Brog Of Ropesu

Brog Of Ropesu

かんばと! ~番外編~






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第79話  ~果たされなかった約束~







「結論は出たみたいだね。

・・でも、僕如きの為に君ら手を汚させるわけにはいかないさ。返して貰うよ。僕のギター」





ガシッ



グイッ!









「わっ・・!とっ・・!」






ガシャン!








(自分で自分のギターを粉々にしやがった・・あれが無くなっちまえばアイツの攻撃手段も無くなっちまうのに、一体どういうつもりだ?)










「・・そう。自分の最期の時まで誰かに逆らう・・それがロックの魂さ。ギターで死ねるなら本望だよ。

道化は道家のまま終わるのが道理さ・・カーテンコールは・・要らないか・・な・・?」




シュルシュル・・








(アイツ・・!まさか弦で・・首を・・!)







クッ







ガクン









「そんな・・!こんな事って・・・・!まだやり直せたかも知れないのに・・!」









「残酷な様だが、しょうがなかったんだ。見てみろ。窒息死っつーのはかなりしんどい死に方だが、顔は穏やかなモンじゃあないか。

・・きっと、アイツにとっての救いは・・自ら命を絶つことだけだったのさ。リタ。アンタが気に病む必要は無い。

・・そうでもして自分を納得させないと、な。潰れちまうぞ。いずれ、な」







バタンッ!








「六槍!アンタの力を貸しなさい!侵入者に非常階段を突破されたわ!早くアイツを始末しないと・・って、六槍!・・・・死んじゃったの?!

・・・・チッ!じゃあ、もうここに用は無いわ!ルー辺りと合流しなきゃ・・!アンタらどきなさい!邪魔なのよ!死ね!」





カッ!









「私の身体が・・うそ・・・・いやぁあ!!崩れていく!崩れて・・い・・魅子ちゃ・・・・・・シオ・・君・・・・ごめ・・・・私、ここで終わ・・・・みた・・・・」





ボロッ・・


ガサガサ・・



サァーッ・・・・








「リタァアアアア!!そんな・・嘘だろ・・?さっきまで元気だったのに・・一瞬で腐り落ちて崩れちまうなんて・・・・・・嘘だっ・・!ウソダァアアア!!!!」









「私の時を進める力で生きながらにして腐敗、風化していく気分はどう?・・って、もう空調の風に飛ばされて粉微塵になっちゃったから感想なんてきけないか」








「うぅ・・リタ・・・・りたぁ・・・・」





ガサッガサッ・・






「無駄無駄。その肉片を必死にかき集めても、もう元には戻らないし。そもそも、あんだけ散らばったのを全部集めるのもム~リ♪

じゃ、見苦しいからアンタもとっとと逝っちゃいなさいな。バァイ♪」







カッ!







「リタ・・りたぁ・・・・り・・・・・・・・・」





ボロッ・・


ガサガサ・・



サァーッ・・・・









「さ。グズグズしてると他の侵入者連中に鉢合わせて危ないからね。さっさとルーと合流しましょ」
















【死刑囚 六槍晃 死亡】


【出席番号 33番 フェイ 死亡】

【出席番号 38番 リタ・ラトゥール 死亡】





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第61話 ~ウロボロス~









「・・・・同情はするッス」











「あはは・・貴女は本当に優しい方なのですね。こんどうしようもない程穢れた・・救いようの無い程の罪を背負っているボクなんかに本気で哀しんでくれる・・・・ふふ・・最期に出会えたのが貴女の様な方で・・・・本当に良かった・・・・」






ザクッ




ネチャピチャ・・




ブシュゥゥゥウウウ・・











「ふふ・・・・でも・・もう良いんです。これがきっと本来あるべき結末なのでしょう・・ボクは今まで多くを傷つけて多くを奪ってきた・・それを返す時が来た・・それだけなんです・・」







ぐちゃり・・





ぴちゃ・・ぴちゃ・・・・








「アンタ・・?!何やってるんスか・・!?」










「ボクがボク自身に嫌気を・・強い怨恨・・激しい自己嫌悪・・

それら強い負の感情を抱いたから、この左腕はボク自身を敵意を持つ”排除物”として攻撃したきたのでしょう・・


はは・・ホント・・馬鹿みたいですよね・・

散々人に迷惑をかけた殺人鬼さんは自分の手で生涯を終えるのでした・・これが本当のめでたしめでたし・・・・

ふふ・・捻りの無い三流のストーリーですよね。

それはきっと・・自分のキバが伸び過ぎて死ぬげっ歯類、自らの尾を食い続けるウロボロスの様で・・」









「・・そんな・・そんなのって無いッスよ・・!折角・・これから仲良くなれたかも知れないんスのに・・!」










「ふふ・・どうか悲しまないで下さい。これはきっと・・そう。ボクに最初から決められていた結末なんです。

こんな・・奪ってばかりの人生だったけれど・・最期の最期・・今際の際にこんな素敵な人に出会えて・・・・悲しいとか寂しいだとか・・そういった負の感情よりも、満ち足りた・・嬉しさのが強いんです。


貴女はボクを救ってくれた・・感謝してもしきれま・・せ・・・・」











がくっ












「これが・・世間を震撼させた稀代の殺人鬼の最期・・ですか。幾ら何でもあんまり・・あんまりです・・・・」











「無性にやるせないニャ・・・・」













「・・・・・・」












「そんな事言われても・・オイラ馬鹿だから解らないッスよ・・」













シロはリーフイの遺志を継ぎ、太極拳、八極拳を覚えた・・










【死刑囚 リー・リーフイ 死亡】





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