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「一歩」 一歩 そして また一歩 踏み出す一歩は 近づく一歩
2009年09月29日
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暫くの、いえ、1年半ぶりの、長い間のご無沙汰でした。それでもお訪ね下さった方々にはお礼とお詫びを申上げます。さて・・ニュースがあります。その1終戦記念日の今日、いえ、正確には敗戦ですが。8月15日付で上梓しました。人間賛歌『生きているから』(木耳社)書店・筆墨店・ネット等で全国一斉発売です。ご笑覧くだい。本のことはHPにはまだアップしていません。悪しからず・・そのうちにして戴きます。気が付いたらもう、立秋が過ぎていました。もう残暑見舞いなんですね。優秀な猫の手がほしい・・
2009年08月15日
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5時半だというのにもう薄暗い。秋は、日が沈むと一気に闇に包まれる。一際明るいのは、横浜市開港記念会館。ライトアップされた時計塔は、一際明るくオレンジ色に浮かび出ている。官庁街の日本大通り界隈は、ビルから溢れ出た人達が、連れ立って、あるいは私のように1人で思い思いに家路を急ぐ。並木の銀杏も薄闇の中に溶け込んで、黒いシルエットを作り出すだけ。色付き始めたばかりの木々が、溜息のでるような、辺り一面、それは見事な、黄金色の美しい並木にかわるのも間もなくのことだろう。いつの間にか周囲は商店街に変る。横浜スタジアムの林が見え、横浜市庁も視界に入る。左に曲がれば横浜中華街。私は右に曲がり関内駅に向かう。改札口でスイカ(JR用プリペイドカード)をタッチする。改札口の切符挿入口に通さずとも、これだけで入鋏したことになる。いちいち切符を買う必要もなく、誠に便利な代物。最近は、そのチャージ(カードへの入金処理)も必要なくなった。あらかじめ決めた金額以下になると、前もって登録してある金額が、改札を通る時、自動的にチャージできる仕組みになったのである。私は、2千円以下になると、改札口で自動的に5千円チャージ(入金)できるよう登録している。時間と手間が省けて便利といえば便利だが、路線図を眺め、料金を確かめながら切符を買う楽しみもなくなり、味気ないと言えなくもない。また、機械は故障することもあるから、カードの引き落としの請求書が届いた時には注意することも肝要だろう。私は、エスカレーターを使わず階段を上る。最近は、大きく息を吸いながら2段、ゆっくり吐きながら8段登る。暫く前は呼吸が浅くて吐きながら登るのは4段だけだった。それが6段になり、時々は10段登れるようになった。疲れてくると一息で登るのは、4段になり3段に落ちる。身体は正直なものである。庁舎の門を出ればすぐみなとみらい線の日本大通り駅、そのまま乗れば、東横線大倉山駅、我家の最寄り駅に直結している。朝、出勤時は勿論このみなとみらい線を利用するが、帰りは歩く距離を伸ばしたくて遠回りをする。下車駅から我家まで16分。買物すればたっぷり30~40分は歩ける。普段、運動らしきものをしない私の健康志向、せめてもの努力。偏にいい作品をつくりたい一心ともいえよう。
2006年10月19日
