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2007.04.07
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カテゴリ: 洋画


 テレビ番組のパイロット版として制作されたテレビ映画。
 ブルーサンダーやナイトライダーと共に、スーパーマシンとそれを操る者の活躍を描く1980年代らしい作品。


粗筋

1980年代の冷戦時代。
 モフェット博士は、CIAの資金援助で超音速攻撃ヘリ「エアウルフ」を開発。
 しかし、戦闘能力を披露する模擬戦で、モフェット博士は自ら作り上げたエアウルフをハイジャック。エアウルフと共にどこかへ飛び去った。
 CIAは急いでエアウルフの行方を追った。その結果、エアウルフはリビアにいることが判明。リビアはソ連の同盟国。ソ連に侵攻する為に開発されたエアウルフがソ連の手に渡ってはならない、と判断したCIAは、エアウルフの奪還を決めた。エアウルフをリビアの基地から奪還し、そのまま飛ばせるパイロットを探す。
 その結果ベトナム戦争でヘリコプターパイロットだったストリングフェロー・ホークに白羽の矢が立った。
 ただ、ホークはCIAとは旧知の真柄であり、CIAに不信感を抱いていた……。


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感想

テレビ番組のパイロット版として制作されたものなので、大したものではなかろうと思いきや、日本の下手な大作映画より金がかかっていそう。
 ストーリーは非常にシンプル。主人公が敵側の基地に侵入してヘリを盗むまでの経緯も物凄くあっさりしていて、「その程度の侵入作戦でよく生きて出られたな」と思ってしまう。下手にややこしくしていないところが、逆にいいと言えるが。
 エアウルフは、音速――マッハ1――以上で飛行できる、ということになっている。ヘリコプターについて少しでも知っている者なら噴出してしまうようなホラだが、映像を見る限り「ま、それも有り得るかな」と感じてしまう。

「そりゃちょっと危ないのでは?」と感じたのは、最後の部分。
 ホークは、愛した女(CIA工作員)を殺したモフェットに対し、エアウルフが搭載していた全ての兵器を撃ち放つ。空になっても尚発射ボタンを執拗に押し続けるホークに対し、副操縦士は「もう終わった。帰ろう」と促す。ホークは我に帰り、リビアから飛び立つ……。
 このラストシーンはホークの人間性を印象付ける名場面だが、後々思うと、まだリビア国内にいるのに兵装を空にして大丈夫だったのかね、と思ってしまう。
 テレビ番組がそのまま続くので、無事脱出できたようだけどね。

 1980年代に製作されたものなので、時代を感じさせる部分も多い。
 1990年代に崩壊したソ連は、本作では健在。
 リビアの指導者カダフィ大佐についても触れられている。本作では「アメリカの敵」だが、現在リビアは「アメリカの友」というほどではないものの、かなり軟化している。カダフィ大佐もアメリカ寄りになりつつある(ソ連が崩壊したのでアメリカに擦り寄らざるを得ない、という事情もあるのだろうが)。

 主人公を演じるジャン・マイケル・ビンセントは、まさに適役。
 一見大人しそうだが激情し易く、しかも執念深いホークを見事に演じている。
 それにしても、ストリングフェロー・ホーク(Stringfellow Hawke)という役名は、誰が思い付いたんだか……。テレビドラマ史上最も奇妙な名前といえる。
 ちなみに、ジャン・マイケル・ビンセントはこの番組終了後これといった仕事が入らず、他の多くの元ヒット番組出演者のようにアルコール依存症になるなど、苦労している。

 この頃の米国テレビドラマの例に漏れず、テーマ曲も非常に良い。
 印象的な、ドキドキ感をかもし出す、「格好いい」曲で、ヘリの格好良さを存分に引き立てている。

 最近は、日本は勿論アメリカでもこじんまりとした、予算を全くかけていないな、と感じさせるテレビドラマが多い。
 もうこういったテレビドラマは見られないのかね。
 そういうのは映画として観ろ、てことなのかも知れないが、最近はしょぼいのが多いし……。


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Last updated  2007.04.07 13:50:24
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