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以前、あくびを意識した口の形のことを書きました。これが自然にできるようになってきたら、さらに口の中のフォームを完成させていきましょう。あくび=口の中にできるだけ広い空間を作ること。その助けとなるのが「目を見開くこと」です。目を大きく見開いてみてください。鼻や頬、上顎のあたりがひっぱられる感じがおわかりいただけると思います。歌うときにできるだけ目を見開いて歌う習慣をつければ口の中に大きな空間を保つことができます。ただ、このことばかりに気をとられると、ともすれば声の響きが暗くなってしまいます。そこで、目を見開くと同時に、「上の前歯を見せる」、または「頬の筋肉をあげる」(簡単に言えば「笑った顔を作る」)ことも意識してみてください。目を見開いたうえに上の前歯を見せるというのはなかなか難しいんですが、慣れればこれも自然にできるようになります。ちょっと形相が崩れるのが難点ですけれど、明るい声が出せるようになります。
January 31, 2006
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歌うときは吸った息を声にして出し、息が足りなくなるとまた吸う「ブレス」が繰り返されていきます。ブレスの基本は改めて取り上げることにして、今回はちょっと進んでブレスの時のイメージを取り上げてみましょう。音楽は音が鳴っている間だけが音楽ではありません。指揮者の手があがった瞬間から指揮台を降りるときまでが演奏です。その意味で休符もブレスも大切な音楽の一部です。ですから、ブレスをするときはただ息を吸うのではなく、次のことにも気をつけてみましょう。きっとあなたの音楽がかわると思います。1.「次の音の高さで吸う」次に出す音の高さをイメージしながら吸ってみましょう。次の音の高さを意識識しながら吸うと、体や口の中の形(フォーム)が自然に用意され、次の音がスムーズに出せるようになります。2.「次のフレーズの速度で吸う」次に歌う部分の速さにあわせて息を吸ってみましょう。速いときは息も速く吸い、ゆっくりなら息もゆっくり吸ってください。こうすれば曲に乗り遅れたり飛び出したりすることが減ってきます。そして、最後の目標は・・・「吸ったときには次のフレーズが完成している」吸うときには次にブレスするところまでの音楽、つまり一息で歌う範囲の音楽を意識していること。一息で歌う範囲が長ければ多く息を吸い、短ければ少しだけ吸うという、「着地点」を見据えたブレスができるようになれば、音楽は各段に進歩します。
January 25, 2006
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今回は、曲やフレーズの「歌い始め」についてです。歌い始めにあたって大切なことは「用意」です。練習中、他の人の姿を眺めてみてください。歌い始める直前にブレスしている人や、まわりが歌い始めて驚いたようにあわてて歌い始める人が何人かいらっしゃると思います。大切な場面では指揮者が入る指示を出してくれます。しかし、指示があってからあわてて準備していては、速いテンポの場合完全に遅れてしまいます。水泳や陸上競技では「用意」の間があって、スタートの合図とともに飛び出せる姿勢をとりますね。歌い始めるときもこれと同じで、「そろそろ入るところだな」というところがきたら1.ブレスして息をため2.出す音の高さ、強さ、速さをイメージし3.言葉にあわせた口の形を整えるという準備をすませておき、「指揮者の指示を待ちかまえる」ぐらいの構えでいてください。歌い始めはただでさえ緊張するもので、できれば隣の人の声が聞こえて安心してから歌いたくなります。ところがこれをする人が増えると音楽はどんどん遅れてしまいます。思い切って飛び込めるよう、歌い始めの準備をしっかりとしておきたいものです。
January 20, 2006
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今回は音程について考えてみましょう。低音や高音を歌うとき、下記のような歌い方になっていませんか?低音・・・押さえつける、ドスをきかすような声で歌う高音・・・喉をしめつける、顎があがってくる「そうそう、そうなってしまう」と思い当たられた方は、低音や高音をなんとかして出そうとしている、「とてもマジメな方」だと言えます。しかし、その声はどのように聞こえるでしょうか?少なくとも、気持ちよく歌っている声には聞こえません。とても苦しい声に聞こえるばかりか、音程まで不安定な印象を受けてしまいます。努力のわりに報われない声の出し方だと言えるでしょう。そこで、声を出すときは「常に自分の位置がその音よりも上にあり、そこから下にそっと置く」というイメージを持って歌ってみてください。階段をイメージしてください。各段は音階に相当します。自分は出したい音の数段上に立っていて、そこから下の階段に向かって音を置いていくという感じです。低い音の時はできるだけそっと置き、高い音の時は自分がさらに高い階段に立っていてそこから下に音を置いている・・・というイメージです。このようなイメージができれば、低い音を押さえつけたり、高い音を突き上げるように歌ったりすることを防ぐことができるようになります。慣れるまでは「頼りない」、「力が足りない」と感じられるかもしれません。また、力で押せないことに不満を感じられるかもしれません。しかし、原則として「力で押す声」は「不快な声」だと思っていただきたいと思います。
January 13, 2006
