発達障害児が伸び伸びと育つために~保健師の目で見た子育て~

褒めるために7「僕は役に立っている」



この褒め言葉をいったい何千回TAKUYAに言ってきたことでしょうか?

褒めようと思って言い始めた言葉ではなく、心の底から出てきた言葉だったのですが、TAKUYAはこの言葉をとても喜びます。だから私も買い物に行くたびにTAKUYAに「荷物を持ちにきてくれる?」と頼み、持ってもらって褒めちぎるようになりました。(実際荷物を持ってもらえると本当に助かります)すると、照れながらも本当に嬉しそうな表情を浮かべるのですよね。

“僕はお母さんを助けている。役に立ってる。
僕は力持ちでかっこいい。
男の子でよかった”

そんな風に思っているのが、表情から手に取るように感じられます。

そして、今では「荷物をもつのは僕の仕事」と絶対に私には荷物は持たせないのです。レディファーストの感覚です。(笑)
母親と言えども、私も女性です。荷物を持ってもらい、大事にしてもらえるのはとてもうれしいものです。

「力持ち」という褒め言葉は、男性にとってはうれしいもののようですねー。
(この言葉、ぜひ男の子のお母さんは試してみてください)


猜疑心が少なく、単純で、言葉通りに受け取るアスペっ子は、褒められればそのまま受け取り、うれしくなって、「もっと褒められるように、もっと、もっと」とばかりに、いいことをやり始めます。(そこがかわいい)

単純・・・というより、乗りやすい、というのでしょうか。
であれば、乗りやすい子を上手に乗せるのも、母親の大事な仕事のひとつです。そして本人が「人に喜ばれることをたくさんやろう」と思うように育てるのは、とても大切なことだと思います。

先日、この延長線上でこんなことがありました。

重そうな荷物を持って歩いていたおばあさんをみつけたTAKUYAは、
「おばあさん、どこ行くの?荷物重そうだね。僕が持ってあげるよ」
と言って、バス停まで持っていってあげたそうです。
おばあさんは、「今の時代にもこんな子がいるのね」と感激したそうですが、TAKUYAは褒められれば空をも飛んでしまうアスペっ子、
喜んでもらえて、本当に嬉しくて嬉しくたまらなかったようです。

「人に喜ばれることはうれしい」ということを体験的に知り、「喜ばせよう」とする子は、社会性が伸びやすくなります。
他人から喜ばれる人は、社会適応もしやすいですよね。

これは、「やってはいけないことをやらないように教える」ことよりも、ずっとラクで、親も子もハッピーになる社会性を伸ばす方法です。

ぜひ、やってみてください。



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