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参道を横にそれて石段を数段登った。拝観料を払い、くぐり戸を抜ける。そこにはまだ静寂があった。廊下越しに見る薄暗い部屋の襖には達磨絵が配され、床の間の軸も禅僧らしきもので、どちらも室町時代風。山を拝した日本庭園は、造られたものというよりは、自然のままの趣である。地下水が集められて山から一筋の小川が流れ、水はちょろちょろと音をたてて池に注ぎ込む。鯉はときおり水を弾きながら群れ泳いでいる。庭のそこここに草が生えているのも嬉しかった。紅葉した楓の下をくぐり、池に沿って獣道のような遊歩道を歩く。紅葉した樹木と常緑樹とが混在し、そのコントラストがいい。幾条かの木漏れ日を浴びるだけの熊笹も羊歯も、苔もその生を謳歌していた。暫くして、私は思わず立ち止まった。それは、幽玄の世界を見るようであった。青々と繁る青木の傍に、紛れもなく真っ白い葉をつけた一本の木が生えている。私は自分の目を疑った。ほの暗い林の中で、そこだけがぼうっと明るく見える。白い葉は朴のように大きく、葉脈がくっきり透けて見えた。落葉する前の、幽かに生にしがみついている姿なのかも知れない。その木の下にはまだそれらしき落葉はなかった。「不気味ですね」振り向くと、深いグリーン色のジャケットを着た白髪まじりの男が立っていた。「死人を見るようですね。僕はあまりすきじゃないな」クリーニングの利いた白い Yシャツを着て、襟元には茶系のアスコットタイが覗く。ズボンはセピア色を少し薄くしたような色で、もう少し無造作に着こなした方がいいのに、私はそう思いながら道を譲った。「お好きですか?寺は。 随分ゆっくりご覧になって」「ええ、心が落ち着きますから」私の前を通り抜けながら尋ねる男に、私はぶっきら棒に、そして呟くように応えた。男は、少し不自由な左足をかばいながらも、確かな足取りで去っていった。再び参道に戻ったとき、日は、残された僅かの時間を惜しげもなく降り注ぎ、逆光に浮かぶ紅葉は、複雑な光の屈折の中で、ひときわ私の目を釘付けにした。光を浴びた葉の裏は透けるような赤となり、そこに陰も加わる。明度の微妙に異なる幾種類かの赤と黒とが交錯する。光と影が織り成すその自然の芸術を、どう言い得ようか。参道を登って来る時、私は日を浴びた鮮やかな紅葉に、思わず感動と驚愕の声を漏らした。しかし今、夕日に向かって佇ち、目にする木々のなんと美しいことか。光が美しさを引き出すように、陰もまた、更なる美を演出してくれる。古くからの、日本家屋の設え(しつらえ)がそうであったように。
2005年11月16日
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歩道の脇のクヌギの葉裏に蝉の抜け殻を見つけた。しっかりと葉にしがみ付いているが、背中の真ん中に大きく切れ目があり、中は空っぽ。間違いなく抜け殻である。公園に差し掛かると、猫じゃらしの葉に、槿の葉に、辺りを注意深く見てみると、あっちの葉、こっちの葉にと蝉の抜け殻がしがみ付いている。まさしく空蝉(うつせみ)。騒がしいほどに辺りを包む蝉時雨。夏の盛りの暑さの中にも秋を感じるようになった。やがて、この夏限りの命との別れが待つ。蝉しぐる 儚き君が命ゆゑ かくせつなくも激しく鳴くか・・・・・・・・・・・・・・・・・ご訪問くださった皆様、メッセージをお寄せくださった方々、いつもいつも有難うございます。ご返礼できず恐縮です。唯今 イベントとが重複、数日振りの更新がやっとの有様です。ご容赦ください。 m(__)m
2005年08月17日
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熱砂の国エジプトの皆様、謹んで心よりお見舞いを申し上げます。そして被害者の皆様、ご冥福をお祈り申し上げます。ロンドンに次ぐテロ。とんでもない世の中になりましたね。日本ももしかしたら、と慄きます。また、関東地方の皆様には、地震お見舞い申し上げます。私は車上で遭遇しました。信号待ちの時ぐらぐら ぐらぐらっとかなりひどく・・思わず外のポールを見れば、ポールも大きく揺れていました。電車に間もなく影響が及び、ホームに人が溢れました。日本は地震国ですね。地震・雷・火事・親父、と古より恐がられています。対策は万全でしょうか?具えあれば憂いなし・・我家はお粗末極まりなし、です。自慢になりませんが。
2005年07月24日
