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2021.01.15
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カテゴリ: 洋画

 アメコミの2大大手の一つDCコミックスを代表するスーパーヒーロー・ワンダーウーマンの実写映画第2弾。
 DCエクステンデッド・ユニバースでワンダーウーマンを演じてきたガル・ガドットが引き続き主演を演じる。
 監督も、前作と同じくパティ・ジェンキンス。
 製作には、主演のガル・ガドットも名を連ねる。
 タイトル通り、舞台は1984年。
 原題は「Wonder Woman 1984」。「WW84」と略される。


粗筋

 前作での戦いから66年。
 1984年のアメリカ合衆国首都ワシントンDC。
 ダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)は、スミソニアン博物館で勤務しながら、正体不明のヒーロー・ワンダーウーマンとして悪と戦う日々を送っていた。
 FBIに摘発された密輸業者の盗品がスミソニアンへ届けられる。数々の盗品の中に、奇妙な石の置物があった。
 ダイアナの同僚である鉱物学者バーバラ・ミネルバ(クリステン・ウィグ)の鑑定では、シトリンで出来た無価値な紛い物と見なされた。台座にはラテン語で「一つだけ願いを何でも叶える」と彫られてあったので、ダイアナは思わず66年前に亡くした恋人スティーブが戻って来てほしい、と願ってしまう。
 バーバラも、ダイアナの様な格好いい女性になって、うだつが上がらない自分自身を脱したい、と石に何気無く願った。
 テレビコマーシャルで自身の石油事業を宣伝してちょっとした著名人になっていたマックス・ロード(ペドロ・パスカル)が、スミソニアンに現れ、ダイアナ達に接近。バーバラを誘惑し、石の置物を借りる事に成功する。実は彼は、石の置物を長年探し求めていた。石の置物を漸く手に入れたマックスは、その仕組みを逆手に取り、願い事を叶える力を自らのものとする。
 マックスの石油事業は、実は破綻寸前のネズミ講だったが、石の置物の力を手に入れた事で急展開。石油が出ない筈の所有地全てから石油が湧き出す様になる。
 石油事業を大成功させたマックスの元に、様々な投資家らが押し寄せる。マックスは、彼らの願い事を叶えるのと引き換えに、あらゆる権力を手に入れていく。
 ダイアナは、石の置物がこれまで歴史上の様々な文明で姿を現していた事を突き止める。それらの文明は、石の置物の力で短期の内に強大になっていったものの、同じく短期の内に滅亡していた。石の置物は、悪魔の化身だったのだ。
 ダイアナは、石の置物を処分しようとするが、バーバラがマックスに貸し出してしまった事を知る。
 マックスにより石の置物が悪用されている事を知ったダイアナは、彼の阻止に動き始める。
 そんな中、ダイアナはある男性と出会う。スティーブ・トレバー(クリス・パイン)の記憶があった。ダイアナの願いは、別の男性にスティーブの魂が宿る、という形で叶えられたのだった。ダイアナは、スティーブの魂を宿す男性(ダイアナにはスティーブの姿に見える)と共にマックスの追跡を開始。
 ダイアナの住まいで、スティーブは古い鎧らしきものを見付ける。これは何だと訊くと、ダイアナの故郷のセミッシラ島の戦士アステリアが着用していた鎧だと答える。古代の時代にこちらの世界とセミッシラ島との間で戦いがあった時、アステリアは自身を犠牲にしてセミッシラ島の結界を復活させる時間稼ぎをした。こちらの世界に留まる事になったアステリアの消息は不明となり、セミッシラ島ではアステリアは伝説の戦士として崇められていた。ダイアナは、こちらの世界にやって来た直後に、アステリアを探し求めたが、発見出来たのはその鎧だけだったと説明した。
 ダイアナとスティーブは、マックスを追ってエジプトへ飛び、マックスと対峙。しかし、願いの代償で、ダイアナは以前の様な超人的な戦いが出来ない事が発覚。その結果、マックスを取り逃してしまった。
 ダイアナとスティーブはアメリカに戻り、マックスを再び追い詰めてゆく。しかし、二人の前に、バーバラが立ちはだかる。
 バーバラは、ダイアナの様な格好いい女性になりたいと願った事で、意図せずにワンダーウーマンと同等の戦闘力を会得していた。折角叶った願いを失う事を拒否した彼女は、マックスと手を組み、彼の逃走を手助けする。
 スティーブは、ダイアナがワンダーウーマンとしての力を復活させない限り、マックスやバーバラを相手に戦うのは無理だと悟る。その為にはダイアナに自身の願いを撤回させなければならなかった。それは、スティーブを再び失う事を意味するのを知っていたダイアナは、願い事の撤回を拒否する。スティーブは、自分は既に死んだ人間だとダイアナを説得する。ダイアナは悲しみに満ちながらも願い事を撤回し、スティーブと別れ、ワンダーウーマンとして復活する。
 マックスは、アメリカ大統領に接近出来るまでの力を得ていた。軍の通信施設を経て、世界中の人々と接触して願い事を叶え、更なる権力を手に入れようと画策。
 ダイアナはその施設に向かった。
 バーバラが再び立ちはだかるが、戦いの末彼女を倒し、マックスと対峙。
 しかしマックスは、通信施設を悪用し、世界中の人々の欲望を叶えていた。
 核兵器をより多く配備しなければ、というアメリカ大統領の欲望まで叶えていた事から、アメリカの核兵器の数が一気に増加。
 それに反応したソ連が、核戦争を仕掛ける。
 ダイアナは、マックスに対し、願い事を撤回しないと、愛する息子まで失う事になる、と説得。同時に、通信施設を経て、世界中の人々に願い事を撤回させる。
 その結果、世界は以前の状態に戻っていく。
 世界を危機から救ったダイアナは、平和にクリスマスを迎える人々の中を歩いて行った。

