学校が始まって1週間がたった。

久しぶりの担任に張り切る先生、もう修学旅行間近にしてバタバタしている先生、

昨年度からの生徒指導に頭を抱える先生…とそれぞれだ。

他県の試験に受かり、実家に帰った先生から今日学校に電話が来た。

実家も結構近く、ローカルな話をすることが多く、

スロットもする人だったから、一緒に遊ぶ機会も何度かあった。

授業から帰ってきたらちょうど電話が入っていて、

昨年からいる先生みんなで受話器を回してあれこれ話をしてた。

同じ仕事のはずなのに、何もかもが違うようでまだまだ慣れない、って。

人事とか、部活とか、驚く方向へ話が進みそうになったりだった…らしい。

聞いている声はつい2週間前まで同じ職員室にいた彼なのに、

すっかり遠くなったようなまだ一緒に働いているような。

雪が残る、空の広いここで未だのたのたしている自分には

都会の空の下で教員として働くことは聞いていてもまるで他人事のようで。何だか不思議で。

こちらを出て行って元気にやっていると思っていた生徒から、愚痴のメールがきた。

学校自体が考えもしてなかった酷さで、担任が頼りにならない…

やりたいことがあってそこに決めたのに、実際できる環境でも何でもなかった…と。

情報が少ない学校で心配だったけど、思い切り裏目に出るとは…

メールのやり取りを繰り返し、今すぐどうこうもできないしまだ今はここでがんばるって。

とりあえず街に出て行った子たちでご飯でも食べに行こうか？と今メールのやり取り中。

春の空は晴れない。

今日久しぶりに少し青空が見え、また雲に隠されて。

急に肩の荷がいっぺんに下りて、変化に慣れようと必死になっている人をぼんやり見てる毎日。

何もないことが私のこの春の変化なのかもしれない。

「こういう年もあっていいんだよ」と年配の先生はけらけら笑う。

私と同じ時間を過ごした人たちが、みんな幸せでいられますように。

すぐそこにいるみんなも、遠くに行ってしまった生徒たちも、遠い空の下にいる人たちも。

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