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3日間のご無沙汰でした。しばらく振りです。今日会議で出かけますが、その前に。少し元気が戻りました。ご心配戴き感謝です!m(__)m数日前、kiyさんからのBOOK BATONを受けました。kiyさんは、私が楽天ブログを始めたとき、初めて書き込みをしてくださった記念すべき、心優しい”ブログともだち”です。本に関する質問と答え、そして5人の方にBATON をお送りします。お返事が遅れてしまいましたが・・・Q1:持っている本の冊数 →何千冊??万はいかない・・と。 蔵書の目録を作っていないから数えられません。 今春、300冊程処分しました。徐々に処分しようと思っています。 (そろそ ろ身辺整理?) 1冊買ったら1冊処分してほしい、と家人に言われたこともあります。 文学・評論・思想・歴史・教育・書道・美術関係などの堅い本が中心ですが、 勿論文庫本も。軽くてバッグにいれて持ち歩くには好適。 これからは文庫中心に購入予定です。 「文部省推薦ばかりで・・」と 姉に軽蔑(?多分!)の言葉を浴びせられたこともあります。 書道・美術関係のものは<大・重・高価>の限定版や資料性の高いものが多く 処分出来ません。勿論まだまだ現役ですから。いづれ後輩に全て譲る予定です。Q2:今読みかけの本、または読もうと思っている本 →読みかけ:平行して数冊読むので。 柳田邦夫『言葉の力、生きる力』(新潮文庫)書展で目に止まり購入。 『歳時記・夏の部』(角川文庫)バッグには大抵季節のものを入れておく。 遠藤周作『心の砂時計」(文春文庫)読むのは3度目くらいかな・・ →次に読もうと思っている本:箒木蓬生『アフリカの蹄』(講談社文庫)Q3:最後に買った本:箒木蓬生『アフリカの蹄』(講談社文庫) 瀬戸内寂聴『無常を生きる』(講談社文庫)Q4:特別の思い入れのある本、心に残っている本 →※『母をたずねて三千里』: 幼いマルコは、出稼ぎに行った母を追ってあちこちの街を訪ね歩く。 訪ねても訪ねてもすれ違うばかりで・・ 涙を流しながら繰り返し繰り返し読んだ思い出の本。 ※『アンクルトム物語』: 白人の人種差別と奴隷解放をテーマにして書かれた本。 黒人の、召使いトム爺と下働きのトプシー、 人種差別のない主人と心優しい少女との織り成す物語。 涙を流し何度読んだことか。鮮烈に心に残る本。 『母をたずねて・・』と共に私の人格形成の原型となった本と思う。 少年少女文学全集の中のこの1冊は、未だ手放せず本箱に。 上記2冊は父が買ってくれたもの。 子供の頃の本は殆ど父が買ってくれた。 月刊の雑誌(『小学生一年生』・・) 『少年少女文学全集』絵本・単行本など。姉達には『ロシア文学全集』なども。 ※『罪と罰』 高校生の時、布団の中で読み始め、とうとう朝まで読み続けたが、 さすがの長編だから最後まで読み終えることは出来ず、 20頁位だったか読み残して翌日ようやく読了したのを覚えている。 このころは黙読が大分速くなっていた。 ※『論語』 もう20年位前、「書」の作品にしようと挑戦した。 毎年書体を変えて作品に仕上げることを目標に、 初年度:第1章~4章・・篆書 2年目: 第5章~8章・・隷書 3年目:第9章~12章・・楷書 4年目:第13章~16章・・行書 5年目・6年目と書き続け、結局8年書けて『論語』全文を書き上げた 私のオリジナルの「労作」。 初年度の作品で内閣総理大臣賞(中曽根康弘)を受賞。 いろいろな『論語』を数冊所有するが、原稿としたその本(文庫)は ぼろぼろとなった。同じように6年書き続けた全20巻の『竹取物語』も。 みな懐かしい思い出。 ※5冊目は・・選択に苦慮するが、 『原爆句抄』『万葉秀歌』『深い河』『秀吉と利休』 『ケネディーからの伝言』他、 青春時代の『伊豆の踊り子』『藤村詩抄』も。が、やはり、 ※松尾あつゆき『原爆句抄』をあげる。 