 別の場所で、子供が命の危機にさらされるが、偶々側を歩いていた黒髪の女性が救う。
 子供の母親は、黒髪の女性に感謝の意を述べ、相手の名を訊く。
 その女性(リンダ・カーター)は、「自分の名はアステリア」と答えると、その場を去った。



感想

 実写映画版第1弾で、ワンダーウーマンは悪の化身である神で、自身の兄でもあった敵と戦った。
 第2弾ではどういう強大な敵と戦うのか、と思っていたが……。
 小さく纏まってしまった感じ。
 本作の一番の敵といえるマックス・ロードは、一旗揚げたいが故に無謀な事業に手を染めてしまっただけのペテン師で、根っからの悪人という訳ではなく、ラストで溺愛する息子が危機にさらされていると知ると何もかも放棄して自分がペテン師だった事を息子に打ち明けて詫びる程度の小悪党。
「ワンダーウーマンと同じ超人的な力を持つ凶悪な敵」とされたミネルバも、元は冴えない学者で、ふとした事で強大な能力を得てしまっただけ。汚い言葉を使う様になるが、イマイチ様になっておらず、本気を出したワンダーウーマンにあっさりと倒されてしまう。
 人類滅亡の危機に発展するが、悪人らしき悪人は一人も出ない。ここまでの危機だから、死者は出ていたと思われるが、具体的には描写されない。マックスもミネルバも、人を傷め付ける事はするものの、直接殺すまでは至っていない。
 前作では人を殺めたワンダーウーマンも、本作では誰も直接殺める事無く世界を救っている。
 胸糞悪い登場人物、ストーリー展開、結末は無く、安心して観られ、その意味では、非常に「優しい映画」。
 女性が監督を務めたからか。
 同じDCエクステンデッド・ユニバースのスーパーマンが、本来の善の塊なヒーローから、ダークヒーローっぽい要素も取り入れる様になってしまい、やっつける対象となる筈の悪の側と大差が無くなり、観ていてがっかりした経験があるので、善をひたすら貫き続けるヒーローが描かれるのは喜ばしい。
 ただ、本作の様にヒーローは勿論、敵側も何と無く優しくなってしまうと、物足りなさを抱いてしまう。
 マックスの欲が限りなく増幅していき、溺愛する筈の息子ですら犠牲にしてしまう、ミネルバもガンガン人を殺すくらいになるまで性格が歪んでいく、といった展開にした方が、ワンダーウーマンももう少し容赦無く戦う事が出来、最終的にワンダーウーマンが勝利する事によって爽快感が得られただろうに。

 ワンダーウーマンことダイアナ・プリンスは、前作から66年後の1984年は、スミソニアンで研究員として勤務している。
 その職にどうやって漕ぎ付いたのか、66年もの間何をやっていたのか、に関する説明は一切なされていない。
 観ている側は、その状況をただただ受け入れるだけ。
 ダイアナ・プリンスがどういった人物なのかに関してはあまり深く掘り下げておらず、あくまでも「主人公として動き回っている女性」でしかないのは、残念。
「スーパーマンvsバットマン」で颯爽と登場したワンダーウーマンは、スーパーマンに劣らぬ力を持っていて、スーパーマンを驚かせた程だった(同時に、主役の座をさらっていった)。が、続編の「ジャスティスリーグ」ではそこまで強い訳ではない、という設定に格下げされている。その続編の「ワンダーウーマン」では、強い事には強いが、無敵でもない、という設定になっている。本作では、石の置物の効力により能力が低下していたという事情があったにせよ、「常人より身体能力が高い」というレベルに落ちてしまっている。
 何故作品を重ねるごとに弱くなっていくのか。
 あまりにも無敵にすると敵もそれに合わせて強力にしなければならず、脚本が書き難くなる、という問題もあるのだろうけど、それだったら脚本を練りに練れば言い訳で。時間も予算もあるのだから。