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呼吸や発声の話題ばかりでは楽しく歌えませんので、これからはいろいろな話題をランダムに書いていきたいと思います。今回は音の取り方についてです。音楽が流れているところで音がわからなくなることはまずありません。困ることが多いのは間奏のあとや、他のパートが歌っている途中から入っていくところです。どうしても音がわからないときは歌うのをあきらめて、歌えるところから歌うというのもテクニックのひとつです(笑)。でも、まずはあきらめずに他のパートの譜面を見てみましょう。どこかのパートが歌っている音が、自分の歌う音と同じだったらラッキーです。歌い始める前にそのパートの音をよく聴いていて、その音にあわせて歌えば簡単に入ることができます。同じ音を探すときは歌のパートだけではなく、伴奏(ピアノ)の部分にも目を向けてみましょう。和音の中に自分のパートの音を見つけることができるかもしれません。うまく見つかったら、その部分のピアノの音をよく聴いて自分の音を探します。同じ音がなくても、メロディを引き継いでいる場合があります。その時はパートの音を聴いておいて、それを引き継ぐ形で歌うようイメージを持っておきましょう。例えば他のパートが♪ドシラソ♪と歌ってきて自分のパートが♪ラソファミ♪と歌うのであれば、この2つをセットにしておぼえておいて自分のところだけ歌うわけです。このように他のパートの音を探していけば、ほとんどの場合は音がつかめるようになります。ただ、ごくまれに「どこからも音がとれない」こともあります。この時ばかりは繰り返して練習しその音のイメージをつかむしかありません。私はごくまれにですが、音がつかめるところからずっとかすかにハミングし続けて音を逃さないようにすることがあります。あまりお勧めできる方法ではありませんが・・・。他のパートの音を聴くという方法は、以前書いた「合唱とは聴くことである」にもつながる話ですし、特にアカペラ(無伴奏)の曲を歌うときにはハーモニーを作る上でも重要です。「響和音の森羅万象」更新しました。
January 7, 2006
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開設間もないこのブログですが、maetosさんをはじめとして繰り返し訪問&コメントをいただける方が増えてきてありがたく思っています。さて、今年のブログの計画を少し。これから100回以上記事に書ける話題を用意しています(これまでに発行したメルマガの分量がそれぐらいあります)。しかし、毎日かそれに近い頻度で更新してしまいますと、「あれもこれも」状態になってしまう心配があります。そこで、テクニックに関する話題は大体週1回ぐらいの書き込みにしたいと考えています。一般の合唱団は、週1回の練習というところが多いため、毎回の練習で記事の内容を参考にしていただけたらと思うからです。他に記事を書ける日は、いただいたコメント・メッセージのお返事や、フリーページの更新、それから合唱にまつわるいろいろな話題を書きたいと思っています。みなさまからも、ご意見やご感想・ご提案をいただけたらうれしいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
January 3, 2006
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あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。さて、新年最初の記事は、タイトルにある「合唱とは『聴く』ことである」です。大多数の方はこのタイトルに違和感をおぼえられると思います。「合唱は『歌う』ことではないのか」と。違和感をもったままおつきあいください。合唱の醍醐味、それは大勢の人が集まって「ひとつのハーモニー」をつくることです。自分がどれだけいい声が出せるかということよりも、全体としてどれだけいいハーモニーが作れるかにかかってきます。全パートの声の響きが一致した瞬間、あるいは不協和音が奏でる緊張した瞬間のすばらしさを体験することができたら、もう合唱からは離れられなくなります。合唱を始めるとき、ほとんどの人は「大きな声が出せたら気持ちいいだろうなぁ」とか、「きれいな声が出せたらいいな」と考えます。が、大きな声を出すことが目的なら、別に合唱をしなくてもカラオケボックスでシャウトすればいいわけですし、きれいな声を出したければ声楽家に個人レッスンを受けた方がより効率的です。ただ、残念なことに私たちは一人で和音を歌うことができません。合唱することでハーモニーとしての楽しさが広がるわけです。では、美しいハーモニーを作るのに必要なことは何か?それは他の人の声を「聴く」ことです。隣の人の声を聴くことから始まり、自分のパート全体の音を聴く、他のパートの音を聴く、さらには全体のハーモニーや会場の反響・残響を聴くことまで、きちんと音を聴くことが合唱にとって何よりも大切だということを私はすべてのことに優先して強調しておきたいと思います。今、みなさんがどこかの合唱団の演奏を聴いているとします。仮にすごく声の大きい人がいたとしましょう。その演奏はどのようになっていると思われますか?特定の人の声ばかりが目立ち、合唱としては台無しになっているはずです。もしその声の大きい人がすごくきれいな声をしていたとしても結果は同じで、ハーモニーは崩れてしまいます。逆に自分が今舞台に立っているとします。近くで歌っている人に大声でがなられると、自分の出している音がわからなくなるばかりか、歌う気さえなくしてしまうかもしれません。(昨日書いたように、まったくの初心者はまず大きな声を出すことが大切なのですが、いつまでもそのままでは困るわけです。)このように考えてみると、合唱団員としてはいかに大声を出すかということよりもいかにハーモニーを作ることに注意を向けられるか=聴くことができるかが大切だということがおわかりいただけるのではないでしょうか。実は、きちんと聴くことができる人は歌もうまくなります。というのは、美しい声を出している人の声を聴いて知らず知らずのうちにその声にあわせていくからです。練習に行かれたら、声を出すことよりもまずまわりの音を聴くことをぜひ習慣にしてください。
January 1, 2006
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