下を歩いている人がアリみたい。やっぱりあんまり高い
ホテルはこわい。せいぜい二階か三階ぐらいの部屋にするわ。
*橋蔵____こわかった?
*ひとみ__いじわるだなあ、(笑)目がまわっちゃった。

◇私が相手じゃいけないかしら
*橋蔵____ねえ、ひとみちゃん、銀座も地上とビルの上では、随分気分が違うね。
*ひとみ__静かだわ。
*橋蔵____服部の大時計が目の前で、見守っていてくれるから、たぶんあいびきには
絶好の場所だと思うな。
*ひとみ__彼氏も彼女も時刻を正確に守るだろうし・・・。
*橋蔵____すごくロマンチックになる。
*ひとみ__もやで遠くのほうが霞んでみえるのも素敵だわ。
*橋蔵____なんて話していると、恋人同士に間違えられちゃうね。
*ひとみ__フフフ・・・思うだけね。
*橋蔵____忙しいからね、でも、忙しいほうが幸福だな。
*ひとみ__こんど休みがとれたら、箱根の仙石原へゴルフに行こうかと思ってるの、橋
蔵さんは?
*橋蔵____前は鴨川のゴルフ場でやってたんだが、この頃はご無沙汰してるなあ。
*ひとみ__私って、運動神経はすごく発達してるの。ボーリングだって自身がある。
*橋蔵____ぼくはね、こんど一週間ぐらい休みがとれたら、京都から東京まで、三日
ぐらいかかって自動車旅行しようかと思ってるんだ。
*ひとみ__それはいい考えだわ。三日ぐらいあれば、道中ゆっくりできるし。
*橋蔵____第一日は岐阜あたりでやすんで、次の日は蒲郡辺で一泊、三日目は伊豆の
どこかで温泉につかって、四日目に東京へ着くってのはどう?
*ひとみ__運転も楽だわね。いろんなところをゆっくり見てまわれるしね。
*橋蔵____ただ問題は、それだけの休暇がとれるかどうか。きっとダメだろうけどネ。
(笑)
*ひとみ__とれるかもしれなくってよ。
*橋蔵____プランを考えるだけでも楽しいよ。ときに、ひとみちゃん、こんどはいつ時代劇なの。
*ひとみ__お話はいくつかあったんだけど、まだ・・・。でたいなあ、と思っても撮影
中の作品とだぶっちゃって。いつもだめなの。
*橋蔵____ひとみちゃんと一ぺん共演してみたいなあ。
*ひとみ__私も。時代劇って面白いもの。私って欲ばりだから、なんでもやってみたい
の。橋蔵さんが相手なら願ってもないわ。
*橋蔵____青空の下で話し合うと、すっかり意見があっちゃうね。
*ひとみ__あッたいへん、(服部の大時計と腕時計をみくらべて)これから『巨人と玩具』 の六音があるの。そろそろ行かなくちゃ。
*橋蔵____遅れちゃいけないよ。そろそろ下界へおりようか。
*ひとみ__橋蔵さんは、これからどちらへ。
*橋蔵____久しぶりの東京の休日だから、せいぜいのんびりしたいんだが、雑誌の
     仕事がいっぱいなんだ。
(というわけで・・橋蔵さんにとっては、取材ながらも、少しは東京の空気を吸えた一時でしたね)

(4)・・●③昼さがりの銀座四丁目  大川橋蔵さん 野添ひとみさん (1958年平凡別冊6月号{「大川橋蔵グラフ」より)
この画像は、livedoorのブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡ 大川橋蔵グラフより③


1 二人が歩けばハトも並んでヨチヨチ、宮城の松の緑は目にしみるばかりです。
2 春樹、真知子の数寄屋橋もこかなに変りました。 高速度道路がかかるのです。
  東京の真ん中に人っ子一人いないなんてウソみたいです。
3 「少し休んでいこうか」
こころよい風が吹き抜けるお堀端です。
4 「いい道だなア もっととばそう」真昼のハイウェイは快適です。
5 「あれが国会議事堂ネ」「左がテレビ塔」「あの近くに橋蔵さんのお宅があるのネ」
  ここの見晴らしは銀座一です。眼下の尾張町交差点が小さく見えますね。
6 あら、橋蔵さんと野添ひとみさんだわ、そんなささやきを後ろに、二人は銀座四丁目の雑踏をぬって行きます。


(3)・・●「 山の彼方の空遠く」  若尾文子・大川橋蔵 (1957年4月号 雑誌から)
この画像は、livedoorのブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡ やくざ姿で刀を抜けば

季節の移り変りと共に日毎に美しい色あいを見せて来る京都の山を背景に、のどかな休日を迎えた青春の表情
「京都っていいわね、静かで、綺麗で、渋くって!」
「ヘエー、若尾ちゃろんみたいな活発な女性が「ワビ」とか「サビ」の京都らしさを愛すなんて変だな」
「あら、そんな事ないわ、勿論、銀座だっていいけれど、こういう場所も好きだわ。今度引越した東京の家も、近くに池がある静かな場所よ」
「それじゃ、東京へ帰ったら遊びにいこうかな?」
「どうぞ、ぜひいらっしゃって下さいな、キッとよ!」
若いあ二人の新緑の候の語らいは際限もなく続いて行きます。
静の街京都の休日を愉しく過ごすホープ二人の頭上には白い雲がポッカリ浮かび、小鳥が初夏の到来をつげていました。



(2)・・●「東西美男スターの一日」 大川橋蔵・田村高広・・(1957年初春発売 雑誌から)
この画像は、livedoorのブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡ 好青年橋蔵さんのグラフからいろいろ

京の2月にも、早や春の日ざしがかかっていました。
鴨川の水面にキラキラと光る太陽が「もう春だよ」と告げているその日、
「ヤァ、はじめまして」
「本当に、今までお逢いしなかったのが嘘のようですね」
と、東西の美男スターが明日の栄を約束するように、堅く握手を交わしました。
その名は、東映の人気スター大川橋蔵さんと、松竹の田村高広さんです。
橋蔵さんは「修羅時鳥」の撮影がアップして高広さんは「男の牙」の撮入で京都にいらしたのです。

(画像)
1.小春日和の中で童心にかえるその日
2.京都の街中もいいですねとお二人
3.お近づきに一盃!と意気投合!



(1)・・●「愉しきかな我等の青春!」大川橋蔵・高千穂ひづる・・(1957年初春発売 雑誌から)
この画像は、livedoorの ブログ"心の軌跡"のほうの掲載記事とリンクさせています➡ 好青年橋蔵さんのグラフからいろいろ

お正月作品に向かって東映京都はてんやわんや
「たまには、こう、バーッと広い野原に出て、いい空気を吸いたいわ」
早めに仕事の終わった高千穂さんが呟けば
「ガッテン!引きうけて!」
と大川橋蔵さん、さすがは目下、恋人同志とあって気も合った速答です。
というのは、今「任侠清水港」でお二人は仲むつましい恋人同志の役を演じているのです。



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