音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2018年10月28日
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カテゴリ: ジャズ

今回は今年のグラミー賞最優秀大規模ジャズ・アンサンブル・アルバム賞にノミネートされたジョン・ビーズリー(1960-)というアレンジャーのビッグバンドのアルバム。
モンクの生誕100周年を記念した企画で、vol.1もグラミー賞の2部門でノミネートされていた。
まとめて2枚をimport_cdから購入。
どちらも優れた出来で、甲乙はつけがたいが、vol.1のほうがポピュラーな作品が多い。
ジョン・ビーズリーはセルジオ・メンデス(1980)を皮切りにマイルス・デイヴィス(1989)やフレディー・ハバードのグループでツアーしたこともある。
本業はアレンジャーでチャカ・カーン、カーリー・サイモン等のポップ・アーティストや映画音楽を手掛けているという。
モンクの特異な音楽に合わせたのだろうが、独特の感性のアレンジが、実に刺激的だ。
モンクの音楽を知らなくても、このCDを聴くと、(洗練すぎているとはいえ)彼の特異な音楽が理解できる。
トータルでこの前取り上げたクリスチャン・マクブライドのビッグバンドより数段上の出来だと思う。
モンクの曲はそれ自体が難解なのだが、それに加えてアレンジがかなり難しいと思う。
このグループは録音だけではなくコンサートも開いているので、一種のリハーサル・バンド的な組織だろう。
そうでなければ、これほど難しい譜面をこなせるとは思えない。
どの曲も刺激に満ちていて、わくわくする。
その中でも、モンクの特異性が良く出ている「クレプスキュール・ウィズ・ネリー」が大変興味深い。
クラリネット、バス・クラリネット、ヴァイオリンがフィーチャーされていて、この曲の特異性が際立った演奏だ。
レジーナ・カーターの奔放なヴァイオリン・ソロとバックで聞こえるハンド・クラップのようなサウンドとの組み合わせも新鮮だ。
最初のドンティー・ウィンズロウをフィーチャーした「Brake's Sake」も大変面白い。
キレキレのトランペット・ソロはもちろんのこと、続くラップには驚いた。
ビッグ・バンドでラップを導入した演奏は殆どないと思うが、意外にあっていて、従来のビッグバンドの可能性が広がったような気がする。
テレオン・ガリーのドラムスが、最近のジャズ・ドラムのトレンドを感じさせる精密なプレイで圧倒的な存在感が感じられる。
この方のタイトなドラミングは他の曲でも存在感が凄い。
「クリス・クロス」はペドリート・マルティネスのコンガをフィーチャーしたラテン的なアレンジだが、これもぴったりとはまっている。
出来ればマルティネスの強烈なヴォーカルも聴きたいところだ。
最後の「Work」は知らな曲だが、分厚いハーモニーで一種凶暴性も感じさせる。
ビッグバンドの醍醐味を感じさせる演奏だ。
ダイアンリーブスをフィーチャーした「Dear Ruby」は貫禄十分の歌唱でさすがだ。
個人的には彼女のアルバムを通して聴くとあまりいいとは思わないのだが、こういう形でフィーチャーすると、さすがにうまいと感じる。
だらだら書いていると終わらなくなるので、ここら辺にしておくが、全編スカなしで、これほど興奮させられるビッグ・バンドの演奏も珍しい。
アンサンブルもよく、特にトランペット・セクションの圧倒的な迫力は、なかなか聞けるものではない。
昨今ビッグバンドの運営は非常に難しいと思うが、これからもこの企画を継続してほしい。
昨年来日していたそうだが、、知るのが遅すぎた。
再来日してくれないだろうか。

John Beasley:MONK'estra, Vol. 2 (MAC AVENUE MAC 1125)

1 : Brake's Sake feat. Dontae Winslow
2 : Played Twice
3 : Crepuscule With Nellie (guest appearance by Regina Carter)
4 : Evidence (guest appearance by Kamasi Washington and Conrad Herwig)
5 : Ugly Beauty/Pannonica
6 : I Mean You
7 : Light Blue
8 : Dear Ruby (guest appearance by Dianne Reeves)
9 : Criss Cross (guest appearance by Pedrito Martinez)
10 : Work

All Composed by Thelonius Monk all arrenged by John Beasley except track 6 arranged by Brian Swartz

Recorded Untied Recording Studio B,Los Angeles,CA
The Hive Los Angeles,CA
Kaleidscope Studios Jersey City,NJ
Teaneck Sound Studios Teaneck,NJ





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Last updated  2018年10月28日 15時32分41秒
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