 前作で壮絶な犠牲を払ったスティーブ・トレバーは、思いがけない形で復活。
 といっても、死亡した事に変わりはなく、ラスト辺りで退場(退場する瞬間は観れない)。
 次回作でまたまた復活するのは有り得なさそう。

 ワンダーウーマンのライバルとして、ミネルバことチーターが登場するが、元は中年に差し掛かった、冴えない女性とあって、迫力不足。
 作中では、ワンダーウーマンの能力をふとした事で手にしてしまった事で、「イケる女」になった、という風に描かれているが、眼鏡を取る以外に容貌が激変する訳ではない(ラストでチーターそのものになるが)。
 ミネルバを演じるクリステン・ウィグは、不美人ではないが、ミス・イスラエルだったガル・ガドットの横に並ぶと、顔も身体付きも終始「ただのオバサン」に過ぎなかった。
 もう少し若い女優を起用し、変身前は肥満で不細工だったのが、変身後は痩せて美人、といった演出は出来なかったのか。ハリウッド映画では俳優が役作りの為に体重を激増させたり、激減させたりする事がよくあるので、撮影中にそうする事も出来たと思うのだが。

 マックス・ロードは、強大な力を手に入れるが、元々気の弱いペテン師に過ぎず、悪に染まり切れず自滅。
 バットマン・シリーズで登場する、悪である事に何の躊躇も見せず、寧ろ楽しんで悪行に手を染めるジョーカーと比べると、ただの雑魚。ジョーカーが登場していたら、あっという間に手下にされ、利用され捲っていたと思われる。
 演じていたペドロ・パスカルは、優男というか、童顔の俳優で、気の弱いペテン師、という役柄には適していたが、終始その顔のまま。「悪」には相応しくない。
 奇妙な事に、ペドロ・パスカルはこれまで自分が観て来た数作品(イコライザー2、キングスマン・ゴールデンサークル)でも悪役を演じている。いずれでも最終的には呆気無く倒されてしまう。何故優男っぽい顔にも拘わらず、悪役で起用されるのかは不明。
 顔に似合う役柄で登場するのを観てみたい気がしないでもない。

 クレジット前に、1970年代のテレビシリーズでワンダーウーマンを演じたリンガ・カーターがカメオ出演。
 何故登場したんだと思ったら、アステリア役だった。
 こういうやり方があったか、と納得。
 DCエクステンデッド・ユニバースは、当初は過去のDCコミックス関連の実写版を否定するか、そもそも無かったかの様なぞんざいな扱いをしていた。
 それが原因からか、マーベルスタジオより先立って実写版を製作していたのに、興行的にも、批評的にも、マーベルに後塵を拝す結果になってしまっている。
 その反省からか、ここ数作からは過去の作品にそれなりの経緯を払うようになってきている。「ジャスティスリーグ」では、スーパーマンが再登場した際、1970年代に公開されたスーパーマン(故クリストファー・リーブス主演)の音楽を使ったし、本作ではリンダ・カーターを起用。
 これによりDCエクステンデッド・ユニバースの興行収入が大幅アップするとは思えないが、過去の作品のファンにも受け入れられ易くなっているのはいい事である。
 本作でリンガ・カーターがアステリアとして登場してしまった為、次回作ではもう少し活躍が観られるのか、という期待を持たせてしまっているが(新旧のワンダーウーマンが起用するとなると、脚本がますます難しくなるし、リンダ・カーターも70代というから、多分無いと思う)。

 ワンダーウーマンは、早くも更なる次回作が決定しているが、もう少し強力な敵と戦ってもらいたい。
 監督も、そろそろ変えた方がいいと思う。
 制作も、早めに進めた方が。
「スーパーマンvsバットマン」ではまだ30代を迎えていなかったガル・ガドットも、既に30代半ばに差し掛かっている。
 男性のコスチュームドヒーローは、男優が40代、50代になっても支障は無いが(オッサンなのに頑張ってるな、とは思うが)、女性の場合、40代、50代の女優が露出度の高いコスチューム姿で暴れ捲るのを見せられるのはきつい。10代の鑑賞者からすれば、自分らの母親の世代が演じている事になってしまう。それでは高い興行収入は見込めない。美人だろうと、スタイルが良かろうと、オバサンは結局オバサンなのだから。

 劇場の回転率を重視する最近の映画にしては、上映時間が151分と長い。
 間延び感があるので、もう少し編集して、短くしても良かったのでは、と思わないでもない。

 本作は、2020年前半に公開が予定されていたが、コロナウィルス感染拡大により公開が夏に延期され、夏にも収束する気配が無かった為年末に延期。
 アメリカでは年末でも収束の気配は見せていなかったが、これ以上延期出来ないとの判断からか、日本ではアメリカに先駆けて公開された。
 007最新作も2020年の公開が翌年にまで延期される等、コロナウィルスは映画界に多大な影響を及ぼしている。







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Last updated  2021.04.16 22:52:30
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