音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2018年01月02日
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カテゴリ: クラシック音楽


グリモーの旧譜「Resonances」(2010)をハイレゾ音源で聴く。
藤倉大の「チャンス・モンスーン」をハイレゾで買おうとしてe-ONKYOのサイトを見ていた時に、グラモフォンのハイレゾのセールがあり、通常価格¥3200のところを¥2000で購入した。
CDは輸入盤だと¥1200ほどで手に入るが、96kHz/24bitでもあり、思わず購入してしまった。
モーツァルト、ベルク、リスト、バルトークといういろいろな作曲家の作品が並んでいる。
ディストリビューターのサイトには「今回のテーマはオーストリア=ハンガリー帝国の時代精神を映し出した偉大な作曲家の作品、時代を築きあげた作品の系譜ともいうべきもの」
と書かれている。
なので、タイトルの「Resonance」はここでは「共鳴」という意味のようだ。
最近のピアニストは思索的な思考の結果をアルバムにまとめる(コンセプト・アルバム)傾向がみられるが、その狙いが正しく聞き手に伝わっているとはいいがたい。
なので、ピアニスト自身が解説を書くようなことも、しばしば見受けられる。
これも、聴き手次第で、丹念にブックレットを読む方以外には正しく伝わっているとは思えない。
冒頭のモーツァルトのピアノ・ソナタの第一楽章は左手の刻みがアチェレランド気味に刻まれるので、気ぜわしさがかんじられ、あまり気に入らない。
他の楽章はおおむね普通の表現。
第3楽章が少し早すぎる気がしたので、他のピアニストの演奏をいくつか聞いてみた。
グールドのモーレツに早いぎくしゃくした感じの演奏が異彩を放っているほかは、常識的な演奏だった。
ベルクのピアノ・ソナタ。
現在では現代音楽という扱いでなくなったのは喜ばしいことだが、それと同時に刺激的な表現はあまり感じられないようになってしまった。
これは聞き手側の問題ではあるが、少し寂しい気もする。
グリモーの演奏はとても美しいのだが、刺激はあまり感じられない。
リストのソナタも、昔だったら大曲の扱いだったが、最近はプログラムを構成する一曲という位置付けになったのも最近の傾向だろう。
昔なら考えられないことで、それだけピアニストの技術が向上し、この曲に対する意識もだいぶ変わってきたのだろう。
熱演だが、少し力不足。
ルーマニア民族舞曲は洗練された表現。
野蛮さが感じられないし、あまり土の香りがしないのが不満だといったら、無いものねだりだろうか。
録音はハイレゾらしい透明感があるが、幾分細身で、録音レベルも高くない。
ただ、再生機器を変えるとだいぶ様子が違ってくる。
当ブログの装置ではUSB DACでの再生よりはネットワーク・プレーヤーでの再生のほうが肉厚のサウンドになる。

Hélèn Grimaud:Resonances(DGG Hi-Res)

1.モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310(300d)
4.ベルク:ピアノ・ソナタ 作品1
5.リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
6.バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 BB68

エレーヌ・グリモー(P)

2010年9月 ベルリン・ラジオ・ステーション





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Last updated  2018年01月02日 17時31分05秒
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