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2006.11.30
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カテゴリ: 邦書

 週間少年ジャンプに連載されていた漫画の小説化(光原伸原作)。三編から成っている。最初の二編はオリジナル作品で、最後のが漫画を小説化した作品である。
 アウターゾーンは「トワイライトゾーン」をベースにしたもの。ミザリィという案内人が一般市民を「アウターゾーン」という現実と異次元が入り交じった世界へ招く……といったものである。


粗筋

「呪詛の恐怖」
 曾我は、恋人との結婚を、恋人の父親に認められなかったことを腹いせに、復讐を誓う。しかし、殺人などの犯罪に手を染める度胸はない。彼は古来から伝わる呪術を利用することにした。
 そんなところ、ミザリィという謎の女性が現れ、より効果的な呪術を教えてやるという。曾我はそれを受け入れた。
 途端に、曾我は飛鳥時代に飛ばされた。藤原鎌足と出会う。婚約者は藤原氏の末裔だったのだ。呪うならまず藤原家を守る青龍に保護をやめるよう要請しなければならないのである。
 曾我は青龍と契約を交わし、保護をやめさせるのを成功させた。しかし、その生け贄として婚約者を引き渡さなければならないと知った曾我は慌てる。契約を反故にしようとしたが手遅れだった……。
 歴史の勉強か、と思いたくなる。飛鳥時代の歴史に興味がある者ならともかく、歴史に興味がない者にとって退屈きわまりない。この本はジュニア向けである筈なのに、ちっともジュニア向けではない。著者の知識を見せびらかす為の自己満足みたいな作品。

「DNAの逆襲」
 日向は若いながらも優秀な学者だったが、研究の成果を上司に奪われてしまう。その上司はその研究でノーベル賞を受賞した。日向は自棄になってミザリィという女性に声をかける。ホテルに誘おうとしたが断られたことで逆上し、自分の研究をミザリィと上司に対する復讐に使う。
 日向はミザリィのクローンを作り、上司を殺させたのだ。ミザリィに殺人の容疑がかかる。ミザリィは濡れ衣を晴らす為自分で真相を掴む。
 本編が書かれた当時、日本と韓国は2002年ワールドカップ開催地を巡って争っていた最中だったらしい。作中では日本が韓国を下して単独開催権を得たことになっている。実際には共同開催になったので、時代を感じさせる。
 また、「Gジャン」や「Gパン」という表記もどうもね。
 更に、上記でも述べたように、この本はジュニア向け。なのにヌードは出るは、セックスシーン(ドア越しであえぎ声が聞かれるだけだが)はあるは、日向はミザリィのクローンにフェラチオ(簡素に書かれているが)させるはなど、メチャメチャ。対象年齢を考えろ、ての。
 また、ミザリィが過去に遡って犯罪を無効にする展開は、数カ月前読んだ「黒い仏」みたいでウンザリ。いや、こちらが先だから、「黒い仏」がこっちを真似したのか。

「魔女狩りの村」
 絵里子とエミリはドイツを旅行している内に、17世紀に迷い込んでしまった。魔女として逮捕される。インチキ審問官によって魔女に認定され、死刑判決を受ける。絵里子は命辛々逃げ、現在の世界に戻れた。しかし、エミリは17世紀に取り残されたままだった。
 この話を聞いたミザリィは、ドイツへ飛び、自ら17世紀の世界に入り、インチキ審問官の悪行を暴く。
 元々漫画だったのを小説化。原作にほぼ忠実だが、原作にはなかったシーンも挿入されている。これにも不要なヌードシーンがあり、対象年齢についてどう考えているのかと首を捻ってしまう(ま、原作にあったんだから仕方ないか)。


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解説

漫画と小説は媒体が異なるので、面白い漫画が面白い小説になるとは限らない。ノベライズを担当した者が原作を理解していないとなれば尚更だ。
 原作者光原伸は、どちらかというと素直で純情な感のある漫画家。意外にもエロやグロは得意でないようで、作品にも作風にもそれが現れている。安心して読めた所以でもある。
 この本では、原作を小説化した最後のは原作の域をはみ出ていない為許容できるものの、最初の二編は著者の完全なオリジナル作品で、原作者の素直さや純情さがまるでない。原作では有り得なかった展開やシーンの連続で呆れてしまう。小説を執筆した山田隆司は原作の漫画を一冊でも読んだのかね、と疑ってしまう。
 ミザリィはアウターゾーンの案内人とされているが、「案内人」には「ストーカー」とルビがふられている。マンガが発表された当時「ストーカー」という言葉は一般的でなかったが、今は一般的。
 原作者が想定していたのとは全く異なる「変質者」という意味になっている。
 この状況を光原伸はどう思っているのか。



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Last updated  2006.11.30 09:13:10
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