著者は長崎で被爆。妻と子ども3人を失う。魂を突き破る自由律の句。 長文の「爆死証明書」も所収。全て英訳つき。 俳句は既に何度も書作品にし、『地球の子供』にも所収。 戦後60年の今年、出来ればこの1冊で、長崎での個展をと思っていたが。 是非とも書きたい、書き継けたい本。Q5:次のかたへ・・勝手ながらご容赦ください。 Batonをお受け取りいただける方のみ日記にアップしてください。 お願いします。 気が進まなければそのままで・・ ご連絡いただければお名前を消去させていただきます。※冨嶽百太郎さん ・山ぶきさん ・ルカの街並さん blue rose2792さん ・悪代官1号さん ・星組Bさん 小川のジョージさん ・NATSUさん
2005年07月10日
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ガンジス河の流れに乗り、たゆとうていった多くの死者たちよ今何処をたゆたうのか。聖河は、全てのものを抱きかかえて流れ、そして永劫へと続く。天象とて知る由もないが、ベナレスはその入り口であるらしい。天国も もう夏なのでしょうか。師匠は一足先に、父と母はもうとっくの昔にそちらにいます。私はもう少し先、いえ、願わくはずっと先に、と。唯、大河の流れに乗って旅してみたい、とも思います。「上善(じょうぜん)は水の若し(ごとし)」とは先賢の名言ですから。
2005年06月24日
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電車がなかなか発車しないとおもったら、日比谷線で車輌故障だという。日吉で通勤特急に乗り換え、中目黒で日比谷線に乗り換えたとき、折角座席に着くことが出来たのに。「ついてない」私はそう思った。が、今度は瞬時に「ついてる」と思った。電車は恵比寿駅で停まっていたのだった。すぐさま飛び降り、JR駅に急ぐ。乗り換えるのが吉と出るか凶と出るか。兎も角、乗り換えて行けば遅刻にはならない。ならば、こちらが吉であろう。渋谷から表参道へ、次に半蔵門線に乗り換えて九段下で下車。時間にはまだまだ間があった。「私もまだまだいける」その機敏な対応に、若々しい(?)素早さに一人で悦に入った。私は火曜日から北の丸公園にある科学技術館に通っている。日本最大の「毎日書道展」の開催を控えて、その準備に駆り出されているのである。九段下に着いたとき、雨は上がっていたが、私は傘をさして歩いた。道の両側の銀杏と桜の並木からは、時々雫が落ちてくる。どちらも、歴史を感じさせる大木である。お堀の水は澱んだように、水草が被って緑色を呈していた。江戸城そのままの名残を残す田安門をくぐる。頑丈に積み上げられた石垣と共に、これまた歴史を物語る重厚さである。武道館の近くには弥生廟があり、明治40年と標す石柱が建っていた。その先を確かめてみたくもあったが、先を急いだ。武道館を越え、科学技術館への緑道を歩く。雨が上がったばかりの木々は瑞々しく美しい。重さに耐えかねて、ぽとりぽとりと雫が時々落ちてくる。既に深緑の葉になった桜に交じり、若草色の柔らかい紅葉葉のそよぎも見える。楠の若葉の先の、待ち針の頭ほどの丸いものは楠の花に違いない。暫く行くと木立の中に聳える泰山朴を見つけた。白い大輪の花もそろそろ終りのようだ。所々に茶に変色したものも見える。傘の先に、孵化したばかりの鬼やんまを止まらせ、立ち話をしている人に出会った。道にいたものを、踏み潰されないように、と傘に止まらせたそうだ。このあと、その人はどうするのだろうか。気になりながらも、私は歩を進めた。間もなく科学技術館である。総数何万点もの作品が寄せられるマンモス書展、プロへの登竜門として根強い人気があり、今年も間もなく熱い戦いが繰り広げられる。
2005年06月23日
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