はぴこのいろいろ

はぴこのいろいろ

プロポーズ



 2003年、私は夏の終わりと共に心身の疲れが出てきました。ただただ忙しい毎日、そして思うように彼と会えない生活。抑うつに近い状態でクリニックを受診し、しばらく内服を始めました。

 食欲もなく、見た目にもやつれて体重も落ち、何もするにも憂鬱でした。ただ、彼と会えることだけがいつも楽しく幸せでした。

 そして心身の不調から仕事を辞めることを決めましたが、私の職場は中途退職は厳禁で、退職希望者を早期に把握することから9月頃には申請しなけらばなりませんでした。

 私は職場の上司に退職したいことを伝えましたが、いろいろな事情で退職希望を受け入れてくれず、病休も取れず、無我夢中でただ働きました。このときこんな状態で働いていたことは本当に苦しかったです。

 辞めてもいいよと、みんなが言ってくれましたが、私は辞めませんでした。辞めたくて仕方なかったけど、辞めることが出来ませんでした。




*プロポーズ*

 心身疲れからもうろうとした毎日を過ごしていましたが、彼と会える毎日は幸せでした。もっと一緒にいたい、そう思って半同棲ではなく、ちゃんと一緒に住みたい、そう伝えました。

 彼はというと、今のままでも同じじゃん!の一言。

 そんな毎日の中で、早く彼と結婚したい。30才の誕生日にプロポーズしてもらいたい。早くからそういう気持ちはありましたが、彼から言って欲しかったので、ずっと黙っていました。

 私の中で結婚願望がどんどん強くなり、どうにかして彼にプロポーズしてもらおうと思い、雰囲気のいい場所、雰囲気のいいお店に行っては彼の言葉を待っていました。

 でも、彼には結婚願望がないのかと思うくらい、なんの反応もなく30才の誕生日をフツーに迎えてしまいました。

 それなら、私からプロポーズするしかないと思いました。いつものように行き場所も決めずにドライブをして、海沿いの小さな喫茶店に入り、ここでプロポーズをしようと決めました。

 何を言ったかは覚えていませんが、必死の逆プロポーズ。

 やっぱり女の子はプロポーズの言葉を待っているのです。その言葉は一生の宝物になるのだと思います。プロポーズしながら彼が何も喋らないので泣きそうになったことを覚えています。

 その頃の私は心身の疲れから笑えることが少なくなっていました。そんな精神状態の私を、彼にしてみれば結婚することに対して時期早々に思っていたようです。でも私の結婚願望には気付いていたそうです。

 私が元気になること。それが結婚の条件になりました。

 目先のことしか考えていない私に対して、先のことまで考えてくれていた彼に本当に嬉しくなりました。人生のどん底のような気分で生活していたのに私のプロポーズを受け入れてくれて、心から彼のことが愛おしいと思いました。






© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: